驭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第14話 あらすじ/ネタバレ

北淵(ほくえん)の平穏は突如其来に明かされた真実によって打ち砕かれた。

阿紀(あき)が長意(ちょうい)に授けた秘術「假餌真魚」は、実は長意(ちょうい)が綿密に計画した策略だった。彼は奇鋒(きほう)の陰謀を暴き、符恒(ふこう)を殺害し、盧謹炎(ろきんえん)に罪を擦り付けた彼の企みを皆の前で明らかにする。動かぬ証拠を突きつけられ、奇鋒(きほう)は白状するも、長意(ちょうい)が自分に手を出すなら阿紀(あき)に危害を加えると脅迫する。

阿紀(あき)と姬寧(きねい)は嵐から逃れようとするが、奇鋒(きほう)の手下から追われ、望月砂霧の毒煙を吸ってしまう。生死の危機に瀕した阿紀(あき)は、姬寧(きねい)と別れて逃げる。彼女は機転を利かせて大木に飛び乗り、何とか難を逃れる。

長意(ちょうい)は阿紀(あき)の危機を知り、急いで助けに行く。しかし、阿紀(あき)は霊力を使い果たしたことで本来の姿である女性の姿に変わってしまう。その容貌は、亡き紀雲禾(きうんか)に驚くほど価ていた。長意(ちょうい)は驚きながらも、阿紀(あき)を抱きかかえてその場を去る。紀雲禾(きうんか)への深い愛情が再び呼び起こされたのだ。

阿紀(あき)は目を覚ますと、思い出と混乱に満ちたこの場所から逃れたいと願う。しかし、長意(ちょうい)は彼女が紀雲禾(きうんか)の生まれ変わりだと確信し、幻術を使って自分の正体を隠し、必死に阿紀(あき)に留まるよう懇願する。阿紀(あき)は戸惑いながらも、長意(ちょうい)の説得を受け入れ、傷が癒えるまで留まることにする。

一方、奇鋒(きほう)は凌霜台に連れ戻され、卿瑶(けいよう)から厳罰を受ける。彼は全ての霊力を奪われ、北淵(ほくえん)を追放される。その頃、空明(こうめい)は紀雲禾(きうんか)の身世に関する新たな手がかりを持って帰ってくる。彼女が属していた御霊師の一族は滅びたものの、九尾狐の一族は生き残り、林昊青(りんこうせい)によって人間の姿に作り変えられたというのだ。空明(こうめい)は阿紀(あき)の記憶を取り戻すために協力すると誓うが、長意(ちょうい)は真実を隠蔽し、阿紀(あき)が何も心配せずに暮らせるようにしようと決意する。

長意(ちょうい)は葛藤の末、過去の紀雲禾(きうんか)への執著を捨てることを決意する。彼は湖心島にある小屋を訪れ、紀雲禾(きうんか)から贈られた貝殻を置き、別れを告げる。羅素(らすう)は長意(ちょうい)の行動を理解できず、瞿暁星(くぎょうせい)と洛基桑(らくきさん)と議論する。洛基桑(らくきさん)は阿紀に対処するために毒薬を探そうとするが、空明(こうめい)と再会を果たし、喜びに包まれる。

一方、雪三月(せつさんげつ)は離殊(りしゅ)の傷を懸命に手当てし、彼の容態は徐々に回復していく。そこに、汝鈞(じょきん)が雷澤(らいぜき)神君と飛廉(ひれん)神君を連れて現れ、無名山が実は無量山であるという驚愕の事実を告げる。この山は天界と人間界の戦いの跡地であるだけでなく、朱厭(しゅえん)の陰謀が隠されているというのだ。離殊(りしゅ)は雪三月(せつさんげつ)と共に真相を探ることを決意し、その後結婚する。

5人組は無量山に足を踏み入れるが、寧清(ねいせい) の妨害を受け、山の中に閉じ込められてしまう。四方神君が現れ、朱厭(しゅえん)と寧清(ねいせい) が結託していることを明らかにし、汝鈞(じょきん)に瑠璃心灯を与えて朱厭(しゅえん)を封印するよう命じる。しかし、心灯は損傷しており、修復は困難を極める。

寧清(ねいせい) は復讐計画を続行し、汝菱(じょりょう)の顔を修復しようと躍起になり、北淵(ほくえん)の雷火を使って全てを破壊しようと企む。姫成羽(せいゆう)は空明(こうめい)の安全を守るため、寧清(ねいせい) に手を引くよう懇願するが、拒否されてしまう。

一方、北淵(ほくえん)では長意(ちょうい)と阿紀の関係が静かに変化していく。長意(ちょうい)は阿紀を氷湖に連れて行き、2人だけの時間を過ごす。阿紀の純粋さと楽しさは、長意(ちょうい)に昔の紀雲禾(きうんか)の姿を重ね合わせ、彼は徐々に心の枷を解き放ち、目の前の人を大切にすることを学ぶ。阿紀は過去のことを何も知らないながらも、長意(ちょうい)への信頼と依存が芽生えていく。

第14話感想記事

第14話は、衝撃の展開と複雑な感情が入り混じった、見応えのある回でした。

まず、奇鋒(きほう)の陰謀が明らかになり、長意(ちょうい)が巧みな策略で彼を追い詰めたシーンは、スカッとする展開でした。しかし、奇鋒(きほう)は阿紀を人質に取ることで、長意(ちょうい)に心理的なプレッシャーを与え、物語に緊張感をもたらしました。

阿紀と姬寧(きねい)が追われるシーンは、ハラハラドキドキするアクション展開でした。特に、阿紀が機転を利かせて大木に飛び乗るシーンは、彼女の勇敢さを印象づけました。

長意(ちょうい)と阿紀の関係は、大きな転換点を迎えます。阿紀が本来の姿である女性の姿になり、その容貌が紀雲禾(きうんか)にそっくりであることが判明したことで、長意(ちょうい)は混乱と葛藤を抱えるようになります。しかし、彼は最終的に阿紀を紀雲禾(きうんか)の生まれ変わりとして受け入れ、彼女を守ることを決意します。

一方、空明(こうめい)は紀雲禾(きうんか)の身世に関する新たな情報を持ち帰り、物語に新たな謎を投げかけます。また、離殊(りしゅ)と雪三月(せつさんげつ)、汝鈞(じょきん)と雷澤(らいぜき)神君、飛廉(ひれん)神君のそれぞれの思惑が交錯し、今後の展開がますます気になります。

つづく