馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第10話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れ、霊蛇窟の前に立つ林昊青(りんこうせい)の姿は孤独に包まれていた。彼は過去の記憶に囚われ、抜け出すことができない。そこへ、焦った様子の翟暁星(てきしょうせい)が現れ、紀雲禾(きうんか)に対する林昊青(りんこうせい)の真意を問い詰める。

冷酷な手段で長意(ちょうい)の尾を切断させた林昊青(りんこうせい)だが、紀雲禾(きうんか)には手を下しておらず、憐憫と打算が入り混じった感情を抱いている。翟暁星(てきしょうせい)の問いに、林昊青(りんこうせい)は沈黙するが、恩義を感じている翟暁星(てきしょうせい)は紀雲禾(きうんか)を救い出そうと決意する。

翟暁星(てきしょうせい)の決意を見抜いた林昊青(りんこうせい)は、彼を側に置いて力を借りようと考える。彼は万花穀の秘密を明かし、林滄瀾(りんそうらん)が寒霜を使ってすべての御霊師、そして長老たちを支配していることを告げる。驚愕した翟暁星(てきしょうせい)は林昊青(りんこうせい)の動機を疑うが、林昊青(りんこうせい)は自分が穀主になれば紀雲禾(きうんか)を解放できると断言する。

一方、林昊青(りんこうせい)に手を出したことで林滄瀾(りんそうらん)の怒りを買った紀雲禾(きうんか)は、厲風堂に連行され、罰を受けることになる。林滄瀾(りんそうらん)は卿舒(けいしゅ)に赤尾鞭で30回の重刑を命じる。駆けつけた林昊青(りんこうせい)は必死に紀雲禾(きうんか)をかばうが、彼の訴えは聞き入れられない。最終的に、林昊青(りんこうせい)は自らの手で鞭を振るうが、鞭は切れ、自身に傷を負ってしまう。この光景に、在場者は驚きを隠せない。木澤長老(ぼくたくちょうろう)の懇願により、林滄瀾(りんそうらん)は一時的に紀雲禾(きうんか)を解放するが、密かに木澤長老(ぼくたくちょうろう)を処罰することを決意する。

林昊青(りんこうせい)は林滄瀾(りんそうらん)の陰謀を耳にし、複雑な思いに駆られる。このままではいけないと決意した彼は、瞿暁星(くぎょうせい)(くぎょうせい)の酒で気持ちを落ち著かせ、父の暴走を止めることを決意する。

その後、林昊青(りんこうせい)は紀雲禾(きうんか)のもとを訪れ、林滄瀾(りんそうらん)の所業を明かし、鎖霊陣を使って林滄瀾(りんそうらん)に対抗することを提案する。半信半疑の紀雲禾(きうんか)だが、共通の敵を前に、協力することを検討することに。しかし、洛錦桑(らくきんそう)の警告により、紀雲禾(きうんか)は慎重になる。それでも、長意(ちょうい)を救い出すという思いは消えていない。

花畑で、紀雲禾(きうんか)と林昊青(りんこうせい)は鎖霊陣の修炼に励む。一方、長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)の身を案じ、花畑まで追跡してくる。そこで、紀雲禾(きうんか)が林昊青(りんこうせい)の傷の手当てをする場面を目撃し、嫉妬心を抱く。しかし、紀雲禾(きうんか)が事情を説明し、計画を明かすと、長意(ちょうい)は協力することを決意する。

長意(ちょうい)の気持ちを落ち著かせるため、紀雲禾(きうんか)は彼に新しい服をプレゼントし、「頭を撫でる」という行為は彼だけに許すと約束する。苦難の中で、二人の絆はさらに深まり、紀雲禾(きうんか)はどんな困難があっても長意(ちょうい)と未来を守り抜くと決意する。

一方、林滄瀾(りんそうらん)の病状は悪化し、余命が短いことを悟った彼は、林昊青(りんこうせい)への試練をさらに厳しくする。彼は紀雲禾(きうんか)に霊力を注ぎ続け、彼女を通して林昊青(りんこうせい)の心と能力を鍛えようとする。しかし、林昊青(りんこうせい)はすべてを見抜き、父との最後の決戦に備えていた。

物語が進むにつれて、万花穀は闇流に包まれ、権力、自由、愛をめぐる戦いが静かに始まろうとしていた。

第10話の感想

第10話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。林昊青(りんこうせい)と翟暁星(てきしょうせい)の思惑が交錯し、紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)の絆がさらに深まるなど、見どころ満載の内容でした。

特に印象に残ったのは、林昊青(りんこうせい)が紀雲禾(きうんか)を救うために林滄瀾(りんそうらん)に立ち向かう決意をするシーンです。これまで冷酷な一面を見せてきた林昊青(りんこうせい)が、紀雲禾(きうんか)への想いを胸に決意を固める姿は、彼の成長を感じさせるものでした。

また、長意(ちょうい)が紀雲禾(きうんか)への嫉妬心を露わにするシーンも印象的でした。普段は冷静な長意(ちょうい)が、紀雲禾(きうんか)と林昊青(りんこうせい)の親密な関係を見て動揺する様子は、彼の紀雲禾(きうんか)への深い愛情を物語っていました。

つづく