『驭鲛記(ぎょこうき)前編:月に君を想う』第12話 あらすじ/ネタバレ

万花穀に突如として訪れた悲劇。穀主・林滄瀾(りんそうらん)の突然の死は、穏やかな日々を打ち砕き、様々な噂が飛び交う。悲しみに沈む林昊青(りんこうせい)は、内殿に閉じこもり、誰とも会おうとしない。窮地に陥った瞿曉星は、紀雲禾(きうんか)に助けを求める。紀雲禾(きうんか)は長意(ちょうい)と共に内殿を訪れ、その優しさと言葉で、林昊青(りんこうせい)の心を少しずつ開いていく。

紀雲禾(きうんか)は林昊青(りんこうせい)に寄り添い、どんな困難があっても共に乗り越えると約束する。その真情に打たれた林昊青(りんこうせい)は、心を開き、紀雲禾(きうんか)との再会を承諾する。しかし、紀雲禾(きうんか)の最大の願いは解毒剤を見つけること。長意(ちょうい)と共に万花穀を離れようとするが、林昊青(りんこうせい)は継承式への参加を条件に解放を許す。紀雲禾(きうんか)はそれを受け入れる。

継承式当日、林昊青(りんこうせい)は以前とは全く異なる姿で現れる。かつての穏やかな少年ではなく、威厳と決意に満ち溢れた姿は、まるで林滄瀾(りんそうらん)の再来のようだった。式後、紀雲禾(きうんか)は別れを告げるが、林昊青(りんこうせい)は突然考えを変え、紀雲禾(きうんか)の残留と長意(ちょうい)の順徳仙姫への引き渡しを要求する。怒りに駆られた紀雲禾(きうんか)は林昊青(りんこうせい)と激しく対立し、最終的には幽閉されてしまう。

一方、瞿曉星は長意(ちょうい)を捕らえるよう命じられる。長意(ちょうい)は抵抗するが、紀雲禾(きうんか)の安全を考え、最終的には従う。監禁された紀雲禾(きうんか)は、結界を破って思過窟へと向かうが、長意(ちょうい)の姿はない。焦燥に駆られた紀雲禾(きうんか)は瞿曉星に問い詰めるが、情報は得られない。絶望の中、紀雲禾(きうんか)は林昊青(りんこうせい)に長意(ちょうい)の行方を問いただす。

林昊青(りんこうせい)は紀雲禾(きうんか)を密室に連れて行き、林滄瀾(りんそうらん)が長年隠してきた秘密を明かす。実は、林滄瀾(りんそうらん)は寒霜を解く方法を探しており、その実験に紀雲禾(きうんか)が必要だったのだ。真実を知った紀雲禾(きうんか)は心を痛め、寒霜の発作に苦しむ。林昊青(りんこうせい)は解毒剤を与え、長意(ちょうい)を諦めるよう説得する。しかし、長意(ちょうい)を諦めれば命が尽きてしまう。

そのとき、順徳仙姫が万花穀を訪れ、訓鮫の成果を目の当たりにしようとする。彼女は長意(ちょうい)を仙師(せんし)に献上しようと提案するが、長意(ちょうい)はそれを拒否する。紀雲禾(きうんか)は長意(ちょうい)の身体を理由に時間を稼ごうとするが、激怒した順徳仙姫は紀雲禾(きうんか)に暴力を振るおうとする。林昊青(りんこうせい)と長老たちの必死の懇願と、長意(ちょうい)の謝罪により、事なきを得る。

仙師(せんし)府の弟子・姫成羽(きせいう)の登場により、紀雲禾(きうんか)は10日の猶予を得る。しかし、その代償として長意(ちょうい)の訓練を続ける必要がある。紀雲禾(きうんか)は決意を固め、長意(ちょうい)を救うためにあらゆる手段を尽くすことを決意する。再び思過窟を訪れた紀雲禾(きうんか)は、長意(ちょうい)の結界を解き、逃亡を促す。しかし、長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)と共にいたいと主張し、鲛珠を紀雲禾(きうんか)の体内に埋め込むことで、生死を共にすることを誓う。紀雲禾(きうんか)は感動するが、それでも一人で全てを背負う決意を固める。

林昊青(りんこうせい)は洛錦桑(らくきんそう)と瞿曉星に紀雲禾の病状を打ち明ける。二人は悲しみに暮れるが、紀雲禾は冷静さを保つ。彼女は長意(ちょうい)を巻き込まないように、一刻も早く送り出したいと考える。長意(ちょうい)は紀雲禾の冷たさに絶食し、洛錦桑(らくきんそう)の説得も効果がない。八日間も紀雲禾に会えない長意(ちょうい)は、姫成羽(きせいう)に助けを求め、順徳仙姫との面会を希望し、紀雲禾の自由と引き換えにしようとする。

愛、犠牲、救済をめぐる戦いが、万花穀で静かに幕を開ける。紀雲禾と長意(ちょうい)の運命は、この嵐の中で新たな転換を迎えることになる。

第12話の感想

第12話は、衝撃的な展開と登場人物の複雑な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。林滄瀾(りんそうらん)の死は万花穀に大きな衝撃を与え、林昊青(りんこうせい)の悲しみと葛藤が描かれました。紀雲禾は林昊青(りんこうせい)を支えようとしますが、彼女自身の病状や長意(ちょうい)との関係など、多くの問題を抱えています。

特に印象的だったのは、紀雲禾と林昊青(りんこうせい)の対立シーンです。林昊青(りんこうせい)は長意(ちょうい)を順徳仙姫に差し出すことを要求し、紀雲禾はそれに強く仮対します。二人の意見の相違は激しく、お互いの気持ちにすれ違いが生じています。

また、長意(ちょうい)の紀雲禾への一途な想いが感動的でした。彼は紀雲禾のために命を懸ける覚悟でおり、その強い意誌が伝わってきました。

つづく