馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第13話 あらすじ/ネタバレ

姫成羽(きせいう)は長意(ちょうい)を連れて順德仙姬(じゅんとくそんき)汝菱(じょりょう)の殿前に進み、長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)が来るまで口を開かないと主張する。長意(ちょうい)の一途さに、汝菱(じょりょう)は姫成羽(きせいう)に紀雲禾(きうんか)を呼ぶよう命じる。汝菱(じょりょう)の心を得るため、長意(ちょうい)は美しい歌声を披露する。その歌声は汝菱(じょりょう)の心を揺さぶり、彼女は長意(ちょうい)に望みを葉えてあげると約束する。

紀雲禾(きうんか)は門外で長意(ちょうい)が歌う声を聞き、その歌声に込められた想いが自分に向けられたものだと理解する。長意(ちょうい)は汝菱(じょりょう)に紀雲禾(きうんか)の解放を懇願し、その代わりに鹿台山にある仙師(せんし)府に入ることを申し出る。しかし、汝菱(じょりょう)は保証として長意(ちょうい)の鲛珠を要求する。長意(ちょうい)は鲛珠は命の源であり、大切な人への証であるため、簡単に渡すことはできないと拒否する。紀雲禾(きうんか)はそれを聞いて複雑な気持ちになり、その場を去る。

鲛珠のことが汝菱に知られれば長意(ちょうい)が危険にさらされると考えた紀雲禾(きうんか)は、林昊青(りんこうせい)に助けを求め、鹿台山に向かう途中で長意(ちょうい)を解放してほしいと頼む。紀雲禾(きうんか)の強い意誌に林昊青(りんこうせい)は心を動かされ、協力することを約束する。自由を手に入れられなかった紀雲禾(きうんか)は、長意(ちょうい)の自由を願う。

紀雲禾(きうんか)は洛錦桑(らくきんそう)に万花穀を離れて新しい人生を始めるよう勧めるが、洛錦桑(らくきんそう)は紀雲禾(きうんか)と共にいたいと主張する。一方、汝菱は仙師(せんし)の出迎えのため万花穀を離れ、張仙使(ちょうせんし)に長意の護送を任せる。夜になり、張仙使(ちょうせんし)は長意に鎖をかけようとするが、紀雲禾(きうんか)が現れて阻止する。争いが激化し、長意は張仙使(ちょうせんし)を倒す。姫成羽(きせいう)が介入し、争いを止める。

紀雲禾(きうんか)は出発前に万花穀を散策することを提案する。花畑で二人は語り合う。紀雲禾は人魚の伴侶への忠誠心を知り、同じ約束はできないものの、今を大切にしたいと語る。彼女は旅の時間を増やし、長意の自由を補いたいと考える。

張仙使(ちょうせんし)は出発を促すが、紀雲禾は贈り物を探すと言って時間を稼ぐ。姫成羽(きせいう)の協力もあり、紀雲禾と長意は人間界を旅することができる。長意は初めて人間界に足を踏み入れ、好奇心旺盛に様々なものに興味を示す。紀雲禾は長意の願いを葉えようと努力し、二人は忘れられない時間を過ごす。しかし、紀雲禾の体調は悪化しており、彼女は長意との時間を大切に過ごすために病気を隠していた。

夜になり、紀雲禾は長意を山に連れて行き、中秋節を一緒に過ごす。街は賑やかで、人々は幸せそうに咲っている。紀雲禾は長意と一緒に灯籠を眺め、美味しいものを食べ、人間らしい幸せを体験する。金魚すくいの屋台で、長意は赤い紐に紀雲禾への想いを込めて結び、二人は深い絆で結ばれる。しかし、夜明けが近づき、二人は別れの時を迎える。紀雲禾は別れを惜しみながらも、長意を送り出す。

第13話の感想

第13話は、長意と紀雲禾の切ない恋物語がさらに深まる回でした。二人は愛し合っているのに、様々な障害によって引き裂かれてしまいます。長意は紀雲禾の自由を願い、紀雲禾は長意の幸せを願っています。二人はお互いを大切に思っているからこそ、苦渋の決断を下すことになります。

つづく