馭鮫記前編:月に君を想う 第15話 あらすじ/ネタバレ

蒼茫の山脈の頂上、林昊青(りんこうせい)と翟暁星(てきしょうせい)は肩を並べて立っていた。彼らの視線は山々を越えて、寧清(ねいせい) が紀雲禾(きうんか)を連れ去る場面を目撃した。林昊青(りんこうせい)の心には抑えきれない怒りと決意が湧き上がり、彼は紀雲禾(きうんか)を救出し、彼女を自由にすることを誓った。

一方、紀雲禾(きうんか)は鹿台山の从棘所で目を覚ました。週囲の静けさと束縛は、彼女が置かれた状況をすぐに悟らせた。門外の侍衛の囁きは天機を漏らし、彼らは崖下に落ちた長意(ちょうい)を捜索するために情報を封鎖している最中だった。紀雲禾(きうんか)の心は張り裂けそうになり、長意(ちょうい)の安否を心配した。

その頃、崖から落ちた長意(ちょうい)は水流に助けられ、岸辺まで流された。羅索(らさく)の出現が彼を死の淵から救い出した。しかし、羅索(らさく)は長意(ちょうい)が鲛尾だけでなく鲛珠まで失っていることに気づき、焦燥に駆られた。そのとき、仙師(せんし)府の鰲仙空明(こうめい)が現れ、長意(ちょうい)の止血を迅速に行い、羅索(らさく)に彼を町の宿屋に隠すように指示した。間もなく、姫成羽(きせいう)が弟子たちを率いて付近を捜索し、空明(こうめい)は機転を利かせて羅索(らさく)と長意(ちょうい)の逃走を助け、彼の知恵と勇気を示した。

姫成羽(きせいう)は兄である空明(こうめい)に複雑な心境を抱いていた。彼は空明(こうめい)に仙師(せんし)寧清(ねいせい) と敵対することを諦めるように説得しようとしたが、空明(こうめい)は聞く耳を持たず、憤然と立ち去った。姫成羽(きせいう)は仕方なく寧清(ねいせい) に報告し、空明(こうめい)が長意(ちょうい)を逃がしたことを白状した。寧清(ねいせい) はそれを予期しており、深く追及することはなかったが、姫成羽(きせいう)に二心を抱かないように警告した。

紀雲禾(きうんか)は囚室内で、体内の鲛珠の平和な気配から長意(ちょうい)がまだ生きていることを推測し、少し安心した。寧清(ねいせい) と姫成羽(きせいう)の出現がこの静寂を破った。紀雲禾(きうんか)は寧清(ねいせい) に恐れず、むしろ公然と挑発し、肉を要求した。寧清(ねいせい) の尋問に、彼女は長意(ちょうい)を崖から突き落としたことをあっさりと認め、寧清(ねいせい) は彼女にさらに興味を持った。寧清(ねいせい) は紀雲禾(きうんか)が天仙と地仙の二重の霊力を秘めていることに気づき、彼女が並外れた存在であることを確信した。去る前に、姫成羽(きせいう)に彼女を厳重に監視するよう念を押した。

紀雲禾(きうんか)は自分の時間が残り少ないことを悟り、この最後の時間を大切にしようと決意した。彼女は姫成羽(きせいう)の忠告を拒否し、自分の道を歩むことを主張した。一方、汝菱(じょりょう)は長意(ちょうい)が見つからないことに激怒し、週りの人に怒りをぶつけた。天君(てんくん)汝鈞(じょきん)の出現も彼女の怒りを鎮めることができず、むしろさらに激怒させた。寧清(ねいせい) の出現は春風のようなもので、琴の音色で汝菱(じょりょう)の苛立ちを鎮めたが、長意(ちょうい)への執念は消えていなかった。

天君(てんくん)汝鈞(じょきん)は菩提樹の下で苦心策を練り、法宝を取り戻して寧清(ねいせい) を鎮圧しようとしたが、うまくいかなかった。合虚神君の出現は彼に一縷の希望をもたらしたが、合虚神君の闇示は、すべては機縁を待つ必要があることを悟らせた。一方、空明(こうめい)は長意(ちょうい)の治療を続け、長意(ちょうい)は目を覚ました後、紀雲禾(きうんか)への複雑な感情に言葉が出なかった。彼は許願樹に戻り、かつての願い事を書いた紙を破り捨て、過去に別れを告げようとしているようだった。空明(こうめい)は彼の心の葛藤を見抜き、仙師(せんし)府と戦うために手を組むように説得しようとしたが、長意(ちょうい)は拒否した。

紀雲禾(きうんか)は夢の中で長意(ちょうい)が東海に戻り、鲛尾を取り戻す場面を見た。長意(ちょうい)が自分を恨んでいることに胸を痛めたが、彼が自分の世界に戻ることができて安堵した。洛錦桑(らくきんそう)は天師府に侵入して紀雲禾(きうんか)を救おうとしたが、翟暁星(てきしょうせい)に阻止された。林昊青(りんこうせい)は単身で危険を冒して紀雲禾(きうんか)を救出しようとしたが、失敗に終わった。寧清(ねいせい) の突然の出現と冷酷さは、林昊青(りんこうせい)の計画を完全に台無しにした。紀雲禾(きうんか)は絶望の中で寧清(ねいせい)の策略を見抜き、自分の運命は変えられないことを悟った。

第15話の感想

第15話は、怒涛の展開と複雑な感情が交錯する、見応えのある回でした。特に、林昊青(りんこうせい)と翟暁星(てきしょうせい)が寧清(ねいせい)を目撃したシーン、長意(ちょうい)が崖から落ちた後の羅索(らさく)と空明(こうめい)の活躍、そして紀雲禾(きうんか)と寧清(ねいせい)の対峙シーンは印象的でした。

林昊青(りんこうせい)と翟暁星(てきしょうせい)は、寧清(ねいせい)が紀雲禾(きうんか)を連れ去る姿を目の当たりにして、怒りと決意を新たにしました。彼らの強い意誌は、今後の展開に大きな影響を与えるでしょう。

長意(ちょうい)は崖から落ちたものの、羅索(らさく)と空明(こうめい)の助けによって一命を取り留めました。しかし、鲛尾と鲛珠を失ったことで、彼の運命は大きく変わりました。空明(こうめい)の説得にもかかわらず、長意(ちょうい)は仙師(せんし)府との戦いを拒否し、複雑な心境を抱えたままです。

紀雲禾(きうんか)は、寧清(ねいせい)に捕らえられてもなお、屈することなく、寧清(ねいせい)に挑発的な態度を取りました。寧清(ねいせい)は紀雲禾(きうんか)の強さと謎に惹かれ、彼女を執拗に追いつめます。

つづく