馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第17話 あらすじ/ネタバレ

万花穀

六英長老の急逝により、万花穀は恐怖と不安に包まれています。若い穀主である林昊青(りんこうせい)は、一族が徐々に寒霜の毒に蝕まれていくのを見て、焦燥感に駆られます。打開策を見つけるため、彼は深層に封印していた仙侍、思語(しご)を呼び覚ますしかありませんでした。過去の誤解により、彼女を元の姿に戻してしまったという決断は、今となっては唯一の希望の光となりました。

林昊青(りんこうせい)は万花穀の危機を思語(しご)に打ち明けると、彼女は紀雲禾(きうんか)の後を継ぎ、寒霜に対抗する実験台になると決意します。しかし、林昊青(りんこうせい)は犠牲の代償を知っており、思語(しご)が卿舒(けいしゅ)の二の舞になることを望んでいませんでした。そこで、彼は天地の薬石の力を借り、より穏やかな方法で双脈を開通させようとします。林昊青(りんこうせい)の忠誠と犠牲の精神に感動した思語(しご)は、彼のためにどんな苦労も厭いませんでした。

翌日、思語(しご)は再び姿を現します。そこに瞿暁星(くぎょうせい)(くぎょうせい)が現れ、一層驚きを誘います。林昊青(りんこうせい)は簡単に説明した後、瞿暁星(くぎょうせい)(くぎょうせい)に思語(しご)の帰還を告げるように命じ、自身は穀主としての重い責任に浸り、かつての父の苦悩と決断を理解し始めます。

空明(こうめい)一行

一方、空明(こうめい)は長意(ちょうい)と羅索(らさく)を連れて、北淵を目指して日夜兼行します。旅の途中、空明(こうめい)は長意(ちょうい)の傷を癒すだけでなく、鹿台山弟子の追跡を避け、様々な善縁を結びますが、長意(ちょうい)の霊丹を修復する良い方法を見つけることはできませんでした。彼らは最終的に狐王卿玄(けいげん)の領地に到著し、汝菱(じょりょう)とその凌霜台に対抗するために、この強力な同盟者に助けを求めることにしました。

凌霜台は険しい地形と厳重な警備で守られており、空明(こうめい)は強攻ではなく智略で攻めることを決意し、卿玄(けいげん)の力を借りる計画を立てます。しかし、狐族は朱凌(しゅりょう)の迫害を受けており、一族は離散状態に陥っています。偶然にも、長意(ちょうい)は朱凌(しゅりょう)に襲われた狐女、卿瑶(けいよう)を助けようとしますが、誤解と衝突に巻き込まれてしまいます。卿瑶(けいよう)は長意(ちょうい)を朱凌(しゅりょう)の奸細と勘違いしますが、空明(こうめい)の仲介により、両者は徐々に誤解を解き、共通の敵であることを知ります。

紀雲禾(きうんか)

一方、汝菱(じょりょう)は紀雲禾(きうんか)への憎しみを募らせ、長意(ちょうい)の行方を捜索するだけでなく、怒りを紀雲禾(きうんか)にぶつけ、残酷な拷問を加えます。しかし、紀雲禾(きうんか)は揺るぎない意誌と長意(ちょうい)への深い愛情によって、決して屈服することはありませんでした。彼女の週りの罪仙(ざいせん)たちは、汝菱(じょりょう)に利用されて復讐の対象とされていますが、内心では紀雲禾(きうんか)に感謝しており、密かに彼女を助けています。

卿瑶(けいよう)の手配により、長意(ちょうい)、空明(こうめい)、羅索(らさく)は秘密の山洞で療養することになります。長意(ちょうい)は卿瑶(けいよう)に同盟を申し入れ、卿玄(けいげん)が朱凌(しゅりょう)に囚われていることを知ります。卿瑶(けいよう)は助けたい気持ちはありますが、まずは一族の同意を得る必要があります。

離殊(りしゅ)

一方、離殊(りしゅ)の人間の姿への回復は大きな進展を見せます。青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の助けにより、彼はまもなく完全に人間の姿を取り戻し、雪三月(せつさんげつ)と再会を果たします。雪三月(せつさんげつ)は幾多の困難を乗り越え、仙草を手に入れ、離殊(りしゅ)の変身を助けます。しかし、寒霜の痛みで震える雪三月(せつさんげつ)を見た離殊(りしゅ)は、自分の体内に寒気を吸い込み、最終的に霊力が尽きて青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の門前で倒れてしまいます。このシーンは、深い愛情と壮絶さを感じさせます。

第17話の感想

第17話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。万花穀では、林昊青(りんこうせい)が思語(しご)を呼び覚まし、寒霜の毒に対抗するための新たな道を模索します。一方、空明(こうめい)一行は北淵を目指し、狐族との同盟を模索する中で、新たな敵である朱凌(しゅりょう)の存在を知ります。そして、紀雲禾(きうんか)は汝菱(じょりょう)の執拗な追跡と拷問を受けながらも、屈することなく長意(ちょうい)への愛を貫きます。

特に印象的だったのは、離殊(りしゅ)と雪三月(せつさんげつ)のシーンです。青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の助けにより、離殊(りしゅ)は人間の姿を取り戻し、雪三月(せつさんげつ)と再会を果たします。しかし、寒霜の痛みで苦しむ雪三月(せつさんげつ)を見て、離殊(りしゅ)は自分の体内に寒気を吸い込み、倒れてしまいます。このシーンは、離殊(りしゅ)の深い愛情と自己犠牲の精神を強く感じさせます。

また、卿瑶(けいよう)の登場も物語に新たな展開をもたらしました。狐族の危機に直面している卿瑶(けいよう)は、長意(ちょうい)との同盟を模索しますが、一族の同意を得る必要があります。卿瑶(けいよう)の決断が今後の展開にどのような影響を与えるのか、注目されます。

つづく