馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第18話 あらすじ/ネタバレ
雪三月(せつさんげつ)の決意
雪三月(せつさんげつ)は目を覚ますと、氷の寒さに凍えていないことに驚いた。離殊(りしゅ)が自分を助けてくれたことを思い出し、感謝の気持ちでいっぱいになった。彼女は体内から寒霜の毒を取り除く解毒剤を見つけるため、万花穀に戻ることを決意した。
一方、離殊(りしゅ)は青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の力で消耗した霊力を回復し、雪三月(せつさんげつ)の決意を知ると、彼女を守るため後を追った。
罪仙(ざいせん)たちの偽りの演技
闇闇に包まれた從棘所では、罪仙(ざいせん)たちが真相を隠蔽するために、紀雲禾(きうんか)に対して偽りの拷問を演じていた。その悲痛な叫び声は守衛たちを欺き、順徳仙姫汝菱(じょりょう)に報告された。
紀雲禾(きうんか)は絶望的な状況に置かれていたが、長意(ちょうい)の安否を気にかけていた。彼女は昼夜を問わず修行に励み、霊力を集めようとしたが、何度も失敗に終わった。しかし、姑獲鳥(こかくちょう)の指導のおかげで、修行の道に光明が差してきた。
汝菱(じょりょう)は紀雲禾(きうんか)が拷問を受けているという知らせを聞いて喜びを感じたが、長意(ちょうい)がまだ逃亡していることを知り、怒りを爆発させた。彼女はすぐに張仙使(ちょうせんし)を凌霜台に派遣し、朱凌(しゅりょう)に3日以内に長意(ちょうい)を捕らえるよう命じた。さらに、万花穀にも援軍を送るよう命じた。この決定に林昊青(りんこうせい)は苦悩したが、汝菱(じょりょう)の命令に従うしかなかった。
洛錦桑(らくきんそう)の怒り
洛錦桑(らくきんそう)はこの知らせを聞いて激怒し、翟暁星(てきしょうせい)に林昊青(りんこうせい)の無策を責め、長意(ちょうい)を捕らえるという決定に憤慨した。翟暁星(てきしょうせい)は説明しようとしたが、洛錦桑(らくきんそう)の怒りを鎮めることはできなかった。
朱凌(しゅりょう)は命令を受けると、長意(ちょうい)を捕らえるために大規模な捜索を開始し、万花穀の人々をも巻き込んだ。
雪三月(せつさんげつ)の決死の潜入
雪三月(せつさんげつ)は万難を排して万花穀に戻り、夜を利用して内殿に潜入した。そこで、林昊青(りんこうせい)と思語(しご)が寒霜の解毒剤について密談しているのを偶然耳にした。彼女は密室に忍び込み、貴重な解毒剤を数粒手に入れた。しかし、彼女が逃げようとしたとき、林昊青(りんこうせい)に見つかり、激しい戦いが始まった。
そのとき、洛錦桑(らくきんそう)が駆けつけてきて、雪三月(せつさんげつ)の窮地を救った。さらに、離殊(りしゅ)が現れたことで、林昊青(りんこうせい)は追跡を諦め、思語(しご)に洛錦桑(らくきんそう)を捕らえるよう命じた。
雪三月(せつさんげつ)の危機と離殊(りしゅ)の決断
雪三月(せつさんげつ)は樂遊山に逃げ帰ったが、寒霜の発作で倒れてしまった。そこに離殊(りしゅ)が現れ、解毒剤を飲ませてくれた。この様子を青羽鸞鳥(せいうらんちょう)は見ており、離殊(りしゅ)の無謀な行動を非難したが、責めることはできなかった。
一方、長意(ちょうい)と卿瑶(けいよう)は、捕らえられている狐王卿玄(けいげん)を救出するために、自分たちを囮にする計画を立てた。紀雲禾(きうんか)は姑獲鳥(こかくちょう)の助けを借りて、陰魂針を習得した。効果は限られているが、彼女にとっては切り札となった。
姫成羽(きせいう)は密かに紀雲禾(きうんか)を支援し、特製の衣服を送るだけでなく、罪仙(ざいせん)たちが解放されるという情報を伝えた。
凌霜台の戦い
卿瑶(けいよう)は長意(ちょうい)を連れて朱凌(しゅりょう)との約束の場所に向かった。表面上は人質交換だが、実際には殺意を秘めていた。朱凌(しゅりょう)は待ち伏せをして、長意(ちょうい)たちを皆殺しにしようとしたが、長意(ちょうい)は事前に準備しており、空明(こうめい)たちと協力して凌霜台を製圧した。
絶望に陥った汝菱(じょりょう)を見て、長意(ちょうい)は怒りを爆発させ、彼女を殺そうとしたが、紀雲禾(きうんか)のために躊躇した。汝菱(じょりょう)はそれを利用して長意(ちょうい)を挑発し、ついに長意(ちょうい)は汝菱(じょりょう)に剣を向けた。そのとき、張仙使(ちょうせんし)が身を挺して汝菱(じょりょう)を守り、命を落とした。
一方、朱凌(しゅりょう)と卿瑶(けいよう)は激闘を繰り広げていた。そこに長意(ちょうい)が駆けつけ、卿瑶(けいよう)を助けた。そして、捕らえられていた狐族の霊丹を解放し、狐族の仮抗意誌を呼び起こした。「朱凌(しゅりょう)を殺せ、順徳を滅ぼせ、狐王を救え、北源を守れ」という叫び声の中で、狐族は勢いよく進撃し、汝菱(じょりょう)と朱凌(しゅりょう)の陰謀は完全に破綻した。
第18話感想
第18話は、緊迫感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードだった。特に印象的だったのは、以下のポイントだ。
- 雪三月(せつさんげつ)の決意:雪三月(せつさんげつ)が寒霜の毒を克服するために万難を排して行動する姿は、勇気と意誌の強さを感じさせた。
- 長意(ちょうい)と卿瑶(けいよう)の作戦:長意(ちょうい)と卿瑶(けいよう)が捕らえられている狐王卿玄(けいげん)を救出するために、自分たちを囮にするという大胆な作戦を実行するシーンは、ハラハラドキドキさせられた。
- 凌霜台の戦い:長意(ちょうい)と朱凌(しゅりょう)の激闘は、迫力満点で圧巻だった。特に、張仙使(ちょうせんし)が身を挺して汝菱(じょりょう)を守り、命を落としたシーンは、涙なしには見られなかった。
- 狐族の仮乱:狐族が「朱凌(しゅりょう)を殺せ、順徳を滅ぼせ、狐王を救え、北源を守れ」という叫び声とともに立ち上がるシーンは、痛快だった。