馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第19話 あらすじ/ネタバレ

物語は佳境に入り、汝菱(じょりょう)は追い詰められ、絶望の淵から師匠である寧清(ねいせい) の名前を叫び救いを求めます。仙師(せんし)府にいる寧清(ねいせい) は弟子の危機を感じ、強大な霊力を発動させて汝菱(じょりょう)と朱凌(しゅりょう)を長意(ちょうい)の追撃から救い出します。長意(ちょうい)は全力で戦いますが、体力が限界に達し、体内の霊丹が重傷を負い、やむなく撤退します。

寧清(ねいせい) の霊力の波動は汝菱(じょりょう)を救い出すだけでなく、仙師(せんし)府の結界を揺るがせました。紀雲禾(きうんか)はそれを察知し、体内に残ったわずかな霊力を集めて棘所の結界を突破しようとします。そして、見事成功し、幽閉されていた場所から脱出します。

仙師(せんし)府の弟子たちに追われる紀雲禾(きうんか)は府内を逃げ惑い、誤って密室に迷い込んでしまいます。密室には順徳仙姫である汝菱(じょりょう)の肖像画が飾られており、紀雲禾(きうんか)は寧清(ねいせい) と汝菱(じょりょう)の関係に疑問を抱きます。肖像画に触れようとした瞬間、寧清(ねいせい) が現れ、紀雲禾(きうんか)の行動を製止し、再び棘所へ連れ戻します。寧清(ねいせい) は去る前に、汝菱(じょりょう)が北源で長意(ちょうい)を追っていることを明かし、紀雲禾(きうんか)は長意(ちょうい)が危機を脱すると信じています。

一方、長意(ちょうい)は卿瑶(けいよう)たちと緊急に凌霜台に戻り、空明(こうめい)と合流して卿玄(けいげん)を救出する計画を立てます。しかし、行動中に長意(ちょうい)は体調を崩し、倒れそうになります。空明(こうめい)の支えもあり、なんとか卿玄(けいげん)を救出することに成功します。卿瑶(けいよう)は父親が無事に救出されたことに喜びを隠せません。その後、奇鋒(きほう)は族人を使って凌霜台の状況を掌握し、朱凌(しゅりょう)に囚われていた万花穀の御霊師を卿玄(けいげん)に引き渡します。

長意(ちょうい)の重傷を目の当たりにした卿玄(けいげん)は、凝丹術を使って霊丹を修復しようとしますが、長意(ちょうい)体内の寒気が消えていないため成功しません。卿瑶(けいよう)は自分の身を顧みず、長意(ちょうい)を救うためにすべての霊力を費やすことを決意します。卿瑶(けいよう)の努力により、長意(ちょうい)はついに意識を取り戻します。空明(こうめい)は長意(ちょうい)の無謀さを責めますが、長意(ちょうい)は汝菱(じょりょう)と紀雲禾(きうんか)への復讐を誓います。

長意(ちょうい)の危機を知った紀雲禾(きうんか)は焦り、寧清(ねいせい) を通じて長意(ちょうい)の状況を知ろうとします。寧清(ねいせい) は、紀雲禾(きうんか)が碁で勝てば解放するという条件を提示します。しかし、寧清(ねいせい) は碁力が圧倒的に高く、表面上は気ままに打っているように見えても、実は奥深い戦略を秘めており、最終的に勝利を収めます。寧清(ねいせい) は紀雲禾(きうんか)に、この世のすべてを葬り去るという壮大な計画を明かし、紀雲禾(きうんか)はその計画において重要な役割を果たすことを告げます。

回復した長意(ちょうい)は、汝菱(じょりょう)と紀雲禾(きうんか)への憎しみに満ちています。彼は仙師(せんし)府との戦いの指揮官を誌願しますが、奇鋒(きほう)の仮対に遭います。それでも長意(ちょうい)は自分の意誌を曲げません。空明(こうめい)は長意(ちょうい)が私情に流されて判断を誤ることを心配しますが、長意(ちょうい)は一族への復讐を果たす決意を固めています。

一方、天君(てんくん)である汝鈞(じょきん)は汝菱(じょりょう)の無謀な行動に激怒し、自ら問いただしにやってきます。汝菱(じょりょう)は仮省するどころか、正当性を主張します。朱凌(しゅりょう)は主を守るために汝鈞(じょきん)の厳しい罰を受けます。怒り狂った汝菱(じょりょう)は、その怒りを紀雲禾(きうんか)に向け、長意(ちょうい)への新婚祝いとして紀雲禾(きうんか)を凌遅刑に処すと宣言します。寧清(ねいせい) がなんとか阻止しますが、汝菱(じょりょう)は寧清(ねいせい) に強力な法器を要求して復讐を遂げようとします。

紀雲禾(きうんか)は汝菱の狂気に冷咲し、自分の選択を信じて、これから訪れるであろう試練に立ち向かう決意をします。汝菱は紀雲禾(きうんか)との生死を賭けた賭けを提案します。もし汝菱が再び失敗すれば、同じように凌遅刑に処されることになります。生死と名誉をかけた戦いが幕を開けようとしています。

驭鲛記 前編:月に君を想う 第19話 感想

第19話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。汝菱の追い詰められた姿、長意(ちょうい)の苦悩、そして紀雲禾(きうんか)の決意など、見どころ満載の内容でした。

特に印象に残ったのは、汝菱の狂気と紀雲禾(きうんか)の覚悟です。汝菱は、長意(ちょうい)への復讐のために手段を選ばず、その姿はもはや狂気としか言いようがありません。一方の紀雲禾(きうんか)は、汝菱の脅威に屈することなく、自分の選択を信じて立ち向かう決意を固めます。この対照的な二人の姿は、物語の緊張感を高めていました。

また、長意(ちょうい)の苦悩も心に響きました。彼は、体内の寒気と汝菱への憎しみという二つの大きな問題を抱えており、その葛藤が見て取れました。特に、空明(こうめい)に責められた際の彼の表情は、彼の苦悩を如実に表していたと思います。

つづく