『馭鮫記前編:月に君を想う』第20話 あらすじ/ネタバレ

汝菱(じょりょう)と紀雲禾(きうんか)が生死を賭けた決闘を交わす中、凌霜台では運命をかけた戦いが静かに幕を開けた。紀雲禾(きうんか)は決然と戦いの場へと足を踏み入れるが、寧清(ねいせい) は背後から彼女を説得しようと企む。彼は情に訴えかけ、紀雲禾(きうんか)に無意味な戦いを諦めさせようとする。寧清(ねいせい) は汝菱(じょりょう)を全力で守り抜くことを誓い、天命に逆らってでも、彼の心を奪ったその顔を留め置こうとする。紀雲禾(きうんか)は心中で、絵の中の女性は寧清(ねいせい) の心に深く刻まれた存在であると推測し、彼の多情さと偏執さを皮肉るが、寧清(ねいせい) は双脈修炼の危険性と結果について警告する。

一方、密室に閉じ込められた洛錦桑(らくきんそう)は、後悔の念に駆られ、林昊青(りんこうせい)と思語(しご)に改心を誓い、自由を求める。林昊青(りんこうせい)は万花穀の弟子たちの安否を気にかけており、思語(しご)と共に資料を集め、寒霜が再び訪れる前に救出方法を見つけ出そうとする。

天君(てんくん)汝鈞(じょきん)は仙師(せんし)府から帰還すると、過去の思い出と現在の無力感に心を痛める。彼は汝菱(じょりょう)との純粋な時間 を思い出すが、今日の彼女の残虐な現実に向き合うしかない。汝鈞(じょきん)は汝菱(じょりょう)を救い出そうとするが、寧清(ねいせい) の妨害に遭う。絶望の中、彼は紀雲禾(きうんか)と手を組み、寧清(ねいせい) の闇の勢力に対抗することを決意する。試行錯誤と衝突を経て、二人の協力関係は明らかになり、寧清(ねいせい) の弱点を狙う。

与此同時、北淵では情勢が緊迫している。仙師(せんし)府から逃亡した御霊師たちは卿玄(けいげん)のもとに集まり、対策を協議する。長意(ちょうい)は実力を強化するために受け入れるべきだと主張するが、奇鋒(きほう)は仮対する。その矢先、万花穀の御霊師が寒霜の危機に陥ったという知らせが届き、長意(ちょうい)と空明(こうめい)は緊急に救援に向かう。空明(こうめい)は仙師(せんし)府での経験を生かし、毒の進行を遅らせる薬丸を配布して事態を安定させ、寧清(ねいせい) の背後にあるより重大な陰謀を明らかにする。

汝鈞(じょきん)は紀雲禾(きうんか)の助言を受け、ついに紀雲禾(きうんか)と肩を並べて戦う決意をする。彼らは作戦を練り、洛錦桑(らくきんそう)を利用して青羽鸞鳥(せいうらんちょう)を見つけ出し、寧清(ねいせい) を牽製することにする。洛錦桑(らくきんそう)は紀雲禾(きうんか)が無事であることを知り、すぐに楽遊山へと向かう。空明(こうめい)も青羽鸞鳥(せいうらんちょう)を呼び出す計画を提案し、それぞれが行動を起こし、一縷の望みに賭ける。

楽遊山では、離殊(りしゅ)と雪三月(せつさんげつ)の感情のもつれが再び表面化する。離殊(りしゅ)の深い愛情の告白と献身的な行動は、雪三月(せつさんげつ)の心の壁をすぐに溶かすことはできなかったが、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)への忠誠心と犠牲は、すべての人々の心を動かした。雪三月(せつさんげつ)は青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の説得を受けて自分の心に正直に向き合い始め、離殊(りしゅ)は重要な場面で静かに去り、雪三月(せつさんげつ)に選択を迫る。

長意(ちょうい)は北淵で卿瑶(けいよう)との交流が増え、二人は徐々に情を深めていく。一方、空明(こうめい)は青羽鸞鳥(せいうらんちょう)を探す旅に出かけ、離殊(りしゅ)との予期せぬ出会いで誤解と戦いを引き起こす。最終的には、雪三月(せつさんげつ)の仲裁により、両者は和解し、寧清(ねいせい) との戦いに向けて力を合わせる。

こうして、各勢力が集結し、仙門の運命を賭けた決戦が幕を開けようとしている。紀雲禾(きうんか)と汝鈞(じょきん)の共闘は、乾坤一擲の鍵となるのか、すべては明らかになっていない。

第20話感想

第20話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。汝菱(じょりょう)と紀雲禾(きうんか)の生死を賭けた決闘、寧清(ねいせい) の陰謀、各勢力の思惑が交錯し、緊張感あふれる展開が続きました。

特に印象に残ったのは、汝鈞(じょきん)と紀雲禾(きうんか)の共闘です。これまで対立してきた二人が、共通の敵である寧清(ねいせい) に対抗するために手を組むという展開は予想外でしたが、とても熱い展開でした。また、洛錦桑(らくきんそう)の改心や、長意(ちょうい)と卿瑶(けいよう)の恋の芽生えなど、各キャラクターの成長や変化も見どころでした。

しかし、一方で気になる点もありました。寧清(ねいせい)の真の目的や、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の登場など、謎が深まるばかりで、今後の展開がますます気になります。

つづく