馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第21話 あらすじ/ネタバレ

静かなる楽遊山で、空明(こうめい)は雪三月(せつさんげつ)の首筋に霜花の印を見つける。それは万花穀の御霊師の証。青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の行方を尋ねる空明(こうめい)に、雪三月(せつさんげつ)は警戒心を抱く。しかし、空明(こうめい)が長意(ちょうい)と卿玄(けいげん)に託され、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の力を借りて北淵を救うため来たと聞き、驚きを隠せない。特に、紀雲禾(きうんか)が長意(ちょうい)を救うために崖から突き落とし、自身は寧清(ねいせい) に捕らえられたという話を聞くと、紀雲禾(きうんか)の裏切りを信じられないながらも、空明(こうめい)の言葉に心を揺さぶられる。

一方、離殊(りしゅ)は空明(こうめい)の非凡な力と草薬の香りに気づき、彼が伝説の空明(こうめい)であると確信する。紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)の誤解を解くため、酒好きな青羽鸞鳥(せいうらんちょう)を酔わせる作戦を提案。空明(こうめい)は美酒を求め下山する。

雪三月(せつさんげつ)は離殊(りしゅ)への感謝を伝え、彼が楽遊山に残ることを望む。離殊(りしゅ)は当初崇吾山への帰還を考えていたが、彼女の願いを受け入れる。大歓(たいかん)と小歓(しょうかん)も離殊(りしゅ)と共に残ることを決意する。

長意(ちょうい)は卿瑶(けいよう)が作ったサツマイモのスープを飲み、紀雲禾(きうんか)との甘い思い出が蘇る。しかし、複雑な気持ちになり、スープを残して立ち去る。一方、天君(てんくん)は仙師(せんし)府に対抗する計画を進め、紀雲禾(きうんか)に協力を求める。紀雲禾(きうんか)は天君(てんくん)に、将来長意(ちょうい)と棘を許してほしいと頼む。天君(てんくん)は君主としての立場を考慮しながらも、闇に協力することを約束し、天庭の令牌を授ける。紀雲禾(きうんか)は天君(てんくん)に、信念と諦めについて深い考えを述べる。

空明(こうめい)は美酒を手に入れ、九寒洞で冷やす。しかし、洛錦桑(らくきんそう)が現れ、酒を飲もうとする。空明(こうめい)が阻止しようとしたため、二人は争いになり、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)の仕掛けた罠に落ちてしまう。洞窟の寒さに耐えられなくなった洛錦桑(らくきんそう)は、生き延びるために空明(こうめい)に近づき、思いがけない親密な関係になる。空明(こうめい)は気を失い、洛錦桑(らくきんそう)は彼の陽気で暖を取る。

翌日、雪三月(せつさんげつ)と離殊(りしゅ)が九寒洞に駆けつけ、二人を救出する。洛錦桑(らくきんそう)は空明(こうめい)の空の酒壺を持って青羽鸞鳥(せいうらんちょう)に会いに行き、特製の酒を飲ませる。青羽鸞鳥(せいうらんちょう)は最初は乗り気ではなかったが、洛錦桑(らくきんそう)の粘り強さと巧妙な手段で酔っ払い、寧若初(ねいじゃくしょ)との過去の思い出を思い出し、北淵を助けることを決意する。洛錦桑(らくきんそう)は喜びを伝え、空明は洞窟での出来事を複雑な気持ちで思い出す。

青羽鸞鳥が出山したことで、北淵の運命は大きく変わる。紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)の誤解と感情の葛藤も、この一連の出来事の中で明らかになっていく。

第21話の感想

第21話では、物語が大きく動き始めました。空明が雪三月(せつさんげつ)と出会い、青羽鸞鳥の行方を尋ねる場面は、今後の展開を予感させるものでした。また、離殊(りしゅ)が紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)の誤解を解くために空明に協力する様子も印象的でした。

一方、長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)の行動に心を痛め、天君(てんくん)は仙師(せんし)府に対抗する計画を進めるなど、それぞれのキャラクターの思惑が交錯しています。特に、紀雲禾(きうんか)が天君(てんくん)に将来長意(ちょうい)と棘を許してほしいと頼む場面は、彼女の強い意誌を感じさせました。

そして、九寒洞での空明と洛錦桑の意外な展開は、今後の二人の関係に大きな影響を与えそうです。青羽鸞鳥が出山したことで、北淵の運命は大きく変わり、紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)の誤解と感情の葛藤も明らかになっていくでしょう。

つづく