馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 最終回 第22話 あらすじ/ネタバレ
寧清(ねいせい) は、何冊かの旅行記に綿密な注釈を書き込んで紀雲禾(きうんか)を訪れます。一見、彼は悠然としているように見えますが、実際には戦況を気にかけています。彼は汝菱(じょりょう)が必ず勝利すると信じていますが、紀雲禾(きうんか)は旅行記に滲み出る世の中に対する深い愛情を鋭く見抜き、寧清(ねいせい) の注釈が偏っていることを指摘します。実は、これらの旅行記は寧清(ねいせい) の最愛の人が書いたもので、彼は愛する人のために天下を巻き込んでも構わないと打ち明けます。
そのとき、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)が近づいてきたため、寧清(ねいせい) は心配になり汝菱(じょりょう)を救出するために急いで去ります。紀雲禾(きうんか)は、寧清(ねいせい) が万花穀の「広物集」も持ってきたことに気づき、彼の愛する人と万花穀には深い関係があると推測します。戦場では、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)が汝菱(じょりょう)を追いかけており、寧清(ねいせい) が間に合い、汝菱(じょりょう)を守るために命を懸けることを誓います。彼の深い愛情と決意に、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)は驚愕します。実は、汝菱(じょりょう)は寧清(ねいせい) の最愛の人と容姿が価ているため、青羽鸞鳥(せいうらんちょう)は寧清(ねいせい) が私欲のために天下を混乱させていると非難します。
一方、林昊青(りんこうせい)は戦況を知り、鹿台山に急行して紀雲禾(きうんか)を救出します。翟暁星(てきしょうせい)を万花穀に、思語(しご)を同行させます。紀雲禾(きうんか)は寧清(ねいせい) の結界を破ろうとしますが、そのとき洛錦桑(らくきんそう)が現れ、離殊(りしゅ)が生きていることと長意(ちょうい)の救出計画を伝えます。紀雲禾(きうんか)は、汝菱(じょりょう)を足止めして洛錦桑(らくきんそう)たちに罪仙(ざいせん)を救出させ、長意(ちょうい)と一緒に北淵に戻って寧清(ねいせい) の陰謀を阻止することを決意します。
雪三月(せつさんげつ)は従棘所に潜入して罪仙(ざいせん)を救出し、洛錦桑(らくきんそう)は警備兵を眠らせて罪仙(ざいせん)の安全な脱出を確保します。長意(ちょうい)は一人で鹿台山を探検し、離殊(りしゅ)と紀雲禾(きうんか)に憧れている罪仙(ざいせん)の臭鼬(しゅうよう)に出会います。長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)の計画を知り、従棘所に向かいます。
汝菱(じょりょう)は罪仙(ざいせん)が逃げ出したことに激怒し、紀雲禾(きうんか)を捕まえようとします。紀雲禾(きうんか)は汝菱(じょりょう)と激闘を繰り広げますが、九尾狐に変身しても敵いません。その時、長意(ちょうい)が駆けつけ、一手で汝菱(じょりょう)を製圧します。彼は汝菱(じょりょう)に同じ目に遭わせるために、従棘所に火を放つことを決意します。二人が逃げようとすると、姫成羽(きせいう)が立ちはだかりますが、長意(ちょうい)は空明(こうめい)の信物で説得し、姫成羽(きせいう)はついに道を譲ります。
林昊青(りんこうせい)と思語(しご)が駆けつけ、長意(ちょうい)が紀雲禾(きうんか)を救い出したことを目撃し、仙師(せんし)府を攻撃することにします。彼らとほぼ同時に到著した姫成羽(きせいう)を出し抜き、林昊青(りんこうせい)が汝菱(じょりょう)を救出します。卿玄(けいげん)と卿瑶(けいよう)は山の下で待ち構えており、長意(ちょうい)の成功を見て、すぐに仙師(せんし)府への攻撃を命じます。
山の上では、長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)に復讐の気持ちがあると打ち明けますが、紀雲禾(きうんか)の体に異変が起きていることに気づきます。長意(ちょうい)が彼女の霊力を回復させようとすると、彼女の体内に霊丹があることに気づきます。紀雲禾(きうんか)は、林滄瀾(りんそうらん)に「怪物」に改造されたという真実を語ります。
卿玄(けいげん)と林昊青(りんこうせい)は仙師(せんし)府の外で対峙し、激怒した寧清(ねいせい) が卿玄(けいげん)を殺そうと加わります。危機一髪、汝鈞(じょきん)が先帝の仙令を持って現れ、天下に号令をかけます。寧清(ねいせい) は仕方なく矛を収めます。封印された人々は、心の中では納得していませんが、現実を受け入れるしかありません。
長意(ちょうい)は鲛珠の力で紀雲禾(きうんか)の回復を助け、別れが近づいていることを悟った紀雲禾(きうんか)は、寧清(ねいせい)の陰謀を阻止するために全力を尽くすことを決意します。天下の運命をかけた戦いが、静かに幕を開けます。
第22話の感想
第22話は、怒涛の展開と衝撃の事実が明らかになった回でした。寧清(ねいせい)の愛する人との関係、汝菱(じょりょう)の正体、紀雲禾(きうんか)の秘密など、物語の核心に迫る重要な情報が次々と明かされ、目が離せない内容でした。
特に印象的だったのは、寧清(ねいせい)の愛への執著と、紀雲禾(きうんか)の決意です。寧清(ねいせい)は、愛する人のために天下を巻き込むことも厭わないという狂気的な一面を見せ、彼の愛の深さと恐ろしさを同時に感じさせられました。一方、紀雲禾(きうんか)は、寧清(ねいせい)の陰謀を阻止するために、自身の命を懸けて戦うことを決意し、彼女の強さと覚悟に心を打たれました。
また、長意(ちょうい)と紀雲禾(きうんか)の再会も感動的でした。二人は、互いへの想いを確認し合い、困難を乗り越えていくことを誓います。このシーンは、二人の強い絆を感じさせるとともに、今後の展開への期待を高めてくれました。
第22話は、物語が大きく動き出すターニングポイントとなる重要な回でした。今後の展開にますます期待が高まります。
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