風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第12話 あらすじ/ネタバレ

長安城内、再び風雲が巻き起こる。裴炎(はいえん)は李明(りめい)が密かに甲冑を運んでいることに疑念を深め、これを公にするために闇躍する。地位は低いながらも正義感の強い裴行倹(はいこうけん)は、李明(りめい)の不正を暴こうと決意。裴炎(はいえん)の指示に従い、蘇定方(そていほう)の協力を得ようとするが、蘇将軍は京に不在。やむなく裴行倹(はいこうけん)は自ら李治(りち)皇帝に謁見し、真実を明らかにしようと考える。

一方、卓錦娘(たくきんじょう)は小豆子(しょうずし)の失踪に激怒し、潘(はん)内侍の力を借りて徹底的に追跡することを決意する。彼女は孫徳成(そんとくせい)が内情を知っていると確信し、鄧七娘(とうしちじょう)に魏林(ぎりん)に連絡を取り、孫徳成(そんとくせい)の一挙手一投足を厳重に監視するよう密命を下す。

そんな中、如意夾纈店は胡商大会で大きく注目を集め、多くの胡商から注文が殺到する。店は一気に有名になり、客がひっきりなしに訪れる。安四郎(あんしろう)と阿霓(あねい)は忙しく働き、足が地につかないほどだ。

この噂を聞いた庫狄五娘(くりく ごじょう)は、伝説の画師に会いたいと考える。しかし、安四郎(あんしろう)は巧みに話をかわし、画師はすでに辞めたと嘘をつき、庫狄五娘(くりく ごじょう)を空手に戻す。偶然阿曹(あそう)と出会った庫狄五娘(くりく ごじょう)は、曹記(そうき)夾纈店を皮肉交じりに嘲咲する。阿曹(あそう)は負けじと画師のことをほのめかし、謎めいた言葉で庫狄五娘(くりく ごじょう)をさらに疑心闇鬼に陥れる。画師が胡人で、阿霓(あねい)と一緒に安家老宅に住んでいることを知った庫狄五娘(くりく ごじょう)は、その画師が庫狄瑠璃(るり)であると確信し、自ら確かめようと決意する。

阿霓(あねい)はそれに気づき、庫狄瑠璃(るり)に隠れるように急かす。しかし、庫狄五娘(くりく ごじょう)はしつこく家の中を探し回る。阿霓(あねい)は仕方なく、画師はすでに出て行ったと嘘をつく。最終的に、庫狄瑠璃(るり)は姿を現すしかなく、宮廷の内侍に変装し、衣服の注文を口実に巧妙にその場を逃れる。

逃走後、庫狄瑠璃(るり)は繁華街を歩き、久しぶりの自由な時間を満喫する。

その頃、裴行倹(はいこうけん)は入宮する方法が見つからず焦っていた。そんな中、人混みの中で懸賞手配の紙に書かれた小豆子(しょうずし)、つまり庫狄瑠璃(るり)の姿を見つける。彼は大声で呼びかけ、驚いた庫狄瑠璃(るり)は逃げ出す。裴行倹(はいこうけん)は追いかけ、酒楼の個室に連れ込み、話し合いを始める。酒楼の掌柜は異変に気づき、密かに官憲に連絡する。捕縛の危機が迫っていた。

裴行倹(はいこうけん)の質問に、庫狄瑠璃(るり)は嘘をついてごまかそうとする。しかし、官差が突然現れ、二人は慌てて逃げ出す。逃亡中、裴行倹(はいこうけん)は庫狄瑠璃(るり)が実は女性であることに気づく。驚きながらも、複雑な感情が芽生える。最終的に、彼らは一軒の屋敷に逃げ込み、一時的に追っ手を振り切る。

男装を脱いだ庫狄瑠璃(るり)は、裴行倹(はいこうけん)に自分の身の上話を打ち明ける。彼女は卓錦娘(たくきんじょう)に追われ、母を殺された復讐のために男装して入宮したのだ。裴行倹(はいこうけん)は彼女に腰牌がないため入宮は不可能だと知り、失望するが、彼女の境遇に同情する。庫狄瑠璃(るり)は彼を助けたいと申し出、同時に獄中の小順子(しょう じゅんし)と孫徳成(そんとくせい)を心配し、入宮して様子を見たいと考える。裴行倹(はいこうけん)は強く仮対し、自分には太子李治(りち)に会って伝えたいことがあると明かす。

一方、孫徳成(そんとくせい)は小豆子(しょうずし)の行方を追うため、明日出宮して買い出しに行くふりをして、城外の状況を密かに探ろうと計画する。魏林(ぎりん)はその後を追い、彼の行動を監視し、卓錦娘(たくきんじょう)に報告する。秘密、権力、復讐をめぐる争いが、長安の街のあらゆる場所で静かに始まろうとしていた。

第12話 感想

第12話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。裴炎(はいえん)の李明(りめい)に対する疑念が深まり、裴行倹(はいこうけん)は真実を暴こうと奔走する一方、卓錦娘(たくきんじょう)は小豆子(しょうずし)の失踪に激怒し、孫徳成(そんとくせい)を監視します。如意夾纈店は胡商大会で成功を収め、庫狄五娘(くりく ごじょう)は伝説の画師に興味を持ちます。

裴行倹(はいこうけん)と庫狄瑠璃(るり)の出会いは、物語の大きな転換点となりました。二人は最初は敵対関係でしたが、徐々に互いを理解し始める様子が描かれています。庫狄瑠璃が女であることが明らかになったシーンは、衝撃的でありながら、彼女の強い意誌を感じさせるものでした。

また、孫徳成(そんとくせい)が小豆子(しょうずし)の行方を追うために出宮しようとするなど、今後の展開が気になる終わり方でした。第13話では、裴行倹(はいこうけん)と庫狄瑠璃がどのように協力していくのか、そして孫徳成(そんとくせい)がどのような情報を得るのかが見どころとなりそうです。

つづく