風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第16話 あらすじ/ネタバレ

波乱を乗り越え、再び不禄(ふろく)院へ

李治(りち)の助けにより、危機を脱した瑠璃(るり)は、不禄(ふろく)院へと戻ります。小桂子(こけいこ)、小福子たちの温かい歓迎に包まれ、喜びと安堵に満ち溢れたひとときを過ごします。しかし、小順子(しょう じゅんし)は複雑な心境を抱えており、喜びとともに過ぎ去った日々への感慨も感じています。

孫徳成(そんとくせい)は瑠璃(るり)の無事を確認し、涙を流して喜びます。そして、李治(りち)の助けを知り、瑠璃(るり)を宮廷から逃がそうと決意を新たにします。しかし、瑠璃(るり)は母の仇を討つため、宮廷に残ることを強く望みます。

母を陥れた犯人は卓錦娘(たくきんじょう)

瑠璃(るり)は、尚服(しょうふく)局の宮女が母に袆衣の修正を依頼した際の刺繍が、卓錦娘(たくきんじょう)のものと酷価していることを思い出します。それは、母を陥れた犯人が卓錦娘(たくきんじょう)であることを確信させるものでした。しかし、瑠璃(るり)の問いかけに孫徳成(そんとくせい)は言葉を濁し、何かを隠している様子です。

小順子(しょう じゅんし)はついに堪えきれず、卓錦娘(たくきんじょう)が安氏(あんし)を陥れた罪状をすべて明かします。怒りに燃える瑠璃(るり)は、真実を明らかにし、母の無実を証明することを誓います。

魏林(ぎりん)の死と新たな疑惑

その頃、小桂子(こけいこ)の財布や小順子(しょう じゅんし)の玉佩、そして安氏(あんし)の形見が魏林(ぎりん)の荷物から見つかり、瑠璃(るり)は魏林(ぎりん)を疑い始めます。しかし、魏林(ぎりん)は罪を恐れて湖に身を投げ、命を落としてしまいます。

潘(はん)内侍は李治(りち)に魏林(ぎりん)の罪を報告しますが、李治(りち)は深く追求しません。実は、卓錦娘(たくきんじょう)は魏林(ぎりん)を湖に突き落として殺害しており、その罪を恐れていたのです。

尚服(しょうふく)局への潜入と刺繍勝負

卓錦娘(たくきんじょう)は、武媚娘(ぶびじょう)と楊妃(ようひ)の衣装の色が被った問題で、武媚娘(ぶびじょう)の衣装の色を勝手に変更し、阿碧(あおび)の質問にも激怒します。瑠璃(るり)は、真相を明らかにするため、尚服(しょうふく)局に潜入することを決意します。

卓錦娘(たくきんじょう)は瑠璃(るり)を冷たくあしらい、様々な試練を与えます。そして、阿碧(あおび)との刺繍勝負で瑠璃(るり)の去就を決めようとします。

勝負のテーマは「花魁」。阿碧(あおび)は順調に刺繍を進めますが、瑠璃は花をじっと見つめた後、しばらく動きません。しかし、苦悩の末に刺繍を始めると、独創的な作品を作り上げます。それは、満開の花魁を星々が囲むように描いたもので、見る者を魅瞭します。

卓錦娘(たくきんじょう)は瑠璃の勝利を宣言し、尚服(しょうふく)局での地位を向上させます。しかし、この決定は他の刺繍娘たちの不満と噂を招きます。

瑠璃の決意と新たな課題

事後、瑠璃は鄧七娘(とうしちじょう)に感謝の意を表しますが、鄧七娘(とうしちじょう)は瑠璃の活躍を警戒します。李治(りち)は瑠璃に静かな住まいを用意し、瑠璃はそれを喜びます。

宮中の糸が細すぎる問題が発生し、卓錦娘(たくきんじょう)は瑠璃に西市で太い糸を調達するよう命じます。しかし、瑠璃は敵を作ることを避け、席の交換と調達任務の交代を申し出ます。卓錦娘(たくきんじょう)は、尚服(しょうふく)局は実力がものをいう場所であり、あまり善良になりすぎないように忠告します。そして、安氏(あんし)の過去の悲劇を思い出し、複雑な心境に陥ります。

第16話の感想

第16話は、波乱に満ちた展開から一転、不禄(ふろく)院での温かい歓迎や李治(りち)の助けなど、ホッとする場面が多く見られました。しかし、瑠璃の母を陥れた犯人が卓錦娘(たくきんじょう)であることが明らかになり、今後の展開が気になります。

特に印象的だったのは、瑠璃の刺繍勝負のシーンです。阿碧(あおび)の順調な刺繍に対し、瑠璃は苦悩の末に独創的な作品を作り上げました。満開の花魁を星々が囲むように描いたその作品は、見る者を魅瞭し、卓錦娘(たくきんじょう)も思わず勝利を宣言しました。

この勝負は、瑠璃の才能と決意を証明すると同時に、卓錦娘(たくきんじょう)の焦りと不安を浮き彫りにしました。今後、瑠璃は卓錦娘(たくきんじょう)とどのように対峙していくのでしょうか。

つづく