風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第2話 あらすじ/ネタバレ

庫狄府の闇雲

庫狄府では嵐が吹き荒れようとしていた。安氏(あんし)は勇気を振り絞り、夫である庫狄延忠(くちょくえんちゅう)に袆衣の改変の真相を告白する。それは忠誠心から出た行為であったが、思いがけず家庭内に闇雲を呼び込んでしまう。側室の阿曹(あそう)は、このことが家族全員に累が及ぶことを恐れ、庫狄延忠(くちょくえんちゅう)に離縁状を書いて安氏(あんし)と縁を切るように強く勧める。利己的で臆病な庫狄延忠(くちょくえんちゅう)は、その言葉に流され、安氏(あんし)に離縁状を手渡してしまう。

瑠璃(るり)の才知と母の愛

安氏(あんし)の娘である庫狄瑠璃(るり)は、卓錦娘(たくきんじょう)が刺繍した袆衣の硬さと不足を一眼で見抜き、衣に大鳥を刺繍して霊気を加えることを提案する。安氏(あんし)は娘の才能を誇りに思う一方で、彼女の未来を心配する。熟慮した末、安氏(あんし)は瑠璃(るり)を安全な場所に送り、自分にとって大切な金針と製衣の心得を託し、繰り返し愛情を込めて訓戒する。

武府での日々

その後、安四郎(あんしろう)は瑠璃(るり)を連れて武府を訪れ、武元華(ぶげんか)に吉服を届ける。吉服には、生き生きとした桃花が咲いており、武元華(ぶげんか)は感嘆する。武夫人は最初は桃花が少し寂しいと感じたが、瑠璃(るり)は巧みに「一枝独秀」の意味を説明し、武夫人の心を掴み、武府に残り作業を完成させる機会を得る。

運命の出会い

武府での日々、瑠璃(るり)は母親の別れの言葉を思い出し、悲しみに暮れる。彼女は母親との7日間の約束を覚えていたが、運命はすでに大きく変わっていた。一方、裴行倹(はいこうけん)は寺で蘇定方(そていほう)と偶然出会い、しばらく待った後、軽功を使って寺の中を駆け巡る。その手には、椿の花が刺繍されたハンカチが握られており、その精巧さに心の中で感嘆する。

思わぬ展開

3日が経ち、瑠璃(るり)は寺に参拝し、母の無事を祈る。裴行倹(はいこうけん)は闇に助け、石を使って籤をすり替え、瑠璃(るり)が上上籤を引けるようにする。しかし、椿の花のハンカチが落ちてしまい、瑠璃(るり)に見つかってしまう。彼女は仏の加護だと思い、喜び勇んで去っていく。裴行倹(はいこうけん)の善行は蘇定方(そていほう)に見られ、感動した蘇定方(そていほう)は彼を弟子にすることに決める。

陰謀と迫害

7日間の期限が満瞭し、卓錦娘(たくきんじょう)が袆衣の検収に来る。彼女は安氏(あんし)の改変に感嘆する。瑠璃(るり)は武府で吉服の仕上げを完瞭し、その技術は再び武元華(ぶげんか)から称賛される。しかし、瑠璃(るり)は武元華(ぶげんか)と一緒に宮廷に行くことを断り、自分なりの考えを持っていた。

この時、楊妃(ようひ)の宮殿では事態が悪化していた。林尚服(りんしょうふく)が袆衣を献上したところ、唐太宗李世民(りせいみん)の疑いと怒りを買ってしまった。彼は楊妃(ようひ)に帝位簒奪の意思があると断定し、楊妃(ようひ)は必死に弁明し、死を以て潔白を証明しようとする。袆衣の出所を追跡する過程で、林尚服(りんしょうふく)と卓錦娘(たくきんじょう)は自保のために、罪をすべて安氏(あんし)になすりつける。李世民(りせいみん)は激怒し、2人を斬首するよう命じるが、楊妃(ようひ)の嘆願により死刑は免れ、代わりに安氏(あんし)の逮捕を命じられる。

安氏(あんし)の危機

卓錦娘(たくきんじょう)は大理寺の侍衛を連れて庫狄府に押し入り、宮廷を混乱させた罪で安氏(あんし)を逮捕する。濡れ衣を著せられた安氏(あんし)は必死に抗議するが、誰も耳を貸さない。庫狄大朗(くちょくたいろう)と阿曹(あそう)は、急いで離縁状を取り出し、安氏との縁を切ろうとする。安氏はついに連れ去られてしまうが、卓錦娘(たくきんじょう)は諦めきれず、金針を探し回るが見つからない。そこで、庫狄瑠璃の行方を問い詰める。

第2話の感想

第2話では、安氏と瑠璃の運命が大きく動き出す。安氏は夫の弱腰と側室の陰謀により離縁され、窮地に陥る。一方、瑠璃は武府で才能を認められ、母との別れを乗り越えようとする。

安氏の苦悩と瑠璃の成長が描かれた第2話は、見ていて胸が痛む場面も多かった。しかし、瑠璃の聡明さと勇気は希望を感じさせる。また、裴行倹(はいこうけん)のさりげない優しさも印象的だった。

つづく