風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第23話 あらすじ/ネタバレ

尚服(しょうふく)局の織造室

金糸で牡丹の花びらを描く妙案を思いついた庫狄瑠璃(るり)は、天山玉で仕上げることを提案する。そのアイデアは武媚娘(ぶびじょう)の心に響いたが、松涛(しょうとう)に盗み聞きされ、楊妃(ようひ)に伝えられてしまう。牡丹は長孫皇太后が愛した花であり、武媚娘(ぶびじょう)がそれを用いれば李世民(りせいみん)の怒りを買うと考えた楊妃(ようひ)は、ある企みを思いつく。

裴行倹(はいこうけん)の思惑

李治(りち)は莫坤(ばく こん)を呼び戻し、裴行倹(はいこうけん)は彼に庫狄瑠璃(るり)の身元の調査を依頼する。安氏(あんし)の冤罪を晴らすためだ。一方、庫房でその話を聞いた小順子(しょう じゅんし)は、孫徳成(そんとくせい)に報告する。孫徳成(そんとくせい)は瑠璃(るり)の正体がバレれば命が危ないと心配し、小順子(しょう じゅんし)も瑠璃(るり)の運命を案じる。

安氏(あんし)の真実

莫坤(ばく こん)の調査で、安氏(あんし)は庫狄延忠(くちょくえんちゅう)の妻であり、「天下第一針」と称される腕を持ち、長孫皇太后に信頼されていたことが判明する。宮廷生活に嫌気がさして出宮を願い出たが、楊妃(ようひ)の封后礼服を縫ったことで陥れられ、獄中で命を落とした。

裴行倹(はいこうけん)は、瑠璃(るり)が安氏(あんし)の遺児であり、孫徳成(そんとくせい)に助けられて不禄(ふろく)院で暮らしていたと推測する。そして、瑠璃が皇宮に戻ってきたのは、母の死の真相を明らかにし、復讐するためだと考える。

複雑な思い

裴行倹(はいこうけん)は、11年前に茶花のハンカチで瑠璃と出会い、棺桶から逃げ出した彼女を助けたことを思い出す。安氏(あんし)の遺品は今も大切に保管している。裴行倹(はいこうけん)は、遺品を返すため、瑠璃に会いに行く。

卓錦娘(たくきんじょう)の脅威

一方、卓錦娘(たくきんじょう)は瑠璃が武媚娘(ぶびじょう)に作る礼服が自分の評判を落とすのではないかと心配し、瑠璃を部屋から追い出して図案を探そうとする。そこに裴行倹(はいこうけん)が現れ、卓錦娘(たくきんじょう)が安氏(あんし)の死に関与しているのではないかと疑い、瑠璃を心配する。

秘密の出会い

衝突を避けるため、裴行倹(はいこうけん)は暢春湖畔で瑠璃に会い、プレゼントを贈ると嘘をついて闇に守る。二人は並んで座り、月光の下で心を通わせ、次の出会いの場所を弈心宮に決める。幽霊が出るという噂がある弈心宮だが、裴行倹(はいこうけん)はそれを利用して誰も近づけさせず、二人だけの空間を作る。

盂蘭盆節の夜

李世民(りせいみん)が盂蘭盆節の祭祀を執り行い、妃嬪と皇子たちが集まる。楊妃(ようひ)と武媚娘(ぶびじょう)は欠席し、宮廷の宴に異様な空気が流れる。闇流が渦巻く中、裴行倹(はいこうけん)と庫狄瑠璃の恋は、宮廷の秘密の花のように静かに咲き始める。

第23話感想

第23話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。庫狄瑠璃の過去が明らかになり、裴行倹(はいこうけん)の複雑な思いが描かれました。また、卓錦娘(たくきんじょう)の脅威が迫り、瑠璃の運命が気になるところです。

特に印象に残ったのは、裴行倹(はいこうけん)と瑠璃のシーンです。暢春湖での夜の会話は、二人が心を通わせていることが伝わってきました。また、裴行倹(はいこうけん)が瑠璃を守るために弈心宮を利用するシーンは、彼の知恵と優しさが感じられました。

一方で、楊妃(ようひ)と武媚娘(ぶびじょう)の闇躍が気になります。二人は瑠璃を陥れようと企んでいますが、果たしてその目的は何なのでしょうか。

つづく