風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第24話 あらすじ/ネタバレ

華やかな装いで登場した楊妃(ようひ)

朝の陽光が差し込む中、楊妃(ようひ)は美しく著飾った百鳥朝鳳の衣装を身にまとい、宮殿の門前で佇んでいました。彼女は、すべての宮人や朝臣が入場した後、この華やかな装いで登場し、後宮における自分の尊い地位を誇示しようとしていました。

時機が熟し、楊妃(ようひ)はゆっくりと大殿へと歩みを進めました。その瞬間、彼女はすべての人の視線を釘付けにしました。李世民(りせいみん)はすぐに彼女の衣装の非凡さに気づきました。孔雀の羽で作られたその衣装は、まばゆいばかりに輝いていました。

しかし、この華やかな衣装は、彼女に期待した賞賛をもたらすどころか、失策の始まりとなってしまいました。

武媚娘(ぶびじょう)の機転

楊妃(ようひ)は、この機会を利用して李世民(りせいみん)に武媚娘(ぶびじょう)を訴えました。彼女は、武媚娘(ぶびじょう)が盂蘭盆会のために準備した牡丹の図柄の礼服があまりにも贅沢で、目立ちたがっているのだと主張しました。

しばらくして、武媚娘(ぶびじょう)が遅れて大殿に到著しました。李世民(りせいみん)の問いに対して、彼女は落ち著いて説明しました。牡丹の礼服は、長孫皇后(ちょうそんこうごう)への哀悼の意を表すために作られたものであり、そのため遅刻してしまったのだと言いました。

李世民(りせいみん)は彼女の言葉を聞いて感心し、武媚娘(ぶびじょう)が質素な服装をしていることに気づきました。それにより、彼女の清廉さがより際立っていました。一方、楊妃(ようひ)の百鳥朝鳳の衣装は、より一層目障りに映りました。李世民(りせいみん)は不快感を示し、楊妃(ようひ)に宮殿に戻って仮省するように命じました。

楊妃(ようひ)の苦肉の策

楊妃(ようひ)は、簡単に諦めることができず、大殿の外で罰として跪くことにしました。彼女は、この苦肉の策で李世民(りせいみん)の心を取り戻そうと考えたのです。しかし、長時間跪いているうちに、彼女は恨みを抱くようになりました。そして、武媚娘(ぶびじょう)を倒すという決意をさらに固めました。

最終的に、李世民(りせいみん)は楊妃(ようひ)を呼び出し、彼女の服装が不適切であり、無実の人々を殺したことを指摘しました。楊妃(ようひ)は許しを請いましたが、罰を逃れることはできませんでした。

武媚娘(ぶびじょう)の真心

一方、武媚娘(ぶびじょう)は礼儀に従って蓮の花の灯籠を用意し、長孫皇太后の霊廟に参拝に行きました。彼女の誠実な行動は、長孫皇太后の霊だけでなく、門の外で話を聞いていた李治(りち)の心も動かしました。

武媚娘(ぶびじょう)のこの行動は、太子に好感を持ってもらうためのものと同時に、宮中での自分の立場を打開するためのものだったのです。

怒り狂う楊妃(ようひ)

怒りに燃えた楊妃(ようひ)は、尚服(しょうふく)局に押し入り、刺繍職人たちに激怒しました。彼女はすべての責任を卓錦娘(たくきんじょう)に押し付けました。卓錦娘(たくきんじょう)は、この機会を利用して庫狄瑠璃(るり)に濡れ衣を著せました。

しかし、李治(りち)が及時に現れ、庫狄瑠璃(るり)を助け、彼女の潔白を証明しました。楊妃は仕方なく、卓錦娘(たくきんじょう)を厳しく罰して、自分の怒りを晴らしました。

深い夜の対話

夜遅く、李世民(りせいみん)は武媚娘(ぶびじょう)を呼び出し、二人は過去の話をしました。武媚娘(ぶびじょう)は長孫皇太后の「春遊曲」を歌い、その歌声は李世民(りせいみん)の心を揺さぶり、長孫皇太后との幸せな日々を思い出させてくれました。李世民(りせいみん)は思わず涙を流しました。

新たな決意

楊妃は宮殿に戻ると、怒りを抑えることができず、週りの人に当たり散らしました。宮女の丹青(たんせい)は、彼女に落ち著くように説得し、息子の李明(りめい)のことを考えるように言いました。しかし、楊妃は李治(りち)が庫狄瑠璃(るり)を守ったことに衝撃を受け、庫狄瑠璃(るり)をさらに監視することにしました。

一方、裴行倹(はいこうけん)は弈心宮で庫狄瑠璃(るり)のために祭壇の灯籠を用意し、亡くなった母親を偲ぶことができるようにしました。この夜、後宮は闇流が渦巻き、それぞれが自分の考えを持っていました。そして、より激しい戦いが静かに始まろうとしていました。

第24話感想

第24話は、宮廷内の権力闘争が激化し、各キャラクターの思惑が交錯する見応えのあるエピソードでした。

つづく