風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第3話 あらすじ/ネタバレ
卓錦娘(たくきんじょう)は大理寺の追跡で裴行倹(はいこうけん)を捕らえることはできなかった。彼はすでに姿を消しており、顔を隠すために仮面を被っていた。卓錦娘(たくきんじょう)は自分が求めているのは貴重な金針だけだと悟り、宮中の才人になる武元華(ぶげんか)と争うことを避けたため、裴行倹(はいこうけん)の追跡を諦めた。
一方、庫狄瑠璃(るり)は大理寺の牢獄に投獄されてしまった。彼女の母親である安氏(あんし)は、娘の姿を見て心を痛め、生きる気力を失った。卓錦娘(たくきんじょう)は金針を渡すよう迫るが、安氏(あんし)は頑なに拒否する。激怒した卓錦娘(たくきんじょう)は、母娘ともに命を絶つと脅迫する。
意識を失った庫狄瑠璃(るり)を見て、安氏(あんし)は必死に助けを求める。彼女は金の髪飾りを差し出し、獄卒に不禄(ふろく)院の宦官である孫徳成(そんとくせい)を呼び出すよう懇願する。
裴行倹(はいこうけん)は住まいへ逃げ帰ると、書箱の中に庫狄瑠璃(るり)が置いていった金針とハンカチを見つけ、彼女の無事を祈る。その頃、孫徳成(そんとくせい)は獄卒に牢へ連れて行かれ、安氏(あんし)は全身の力を振り絞って庫狄瑠璃(るり)を助けてくれるよう懇願する。孫徳成(そんとくせい)は一計を案じ、女囚がまだ息があると言って時間を稼ぎ、密かに救出する準備をする。
意識を取り戻した庫狄瑠璃(るり)に、安氏(あんし)は別れを予感させるように様々なことを伝え、孫徳成(そんとくせい)が「遺体」を引き取りに来た際には、苦しみながらも偽の死薬を飲ませ、絞殺されたように見せかける。そして、自身は人目を欺くために首を弔って自害する。様子がおかしいと感じた小順子(しょう じゅんし)は慌てて獄卒を呼び、獄卒は二人が「死亡」したことを確認し、小順子(しょう じゅんし)に遺体を運ばせる。
安氏(あんし)母娘が「自殺」したという知らせを受けた卓錦娘(たくきんじょう)と林尚服(りんしょうふく)は、急いで不禄(ふろく)院に向かう。卓錦娘(たくきんじょう)は遺体を燃やすことで金針を見つけようとするが、孫徳成(そんとくせい)は様々な理由をつけて拒否する。最終的に、卓錦娘(たくきんじょう)は大理寺の腰牌を見せて脅迫し、孫徳成(そんとくせい)は仕方なく従う。しかし、卓錦娘(たくきんじょう)が庫狄瑠璃(るり)を火の中に投げ入れようとした瞬間、高内侍(こう ないじ)が人を使って阻止する。この日は武元華(ぶげんか)が入宮する日であり、宮中では汚れたことを禁じられていたのだ。
こうして庫狄瑠璃(るり)は一命を取り留め、孫徳成(そんとくせい)と小順子(しょう じゅんし)に助けられ、解毒剤を飲まされて意識を取り戻す。目を覚ました庫狄瑠璃(るり)は、母親が焼死したことを知り、悲しみに暮れる。孫徳成(そんとくせい)は彼女を慰め、強く生きるよう励まし、弟子として迎え入れ、「小豆子(しょうずし)」という名前を与える。安氏(あんし)は遺書の中で、庫狄瑠璃(るり)に孫徳成(そんとくせい)を義父として認め、18歳になったら皇宮を離れるようにと願っていた。
それから11年が経ち、狄才人が亡くなった。武元華(ぶげんか)は弔問に訪れ、狄才人が著ていた美しい衣服に魅瞭される。その服が小豆子(しょうずし)によって作られたものだと知ると、興味を持ち、その人物に会いたいと思うようになる。孫徳成(そんとくせい)は不禄(ふろく)院で庫狄瑠璃(るり)を探すが、彼女は棺桶の中に隠れて鬼の真価をしていて、小順子(しょう じゅんし)を驚かせてしまう。最終的に、孫徳成(そんとくせい)は庫狄瑠璃(るり)を連れ出し、武元華(ぶげんか)のもとへ連れて行く。
庫狄瑠璃は武元華(ぶげんか)こそがかつての命の恩人であることに気づき、名乗り出ようとするが、孫徳成(そんとくせい)に止められてしまう。身元がバレるのを防ぐためだ。庫狄瑠璃は狄才人の衣服を通して武元華(ぶげんか)への感謝の気持ちを伝え、武元華(ぶげんか)を助けてくれた仮面の男を見つけるために、彼女を利用することを決意する。
一方、尚服(しょうふく)局にいる卓錦娘(たくきんじょう)は、鄧七娘(とうしちじょう)が持っている美しい巾著が、安氏(あんし)が作ったものと同じ刺繍であることに気づく。そして、鄧七娘(とうしちじょう)に問い詰める。鄧七娘(とうしちじょう)は不禄(ふろく)院の門前で巾著を拾ったことを思い出し、小豆子(しょうずし)が落としたのではないかと疑う。巾著をなくしたことに気づいた庫狄瑠璃は急いで探すが、門前で鄧七娘(とうしちじょう)と遭遇してしまう。巾著の由来をめぐる追及が、これから始まる。
第3話の感想
第3話は、サスペンスフルな展開と感動的なシーンが満載でした。卓錦娘(たくきんじょう)と安氏(あんし)の攻防戦はハラハラドキドキさせられ、安氏(あんし)の壮絶な最期には涙を誘われました。一方、庫狄瑠璃の命を救った孫徳成の機転と、武元華(ぶげんか)との再会は希望を感じさせる展開でした。
特に印象的だったのは、安氏(あんし)の自己犠牲です。娘の命を守るために、自らの命を絶つという決断は、母親としての深い愛情を感じさせられました。また、孫徳成の機転と優しさも光っていました。彼は安氏(あんし)の願いを葉え、庫狄瑠璃を救うために尽力しました。
つづく