風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第34話 あらすじ/ネタバレ

夜闇に包まれた宮廷で、庫狄瑠璃(るり)は卓錦娘(たくきんじょう)の目をくらまし、密室へと忍び込む。彼女は龍袍に磷粉をまき散らし、卓錦娘(たくきんじょう)を誘い込む。卓錦娘(たくきんじょう)は不審に思うことなく、龍袍に息を吹きかけると、たちまち火の手が上がり、龍袍は灰燼と化してしまう。庫狄瑠璃(るり)は、卓錦娘(たくきんじょう)の「天下第一針」の夢を打ち砕くため、自分がやったことを認める。

しかし、卓錦娘(たくきんじょう)はただ者ではなかった。彼女は密かに庫狄瑠璃(るり)の針法を学び、龍袍の替えを準備していたのだ。阿碧(あおび)の機転により、庫狄瑠璃(るり)の計画は事前に察知され、入れ替え作戦が実行されていた。卓錦娘(たくきんじょう)は得意げに「傑作」を披露し、龍袍に最後の仕上げを施そうとする。庫狄瑠璃(るり)は驚きと悲しみに打ちのめされ、床に伏してしまう。

一方、東宮では李治(りち)が孝心を示し、父である李世民(りせいみん)に薬を飲ませようとする。潘(はん)内侍は薬に毒を盛ろうとするが、良心の呵責に耐えられず断念する。しかし、李明(りめい)の差し向けた蒲巴弩(ほばど)が迫り、潘(はん)内侍は李世民(りせいみん)の普段の薬に毒を盛ることを余儀なくされる。彼は李治(りち)に罪を著せようとしていた。

卓錦娘(たくきんじょう)の新龍袍は二人の太妃(たいひ)に大好評で、満場の喝採を浴びる。病に伏す庫狄瑠璃(るり)は、それでも卓錦娘(たくきんじょう)の金針祭拝式に出席する。彼女は卓錦娘(たくきんじょう)に天に誓って龍袍の真実を認めるように迫る。卓錦娘(たくきんじょう)は措手不及となり、必死に言い逃れをしようとする。庫狄瑠璃(るり)は真相を明らかにするため、皆を密室に案内することを決意する。

鄧七娘(とうしちじょう)は東宮に助けを求め、ちょうど裴行倹(はいこうけん)が戻ってきたところだった。裴行倹(はいこうけん)はすぐに李治(りち)のもとへ向かう。李世民(りせいみん)の容態は少し回復し、後宮は平穏な雰囲気に包まれていた。裴行倹(はいこうけん)は外で焦燥に駆られながら待つしかなかった。林尚服(りんしょうふく)もまた、事の成り行きを怪しみ、卓錦娘(たくきんじょう)と庫狄瑠璃(るり)の失踪、そして龍袍の変化に疑問を抱く。しかし、卓錦娘(たくきんじょう)の脅迫に屈し、庫狄瑠璃(るり)に現実を受け入れるよう説得するしかなかった。

祭拝式では、卓錦娘(たくきんじょう)は阿碧(あおび)を弟子にしようと企むが、庫狄瑠璃(るり)は必死に抵抗し、ひどい暴行を受ける。血が彼女の衣服を染め上げる。鄧七娘(とうしちじょう)は卓錦娘(たくきんじょう)に慈悲を乞うが、無駄だった。その時、裴行倹(はいこうけん)が駆けつけ、李世民(りせいみん)が貂皮の龍袍を必要としていることを理由に、庫狄瑠璃(るり)を無理やり連れ去る。

不禄(ふろく)院では、孫徳成(そんとくせい)が庫狄瑠璃を看病し、彼女はようやく休息を得る。裴行倹(はいこうけん)は薬を飲ませようとするが、庫狄瑠璃は拒否する。彼女の心は悲しみと怒りでいっぱいだった。床の下の木箱には、一組の男女の泥人形が静かに横たわり、終わりのない縁を物語っているようだった。庫狄瑠璃は目を覚まし、決意に満ちた表情を浮かべる。彼女は、この戦いはまだ終わっていないことを知っている。

第34話の感想

第34話は、物語が大きく動き、衝撃的な展開が続いた回でした。特に印象的なシーンは、以下の3つです。

  1. 庫狄瑠璃が龍袍に火をつけるシーン: 庫狄瑠璃は、卓錦娘(たくきんじょう)の「天下第一針」の夢を打ち砕くため、龍袍に火をつけます。このシーンは、彼女の強い意誌と決意が伝わってくるものでした。
  2. 卓錦娘(たくきんじょう)が替えの龍袍を用意していたシーン: 卓錦娘(たくきんじょう)は、庫狄瑠璃の計画を事前に察知し、替えの龍袍を用意していました。このシーンは、彼女のしたたかさを感じさせるものでした。
  3. 裴行倹(はいこうけん)が庫狄瑠璃を連れ去るシーン: 裴行倹(はいこうけん)は、李世民(りせいみん)が貂皮の龍袍を必要としていることを理由に、庫狄瑠璃を無理やり連れ去ります。このシーンは、今後の展開を予感させるものでした。

つづく