風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第35話 あらすじ/ネタバレ

李治(りち)の孝心と李明(りめい)の陰謀

李治(りち)はいつものように、早朝に李世民(りせいみん)の寝宮を訪れ、手ずから薬を差し上げる。李明(りめい)はそれを冷ややかに見ながら、陰謀を企てていた。太医が派遣した潘(はん)内侍が薬を持ってきた時、李明(りめい)はわざと邪魔をし、内侍に薬に細工をするように合図を送る。潘(はん)内侍は震える手で葛藤するが、恐怖のため毒を盛ることはできなかった。李明(りめい)は計画が成功したと思い込み、潘(はん)内侍に急いで薬を李治(りち)に渡すように促す。李治(りち)は何も疑わず、父である李世民(りせいみん)に薬を飲ませる。その様子は一見穏やかだが、実は危機が潜んでいた。

李治(りち)が去った後、李明(りめい)は待ちきれずに李世民(りせいみん)に近づき、様子を伺うが、父は無事だった。李明(りめい)は驚きを隠せない。李世民(りせいみん)は疲れたと言い、皆を退散させる。李明(りめい)はそこで潘(はん)内侍が本当に毒を盛らなかったことに気づき、激怒して潘(はん)内侍を叱責し、命を奪うとまで言い放つ。潘(はん)内侍は恐れおののき、毒が効かなくなったのは時間が経ったせいだと弁解する。李明(りめい)は蒲巴弩(ほばど)に、2日おきに新しい毒薬を届けるように命じ、潘(はん)内侍に早く毒を盛る機会を見つけるように迫る。

庫狄瑠璃(るり)の拒絶と裴行倹(はいこうけん)の苦悩

一方、小順子(しょう じゅんし)は鄧七娘(とうしちじょう)に庫狄瑠璃(るり)の傷の手当てをさせる。裴行倹(はいこうけん)は心配になり、庭の外で様子を見守り、手当ての仕方を細かく指示する。庫狄瑠璃(るり)は高熱でうなされ、金針に対する恐怖と拒否感を口にする。裴行倹(はいこうけん)に二度と会いたくないとまで言い放つ。その言葉を聞いた裴行倹(はいこうけん)は自責の念に駆られ、自分の行動を仮省し始める。鄧七娘(とうしちじょう)も心配そうに見守るが、孫徳成(そんとくせい)は庫狄瑠璃(るり)は恨み深い人間ではないと裴行倹(はいこうけん)を慰める。

蒲巴弩(ほばど)は約束通り潘(はん)内侍に毒薬を届け、彼の父親の指を人質に取る。潘(はん)内侍は恐怖と悲しみに泣き崩れる。蒲巴弩(ほばど)は脅迫を続けるが、潘(はん)内侍は絶望し、李明(りめい)が成功すれば自分も殺されると考える。蒲巴弩(ほばど)は表面上は強硬な態度を取るが、内心では李明(りめい)の冷酷さに不安を感じていた。

李治(りち)への罠と裴行倹(はいこうけん)の疑惑

翌朝、李治(りち)は李世民(りせいみん)を見舞う前に庫狄瑠璃(るり)の様子を見に行こうとするが、裴行倹(はいこうけん)の忠告を聞かずに出かけてしまう。裴行倹(はいこうけん)は潘(はん)内侍に注意するよう忠告するが、李治(りち)はそれを無視する。すると、突然潘(はん)内侍が現れ、李世民(りせいみん)が意識を取り戻し、李治(りち)にすぐに来るようにと伝えてきた。裴行倹(はいこうけん)は疑念を抱くが、李治(りち)は怠慢するわけにはいかず、急いで向かう。宮門に到著すると、潘(はん)内侍が突然現れ、李明(りめい)が李治(りち)に弑逆の罪を著せて帝位を奪おうとしていることを暴露する。李治(りち)は半信半疑になり、心が揺れ動く。

一方、裴行倹(はいこうけん)は公務で外出する前に莫坤(ばく こん)に挨拶をし、偶然、蒲巴弩(ほばど)が無理やり宮殿に侵入しようとしている場面に遭遇する。侍衛が蒲巴弩(ほばど)を阻止するが、彼は狂ったように侍衛と闘う。裴行倹(はいこうけん)が駆けつけ、蒲巴弩(ほばど)を製圧して連れ戻す。

その後、李治と李明(りめい)が相次いで李世民(りせいみん)を見舞う。李世民(りせいみん)は薬を飲んで休もうとする。李治は潘(はん)内侍の言葉を思い出し、わざと手が震えていると言って、李明に薬を飲ませるように頼む。李明は驚き、わざと薬碗を落としてしまう。これで危機は一時的に回避された。

裴行倹(はいこうけん)は蒲巴弩(ほばど)を厳しく尋問するが、蒲巴弩(ほばど)は頭痛を理由に言い逃れをする。裴行倹(はいこうけん)は彼の様子がおかしいことに気づき、追及を続ける。その時、李明が現れ、無理やり蒲巴弩(ほばど)を連れ去ってしまう。権力と陰謀をめぐる戦いは、闇闇の中で静かに激化していく。

第35話の感想

第35話は、李治と李明の対立がさらに激化し、緊張感あふれる展開となりました。李明の陰謀が明らかになり、李治は危機に陥ります。また、庫狄瑠璃(るり)と裴行倹(はいこうけん)の関係にも変化が見られ、今後の展開が気になります。

李治は、李世民(りせいみん)への孝心を持ちながらも、李明の陰謀に巻き込まれていきます。李明は冷酷で狡猾な人物であり、李治を陥れるためにあらゆる手段を用います。李治は李明の罠をかわすことができるのでしょうか。

庫狄瑠璃(るり)は、金針に対する恐怖と拒否感を抱いており、裴行倹(はいこうけん)を拒絶します。裴行倹(はいこうけん)は自責の念に駆られ、自分の行動を仮省します。庫狄瑠璃(るり)は裴行倹(はいこうけん)を許すことができるのでしょうか。

つづく