風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第38話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れ、楊貴妃(ようきひ)の陰謀が静かに動き出す。彼女は裴行倹(はいこうけん)が密かに庫狄瑠璃(るり)に毒を盛ったと偽証し、彼女を操ろうと企む。庫狄瑠璃(るり)は賢く、楊貴妃(ようきひ)の要求通りに紙に字を書いたが、それが仮撃の鍵になるとは知らなかった。

その夜、楊貴妃(ようきひ)は庫狄瑠璃(るり)を連れて曹王(そうおう)府に足を踏み入れる。裴行倹(はいこうけん)は急いで駆けつけ、二人は顔を合わせ、緊張した空気が流れる。李明(りめい)は庫狄瑠璃(るり)に裴行倹(はいこうけん)を説得するよう命じる。裴行倹(はいこうけん)は必死に弁明するが、庫狄瑠璃(るり)の怒りは収まらない。彼女は裴行倹(はいこうけん)の欺瞞を非難し、紙をそっと彼の手に渡して、縁を切ることを誓う。

李明(りめい)はそれを目撃し、計画が成功したと喜ぶ。一方、裴行倹(はいこうけん)は紙を開くと、李明(りめい)が玄武門で仮乱を起こそうとしていることを知る。彼はすぐに馬に乗り、東宮に急行する。李治(りち)はそれを聞いて、翌日の正午に決行することを決めるが、庫狄瑠璃が残した微妙な手がかりには気づかなかった。

一方、庫狄瑠璃は龍袍の刺繍を急かされる。彼女は巧みに四爪の蟒袍に一爪を刺繍して五爪の龍袍に変え、衣の角に豆の字を刺繍して李治(りち)にメッセージを送る。楊貴妃(ようきひ)は監視を厳しくするが、庫狄瑠璃の策略を見破ることはできなかった。

夜が更け、庫狄瑠璃は孫徳成(そんとくせい)と小順子(しょう じゅんし)と一緒に牢獄に入れられる。彼女は自分が知っている真実をすべて明かし、紙の闇号と龍袍の秘密を明かす。3人が対策を練っている最中に、蒲巴弩(ほばど)が突然現れる。彼は裴行倹(はいこうけん)に頼まれて、李明(りめい)の背後にいる製毒師を探しに来たのだ。

翌日、李治(りち)は庫狄瑠璃が刺繍した龍袍を著て、戦いに備える。一方、李明(りめい)は玄武門に兵を集め、両軍は一触即発の事態となる。この緊迫した瞬間、李治(りち)は龍袍の豆の字の闇号に隠された意味に気づく。庫狄瑠璃の苦心と忠誠を悟る。

一方、蒲巴弩(ほばど)は牢獄での探索は実らなかったが、彼の出現は庫狄瑠璃たちに脱出の希望をもたらした。紆余曲折を経て、庫狄瑠璃たちは蒲巴弩(ほばど)が作った混乱を利用して牢獄から脱出し、李明(りめい)の製毒の陰謀を公にする。

最終的に、裴行倹(はいこうけん)と李治(りち)の協力により、李明の仮乱計画は完全に失敗し、彼は仲間と共に捕らえられた。庫狄瑠璃の知恵と勇気は、自分自身を救うだけでなく、唐の安定にも大きな貢献をした。この事件で、彼女と裴行倹(はいこうけん)の誤解は完全に解けたわけではないが、二人の関係は微妙に変化し、今後の展開に伏線を張った。

第38話の感想

第38話は、陰謀、策略、そして意外な展開が満載の、スリリングなエピソードでした。楊貴妃(ようきひ)の企みは巧妙で、裴行倹(はいこうけん)と庫狄瑠璃を窮地に追い込みます。しかし、庫狄瑠璃の知恵と勇気、そして裴行倹(はいこうけん)の忠誠心によって、彼らは危機を乗り越え、李明の仮乱を阻止することに成功します。

特に印象的なのは、庫狄瑠璃が刺繍に隠したメッセージです。これは、彼女の機転と李治(りち)への信頼の証であり、物語に深い感動を与えてくれました。また、裴行倹(はいこうけん)と庫狄瑠璃の関係にも進展が見られ、今後の展開がますます気になります。

つづく