風起花抄~宮廷に咲く瑠璃(るり)色の恋~ 第5話 あらすじ/ネタバレ
瑠璃(るり)の決意と再会
11年間、少女として身分を隠してきた庫狄瑠璃(るり)は、ついに長安の繁華街へと足を踏み入れる。賑やかな街並みは彼女に新鮮な驚きをもたらす一方で、迷いも感じさせる。そんな中、柱に貼られた裴行倹(はいこうけん)の告示が目に入る。瑠璃(るり)は四門学へ向かうことを決意し、道行く人に道を尋ねながら歩き出す。
しかし、運命のいたずらで瑠璃(るり)は庫狄家の門前にたどり著いてしまう。父である庫狄延忠(くちょくえんちゅう)は彼女をすぐに認識し、家族に迷惑がかかると心配して家に戻るよう懇願する。瑠璃(るり)は複雑な気持ちを抱えながら、珊瑚(さんご)の登場で気まずい雰囲気となり、涙を堪えてその場を去る。
途方に暮れた瑠璃(るり)は、亡き母の記憶を頼りに如意夾纈店を訪れる。店内には母が織った錦緞が展示されており、時間の証人であるかのように静かに佇んでいた。そこに安四郎(あんしろう)が現れ、直接名乗ることはなかったものの、親子の絆はすでに二人の間に芽生えていた。瑠璃(るり)は涙をこらえながら安家の技術を称賛する。
内院に入ると、そこには母との思い出が詰まっていた。母が残した跡を撫でながら、瑠璃(るり)はついに涙を流す。母が身長を測った柱には、新たな赤い線が刻まれ、それは過去との決別と未来への希望を象徴していた。
刺繍職人の阿倪(あぎ)は瑠璃(るり)の正体に気づき、安四郎(あんしろう)に伝える。安四郎(あんしろう)はすぐに外へ飛び出し、二人はついに再会を果たす。長年の思いが溢れ出し、抱き合って号泣する。
西州への旅立ち
安四郎(あんしろう)は瑠璃(るり)を家に連れ帰ろうとするが、彼女は舅の負担になりたくないという思いから、11年間の経験と母の遺言である西州への旅立ちを語る。安四郎(あんしろう)は心を痛め、外甥娘を護衛して旅に出ることを決意する。
李治(りち)と裴行倹(はいこうけん)の会談
一方、李治(りち)と裴行倹(はいこうけん)の会談は熱心に進められていた。李治(りち)は裴行倹(はいこうけん)が科挙製度を批判した藏頭詩を心配し、禍根を招くのではないかと懸念する。しかし、裴行倹(はいこうけん)は動揺することなく、科挙製度の改革を推進し、より公平公正なものにすることを望んでいると語る。二人は深く共感し、李世民(りせいみん)の病状を知らせる侍衛が現れるまで会話を続けた。
尚服(しょうふく)局の混乱
尚服(しょうふく)局では、卓錦娘(たくきんじょう)が小豆子(しょうずし)の失踪に激怒していた。孫徳成(そんとくせい)の仕業ではないかと疑い、捜索を命じるが、見つからない。皇宮では、李世民(りせいみん)の病状が皆を不安にさせていた。李治(りち)と後宮の人々は焦燥に駆られ、重苦しい空気が漂っていた。
風雲急を告げるこの時、それぞれの運命は目に見えない糸で結ばれ、大唐の栄光と哀愁を織り成していく。
第5話の感想
第5話は、瑠璃(るり)の心の葛藤と再会、そして新たな旅立ちが描かれた感動的なエピソードでした。
瑠璃が長安の街を歩くシーンは、彼女の純粋さと迷いが感じられ、とても印象的でした。また、庫狄家を訪れた際に父と再会するシーンは、複雑な感情が交錯し、見ていて胸が締め付けられました。
しかし、安四郎(あんしろう)との再会は涙なしでは見られませんでした。11年間の思いが溢れ出す二人の姿は、とても感動的でした。
また、李治(りち)と裴行倹(はいこうけん)の会談も興味深い内容でした。科挙製度の改革を望む裴行倹(はいこうけん)の熱意が伝わってきました。
尚服(しょうふく)局の混乱や李世民(りせいみん)の病状など、今後の展開が気になる要素も盛りだくさんでした。
つづく