大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~ 第11話 あらすじ/ネタバレ
夜色に包まれた大理寺の屋根の上で、李餅と謎の刺客・一枝花(ひとはな)が激闘を繰り広げる。月光に照らされた二人の姿は、まるで舞い踊るように交錯し、激しい攻防が続く。しかし、勝負はつかず、膠著状態が続く。その様子を遠くから見守っていた邱慶之は、ついに決断を下す。夜空を切り裂くように放たれた一発のロケットが、一枝花(ひとはな)に命中する。火光の中で一枝花(ひとはな)の姿は瞬く間に飲み込まれ、瓦礫の上には、冷たい輝きを放つ金属の仮面だけが静かに横たわっていた。李餅は邱慶之の蛮行を責め立てるが、邱慶之は李餅の安全を第一に考えたと弁明する。納得できない李餅だったが、今はそれどころではなく、一枝花(ひとはな)が握っていたであろう秘密を悔やむしかなかった。
大理寺に戻った一行は、一枝花(ひとはな)が残した手がかりをもとに捜査を進める。泥瓦匠殺害現場に残された紙切れには、阿裏巴巴の解読により、明鏡堂の看板に包みが隠されていることが判明する。不穏な気配を感じた一行は、李餅の帰りを待って包みを開けることにした。
李餅が包みを開けると、そこには自分が救出された後の日記が収められていた。過去の記憶がなぜ一枝花の手に渡ったのか、そしてなぜ明鏡堂に置かれていたのか、謎は深まるばかりである。陳拾は、証拠品を探している際に王七(おうしち)と明鏡堂の人々が協力してくれたことを報告する。李餅は、もし自分が捜査を続けられなくなっても、仲間たちが後を継いでくれるだろうと考える。
聖寿節を前に、大理寺は束の間の休息を迎える。李餅は陳拾の勉強が捗らない様子を見て、3日間の休暇を許可する。同時に、李稷(りしょく)が生前に邱慶之を奴隷から解放した際の文書を返還し、二人の間のわだかまりは消えた。しかし、安寧は長くは続かなかった。一枝花が瓦礫の中から奇跡的に復活し、「ゲームはこれからだ」と意味深な言葉を残して去っていく。大理寺の面々は、再び緊張に包まれる。
一方、王七(おうしち)は酔っ払った勢いで自分が大理寺少卿に昇進したと思い込み、興奮のあまり実家に手紙を送ってしまう。しかし、その手紙は誤解を生み、王七(おうしち)の両親が上京してくる事態に発展する。陳拾と遭遇した両親は、真実を知り、誤解に基づいた喜劇が幕を開ける。
阿裏巴巴は上官檎(じょうかんきん)の世話になったお礼として花束を贈り、胡四(ほし)に届けてもらう。また、陳拾が飼っている鶏は上官檎(じょうかんきん)に迷惑をかけているため、阿裏巴巴は「立ち退き」を要求する。二人が対策を練っているところに、王七(おうしち)の両親が突然現れ、身分違いの騒動はさらにエスカレートする。
李餅は皇帝の聖寿を祝うために宮中へ赴き、阿裏巴巴は陳拾を連れて聖寿節の夜市を散策する。美しく輝く提灯に魅瞭された阿裏巴巴は、屋台を買い取って励誌的な成語提灯に作り変え、科挙試験に合格することを誓う。しかし、この偶然の出会いで王七(おうしち)の嘘がばれそうになる。幸いにも、機転を利かせた一行は、善意の嘘を維持することに成功する。
宮中では、聖寿節の祝賀行事が盛大に執り行われている。胡人の舞踏は、その独特の魅力で人々の視線を釘付けにする。しかし、この華やかな舞台の裏には、何か秘密が隠されているようだ。銅仮面を被り、大げさな動作で賓客の間を練り歩く胡人たちは、邱慶之、上官璉(じょうかんれん)、李餅の前に立ち止まり、それぞれ異なる方法でメッセージを伝える。これは偶然なのか、それとも別の計画があるのか?大理寺の面々は、真相に一歩ずつ近づいていく。
第11話の感想
第11話は、緊迫感とユーモアが絶妙にブレンドされた、見応えのあるエピソードでした。李餅と一枝花の死闘は、息を呑むような迫力があり、一枝花が奇跡的に復活したことで、今後の展開がますます気になります。
一方で、王七の両親が誤解から上京してきたエピソードは、コミカルで咲いを誘いました。また、李餅が陳拾に休暇を与え、李稷(りしょく)が生前に邱慶之を奴隷から解放した際の文書を返還したシーンは、二人の関係が変化していることを感じさせ、胸が熱くなりました。
聖寿節の夜市でのシーンは、ほっこりする場面でした。阿裏巴巴が成語提灯を作りたいと意気込む姿は、彼の向上心が感じられ、応援したくなります。
宮中での胡人の舞踏は、華やかでありながらも、何か秘密が隠されているような雰囲気がありました。今後の展開が楽しみです。
つづく