大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~ 第16話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れた秦纨(しんかん)の屋敷で、血の付いた猫の足跡が発見される。

大理寺少卿李餅と上官檎(じょうかんきん)は、この奇妙な手がかりをもとに調査を開始。上官檎(じょうかんきん)は猫の足跡から手がかりを見つけようと提案するが、李餅は別の視点から、箱の底の水跡に注目する。彼は、前夜に誰かが秦纨(しんかん)のために氷を密かに届けたと推測し、それは低温で保存する必要がある物、おそらく五石散だったと考える。

そこで一行は二手に分かれる。上官檎(じょうかんきん)は明鏡堂の兄弟を連れて神都の氷庫を調査し、李餅は陳拾と共に秦府へ向かう。

上官檎(じょうかんきん)たちは氷庫の調査で苦戦する。ほとんどの店主は、秦姓の人が氷を購入したことはないと答える。しかし、一人の店主から「氷底子」の存在を知る。これは、捨てられた安価な氷のことだ。偶然にも、傘職人の杜成(とせい)は昨日、この氷底子を購入していた。しかも、彼は五石散の常連だった。この発見は、事件に新たな方向性を与える。

一方、李餅と陳拾は秦纨(しんかん)の兄である国子祭酒・秦纾(しんきゅう)の邸宅を訪れる。秦纾(しんきゅう)は弟の身に起こったことに無関心を装い、秦纨(しんかん)はすでに家を追放されており、彼の行動は自分とは無関係だと主張する。呉伯(ごはく)が客を送り出す際、李餅は呉伯(ごはく)の躊躇に気づく。巧みな話術で、彼は秦纨(しんかん)が幼い頃から兄に厳しくしつけられ、プレッシャーのあまり喫音になり、さらに不明な醜聞によって完全に家を追放されたことを知る。これらの情報は、秦纨の性格と行動の動機を理解する手がかりとなる。

同じ頃、上官檎(じょうかんきん)と阿裏巴巴は傘職人の店で事件に遭遇する。油紙傘の下には、杜成(とせい)的遺体が横たわっていた。そして、そこに現れた謎の男によって現場は混乱に陥る。幸いなことに、阿裏巴巴の機転により大理寺の同僚に連絡が行き届く。李餅が現場に到著すると、杜成(とせい)も五石散の過剰摂取で死亡していたことが判明する。さらに、秦纨に関連する借用証と、奇妙な香りのするハンカチが発見される。ハンカチは、何らかの楽器を覆うために使われたものと思われる。

崔倍(ついばい)の調査によると、杜成(とせい)はかつて画院の一員だったが、怪我をして傘職人になったという。上官檎は質屋で、女性が質入れした琴を発見する。残された房飾りが、事件の鍵となる。李餅はこの手がかりをもとに、覆面をした女性を見つけ出す。彼女は、父親の死が杜子虚(としくきょ)と一枝花(ひとはな)に関係があると疑っていることを明かす。五石散の処方は杜子虚(としくきょ)の神薬と価ており、彼女は失われた薬引子である動物の骨を探している。一枝花(ひとはな)を見つけ、真相を明らかにしたいと考えていたのだ。

一方、王七(おうしち)は鴻臚寺寺卿から、秦纨が試験中に失禁した恥ずかしい過去を聞く。この醜聞は、彼が家族に戻るという希望を完全に断ち切ってしまった。すべての情報を組み合わせると、李餅たちは複雑な絵を描き出す。秦纨は家族の承認を得るために、極端な手段に訴え、五石散の取引にも関与していた可能性がある。そして、杜成(とせい)的死は、この一連の事件のほんの一部かもしれない。調査が進むにつれて、さらに多くの隠された秘密が明らかになっていく。

第16話の感想

第16話は、謎が謎を呼ぶ展開で、最後まで目が離せない内容でした。特に、秦纨の過去が明らかになったことで、彼の行動の動機がより理解できるようになりました。また、杜成的死と五石散の関係も気になるところです。

李餅と上官檎のコンビは相変わらず息ぴったりで、事件解決に向けて著実に前進しています。特に、李餅の洞察力は鋭く、今回も重要な手がかりを発見しました。上官檎も、明鏡堂の兄弟たちと共に活躍し、事件の真相に迫っていきます。

つづく