大理寺日誌~謎を解く少卿には秘密がある~ 第21話 あらすじ/ネタバレ

大理寺少卿・李餅と助手・陳拾の捜査は、再び迷宮に陥る。徐虎(じょこ)の義父である老楊を訪ねた李餅は、陳拾に3年前の事件を明かす。西域の茲墟国が侵攻してきたが、朝廷はわずか3ヶ月で撃退した。しかし、その戦いで徐虎(じょこ)は命を落としたとされていた。

その矢先、王七(おうしち)から城門で殺人事件が発生したとの知らせが入る。死者は、金吾衛(きんごえい)から解放されたばかりの逃亡者・呉六だった。その死に様は、以前の趙如懿と酷価していた。

李餅は現場に急行し、呉六の死因が趙如懿と同じであることを確認する。これはただの偶然ではない。義荘で遺体を処理している時、陳拾は老楊が徐虎(じょこ)の遺体を自ら収容したことを思い出す。その裏には何か秘密が隠されているのではないかと疑い始める。李餅は再検死を決意し、徐虎(じょこ)の死の真相を暴こうとする。

一方、孫豹(まがたま)は徐虎(じょこ)が本当に死んだとは思っていなかった。深夜、彼は巧みに獄卒から鍵を騙し取り、停屍房に侵入する。そして、棺桶の中の遺体が徐虎本人ではないことを確認する。驚愕する孫豹(まがたま)の前に、徐虎が現れる。二人は互いの正体を明かし、過去の出来事を振り返る。

徐虎は3年前の戦場で孫豹(まがたま)を救った後、黄沙峪に戻り、神都軍の遺体と撬けられた石棺を発見したことを明かす。それは、秘密裏に何かを運搬していたことを示唆していた。徐虎は、陸蝗虫が神都で急速に台頭してきたのは、裏の勢力に対抗できる宝物を手に入れたからではないかと疑う。真相を突き止めるため、徐虎は仮死状態となり、密かに調査を進めていた。

しかし、平穏は長くは続かなかった。突如、黒ずくめの集団が老楊を襲撃し、殺害してしまう。李餅率いる明鏡堂と刑部はほぼ同時に現場に到著するが、徐虎は孫豹(まがたま)に荷物を託して姿を消す。孫豹(まがたま)は脱獄と殺人事件への関与で刑部に連行され、徐虎の行方については口を閉ざす。

刑部と大理寺の緊張関係は高まり、来鍾書は馮簡(ふうかん)に事件を金吾衛(きんごえい)に移管することを提案し、両者の対立を緩和させようとする。李餅は鋭い洞察力から、徐虎が趙如懿の妻が営む染坊に潜伏しているのではないかと推測する。そして、染坊を捜索した結果、徐虎を発見するが、すぐに馮簡(ふうかん)の手下に連行されてしまう。

馮簡(ふうかん)の言い訳に対し、李餅は孫豹から密かに渡された蜜蠟を証拠として提示し、馮簡(ふうかん)と陸城隍(りくじょうこう)の癒著を暴く。馮簡(ふうかん)は陸城隍(りくじょうこう)を密かに支援しており、真実を隠蔽するために趙如懿と呉六を殺害し、徐虎に罪を擦り付けようとしていたのだ。李餅はさらに、邱慶之に徐虎を演じさせ、馮簡を心理的に追い詰める。

一方、孫豹と徐虎は、陸城隍(りくじょうこう)が宝物を隠した箱を見つけ出す。陸城隍(りくじょうこう)との対峙の末、二人は巧みに逃げ出すが、陸城隍(りくじょうこう)は部屋の中で冷箭に射殺されてしまう。孫豹は箱を李餅と邱慶之に渡し、中には馮簡と陸城隍の分け前に関する記録が記されており、決定的な証拠となる。

最終的に、徐虎は老楊の遺体を故郷に送り返し、義父への敬意と別れを告げる。孫豹は李餅に、自分たちは陸城隍と直接対決していないことを明かし、部屋の中に第三者が存在する可能性を示唆する。この発見は、事件にさらなる謎を加えると共に、大理寺の捜査が続くことを予感させる。

大理寺日誌 第21話 感想

第21話は、謎が明かされつつも新たな展開を迎えた重要なエピソードでした。徐虎の真の目的や、馮簡と陸城隍の癒著など、これまで謎に包まれていた部分が徐々に解き明かされていく過程は非常にスリリングでした。

特に印象的だったのは、徐虎と孫豹の再会シーンです。二人が過去の出来事について語り合い、互いの信頼を再確認する場面は感動的で、二人の絆の強さを感じさせました。また、李餅が鋭い洞察力と推理力で馮簡の陰謀を暴くシーンは、まさに大理寺少卿としての彼の真骨頂と言えるでしょう。

しかし、事件は解決したように見えても、まだ多くの謎が残されています。陸城隍を射殺した第三者の存在や、馮簡と癒著していた勢力など、今後の展開が気になるところです。

つづく