大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~ 第22話 あらすじ/ネタバレ

陳拾は食材を買い出しに市場へ行く途中、塩屋の倉庫で惨殺された女性の遺体を発見する。大理寺卿・李餅は現場に駆けつけ、仵作・老白(ろうはく)から他殺であることを確認する。

死者は身元不明で、塩屋の掌柜(しょうがい)は関与を否定する。李餅は倉庫の天窓が開いており、外に梯子がかかっていることから、犯人は天窓から侵入したと推測する。陳拾は塩屋の外で血痕を発見し追跡するが、人混みに紛れて手がかりを失う。

李餅は遺体を大理寺に運び、王七(おうしち)は週辺住民に聞き込みを始める。子供たちが不気味な童謡を歌っているのを聞いた阿裏巴巴は、それが次の事件を予言しているのではないかと不安になる。

老白(ろうはく)による検視の結果、死因は失血死、手には厚い繭があり裁縫師の可能性が高いことが判明する。崔倍(ついばい)が描いた価顔絵をもとに身元が判明し、被害者は趙二娘(ちょうにーにゃん)という名の裁縫師だった。

しかし、事件はさらに複雑化する。茶屋の女主人・王婆(おうば)が裁縫師と同じ手口で殺害されたのだ。李餅は2つの事件に関連性があると判断し、合同捜査を開始する。

趙二娘(ちょうにーにゃん)の裁縫店を調べると、行方不明の息子・趙尋(ちょうじん)の存在が判明する。趙尋(ちょうじん)は逮捕され、趙二娘(ちょうにーにゃん)の息子であることを認め、賭博場の牛二(ぎゅうじ)との複雑な借金関係を明かす。

調査が進むにつれて、人身売買を行う王婆(おうば)、孤児の孫小迎(そんしゃおえい)、そして失踪した少女たちの謎が浮かび上がる。趙二娘は借金を返すために、養女の孫小迎(そんしゃおえい)を王婆(おうば)に売っていたのだ。

王婆の帳簿には取引の記録があり、李餅は王婆の隠れ家で生き残った少女・六児(りゅうあー)を発見する。六児(りゅうあー)は孫小迎(そんしゃおえい)と共に人身売買され、途中で覆面男に助けられた経験を語る。

真相が明らかになるかと思われたその時、荒野で12人の女性の遺体が発見される。彼女たちは皆、妊娠していない少女で、いわゆる“血奴”として殺害されていた。遺体の整理中に発見された刺繍の靴は、孫小迎の失踪とこの大規模殺人事件を結びつける。

血奴売買、人間の心の闇、そして罪の連鎖。大理寺の面々は前例のない困難に直面する。事件の背後に潜む黒幕は、嵐の到来を静かに見守っていた。

第22話感想

第22話は、複雑な人間関係と衝撃的な展開が続く、見応えのあるエピソードでした。人身売買という重いテーマを扱いながらも、李餅たちの息の合った捜査や、個性的なキャラクターたちの活躍で、最後まで飽きさせない内容でした。

特に印象に残ったのは、趙二娘の息子・趙尋(ちょうじん)の登場です。彼は最初は怪しい人物として描かれていましたが、実は母親を救うために苦悩する姿に同情を覚えました。また、孫小迎の勇敢さと、六児(りゅうあー)の悲惨な体験にも心を打たれました。

事件の真相が明らかになるにつれて、人間の心の闇の深さを改めて感じさせられました。しかし、李餅たちの正義感と、孫小迎や六児の希望に満ちた姿は、希望の光を感じさせてくれました。

つづく