大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~ 第28話 あらすじ/ネタバレ
夜闇に包まれた上官府は、重苦しい空気に包まれていた。上官檎(じょうかんきん)は屋敷に軟禁され、彼女の身を案じる阿裏ババは心を痛めていた。心上人を救うため、彼は上官璉(じょうかんれん)の密偵でありながらも大理寺の司直としての責務を忘れない、上官檎(じょうかんきん)に忠誠を誓う胡四(ほし)に助けを求めた。
胡四(ほし)は阿裏ババの真意を理解し、上官府の詳細な地図を描き、腰帯で自分を縛ることで彼の行動を隠蔽した。阿裏ババは夜の闇に紛れて上官府に潜入し、上官檎(じょうかんきん)の部屋へと向かった。彼はそっと窓の栓を抜き、彼女を迎え入れようとしたが、不意に頭同士をぶつけてしまう。お互い苦咲いを浮かべる二人。
脱出を図ろうとしたその時、上官璉(じょうかんれん)が部屋に現れた。上官檎は咄嗟に阿裏ババを機の下に隠す。上官璉(じょうかんれん)は言葉巧みに父娘の情に訴えるが、上官檎の心は冷め切っていた。その瞬間、阿裏ババが誤って物音を立ててしまい、上官璉に気付かれてしまう。激昂した上官璉は剣を抜き、阿裏ババを殺そうとする。しかし、上官檎は間に入り、二人の間に立ちはだかった。
その様子を見た胡四(ほし)は、必死に命乞いをする。阿裏ババも心からの想いを伝え、大理寺にいるのは上官檎のためであり、権力闘争には興味がないと訴えた。彼の真情に打たれた上官璉はついに剣を下ろし、上官檎を予め用意していた馬車に乗せて逃がすことに同意した。
しかし、馬車は予定とは異なるルートを走り、途中で黒ずくめの男たちに襲撃された。胡四は上官檎を守るために奮闘するが、命を落としてしまう。その一方で、馬車の中では、阿裏ババの策略により、上官檎は別のルートから脱出していた。
一方、李餅の捜査にも大きな進展があった。彼は廃墟となった屋敷で陳拾が残した血痕を頼りに、密室の秘密を暴いた。密室の中では、李餅と陳拾に瓜二つの男、陳九(ちんきゅう)との激しい戦いが繰り広げられた。実は、陳拾は兄である陳九(ちんきゅう)を発見し、密かに黒羅刹(こくらせつ)の拠点まで追跡していた。しかし、陳拾自身も錬丹炉に閉じ込められ、外での戦いをただ聞くしかなかった。
同じ頃、王七(おうしち)と孫豹(まがたま)は密道を通って呂清(りょせい)府に潜入し、李餅と黒羅刹(こくらせつ)の戦いを目撃した。黒羅刹(こくらせつ)は火の間に飛び跳ねていたが、衣服に火が付き、炎に包まれてしまう。絶望的な状況の中、陳拾は炉の中で助けを求めた。幸いにも、駆けつけた人々によって彼は救出された。しかし、兄の犠牲を知った陳拾は悲しみに暮れ、運命の無常さを嘆いた。
一連の事件は解決したものの、その背後に潜む複雑な勢力と陰謀は、神都に前例のない混乱をもたらした。事態の深刻さを考慮した聖上は、李餅に一時休養を命じ、老臣の推薦により来仲書を上官檎の後任に任命し、神都の安寧と秩序の回復を図った。この騒動の中で、愛、友情、親情は試され、より一層尊く、強固なものとなった。
第28話 感想
第28話では、上官檎と阿裏ババの切ない恋の行方と、李餅の活躍が描かれました。上官檎を救うため危険を顧みず行動する阿裏ババの姿は感動的でした。また、李餅は陳拾の兄である陳九(ちんきゅう)との激闘を製し、事件の真相に迫りました。しかし、この事件の背後には複雑な勢力が絡んでおり、神都は前例のない混乱に陥りました。聖上は李餅に休養を命じ、来仲書を上官檎の後任に任命しました。この騒動の中で、愛、友情、親情は試され、より一層尊く、強固なものとなりました。
つづく