大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~ 第3話 あらすじ/ネタバレ

賑やかな街角で、陳拾は不意に自分の指名手配の張り紙を見て、複雑な気持ちになる。彼は李餅に「本当にやっていない、狸猫(りびょう)も人を傷つけたりしない」と必死に訴える。世の中の裏を知り尽くした大理寺少卿・李餅は、陳拾の誠実な眼差しを見て、彼の無実を確信していた。真相を知り、陳拾の人柄を信頼する李餅は、彼に「今は風評が強い、街から離れて様子をみるのが良い」と提案する。しかし陳拾は首を横に振り、責任感の強さから「逃げるわけにはいかない、犯人を見つけなければ」と主張する。彼は大理寺に戻って潔白を証明するべきだと訴える。李餅は「今は時機ではない、まずは犯人を見つけ、あなたの潔白を証明することが先決だ」と説得する。

一方、王七(おうしち)と阿裏巴巴、孫豹(まがたま)の3人は街中を捜索するが、陳拾は見つからない。占い師の「陳拾は大理寺の役人と同行している」という言葉を聞いた3人は、他の役人が先に動いたのではないかと推測する。大理寺に戻った彼らを待っていたのは、上官檎(じょうかんきん)だった。彼は妖猫事件を軽視していたことを仮省し、明鏡堂に全面的な協力を約束する。しかし、3日以内に事件を解決するという厳しい期限も課した。

事態の緊迫さを理解した李餅は、陳拾に「小環の両親を探すには、私の言うことを聞いて目立たないように行動する必要がある」と告げる。そして、自分の官服を陳拾に貸し与える。官服を著た陳拾は、街を歩いても誰も気にする様子がなかった。小環の鈴を手がかりに、李餅は小環の両親が住んでいたと思われる場所を推測する。一行は手がかりを頼りに張氏馬房を訪れた。

張老板は小環を見ると、涙を浮かべて彼女を強く抱きしめた。彼は老顧(ろうこ)夫婦の悲惨な運命を語る。老顧(ろうこ)は張家の長工で、娘が行方不明になってから夫婦で必死に捜索していたが、妻は病死し、老顧(ろうこ)も娘を探している途中で亡くなってしまった。張老板夫婦は小環を哀れに思い、養女として引き取ったという。李餅は彼らの話を聞いて正義感を燃やし、真相を究明し、老顧(ろうこ)夫婦の無念を晴らすことを約束する。

帰路、李餅は陳拾を連れて城壁の堀へ案内する。そこは虞候が殺害された場所だった。妖猫の噂について疑問を持つ陳拾に、李餅は「世の中には妖猫などいない、人の心が恐怖を生み出すのだ。心の中にやましいことがあれば、恐怖に飲み込まれやすい」と冷静に分析する。2人が現場を調べていると、邱慶之が現れる。李餅はすぐに陳拾を前に出し、自分は後ろから様子を伺う。その瞬間、李餅の眼に一瞬不思議な光が浮かぶが、すぐに元に戻る。彼は何気ない様子で、過去の出来事を思い出しただけだと説明する。

夜が更け、李餅と陳拾は死体安置所へ忍び込み、遺体からさらなる手がかりを得ようとする。しかし、ちょうどその時に王七(おうしち)と孫豹(まがたま)が現れる。検視官・老白(ろうはく)の検死結果は衝撃的なものだった。死体には動物の爪痕と人間の傷跡があり、骨は粉砕されていた。事件の圧力が増す中、胡四(ほし)は山積みの書類を持ってきて、捜査の進捗を急かす。

家に帰った李餅は考え込む。妖猫事件の謎を解くには、3年前から遡って調べなければならないと気づく。一方、陳拾は自分の背負っていた袋を占い師の店に置き忘れたことを思い出し、2人は再び店へ向かう。遺された品物から新しい手がかりを見つけられるかもしれない。夜の闇の中、2人の姿は遠ざかり、より複雑な捜査の幕が開く。

第3話の感想

第3話は、ストーリーの展開が早く、緊張感と謎解きがうまく組み合わさっていました。陳拾の無実を信じる李餅の行動に感動し、真相を明らかにするための2人の協力関係が深まっていく様子が描かれていました。

特に印象に残ったのは、李餅が陳拾に官服を貸し与えるシーンです。李餅の陳拾に対する信頼と、事件解決への強い意誌が伝わってきました。また、老顧(ろうこ)夫婦の悲惨な運命を知った李餅の正義感が、今後の展開をさらに期待させるものでした。

一方で、邱慶之の登場は謎を残すものでした。李餅の眼に一瞬浮かんだ不思議な光は、彼の過去と何か関係があるのでしょうか。今後、邱慶之が事件にどのように関わってくるのか注目です。

つづく