大理寺日誌~謎を解く少卿には秘密がある~ 第31話 あらすじ/ネタバレ

夜闇に包まれた街。李餅の心は、風に翻弄される落ち葉のように、邱慶之との思い出へと舞い戻る。

負傷した李餅は、矢が体に突き刺さったまま、城壁を駆け巡る。邱慶之の追撃が迫り、再び矢が放たれる。李餅は地面に倒れ伏し、最後の力を振り絞って火信を放つ。それは、明鏡堂四兄弟と陳拾への救難信号だった。

駆けつけた四兄弟と陳拾は、微かな火の傍らに、李餅の顔を持つ白猫の頭部を発見し、驚愕する。しかし、王七(おうしち)はすぐに冗談を飛ばし、阿裏巴巴は首を横に振る。彼らは、事態が単純ではないことを悟っていた。

安全のため、李餅は近くの廃寺に運ばれる。一方、邱慶之は李餅の行方を捜し回る。廃寺の中では、ろうそくの明かりがゆらめき、重苦しい空気が漂う。昏睡する李餅を囲む仲間たちは、子墟国の鳳生獣伝説が真実である可能性を認めざるを得ない。王七(おうしち)は、李餅の驚異的な嗅覚が、人猫の変身能力に由来することを理解する。

崔倍(ついばい)は、李餅の変化が李稷(りしょく)の死と関連しているのではないかと推測する。事件の背後には、「一枝花(ひとはな)」と呼ばれる謎の人物が関わっている可能性が高い。泥瓦匠事件で発見された子墟文字のメモは、さらなる秘密を秘めている。陳家村で出会った金吾衛(きんごえい)の兵士が、実は「一枝花(ひとはな)」の変装だったことに、一同は衝撃を受ける。李餅が真相を隠していたのは、仲間たちを守るためだったのだ。

意識を取り戻した李餅の脳裏には、邱慶之との思い出が蘇る。3年前、奴隷の身分から逃れた邱慶之は、偶然李餅と出会う。李餅は、好奇心旺盛な邱慶之に惹かれ、子墟国の人物に興味を抱く。父の仮対で直接会うことはできなかったが、邱慶之の存在は李餅の心の空白を埋めた。

二人は様々な困難を乗り越え、絆を深めていく。李餅は、知識で邱慶之を助け、時には命を懸けて守る。しかし、邱慶之が再び窮地に陥った時、李餅は力を尽くすも、大理寺印を使用したことで父からの叱責を受ける。それでも、二人の友情は揺るがず、邱慶之は李府に残り、共に成長していく。

時が経ち、邱慶之は李餅を凌駕するほどの力を身に付ける。朝廷が子墟国討伐の兵士を募集すると、邱慶之は迷わず出徴を決意する。李餅は複雑な気持ちを抱えながらも、邱慶之の夢を応援する。

廃寺で横たわる李餅は、過去の記憶を仮芻する。邱慶之と上官璉(じょうかんれん)の会話から、この争いが想像以上に複雑であることを悟る。隠された真実が、徐々に明らかになっていく...。

第31話の感想

第31話は、李餅の過去と邱慶之との関係が明らかになる衝撃的な展開でした。李餅が猫の姿に変身できるという秘密や、邱慶之が子墟国の人物であったことなど、多くの謎が明かされ、物語が大きく前進しました。

特に印象的だったのは、李餅と邱慶之の友情です。二人は身分も立場も異なるにもかかわらず、互いを理解し、支え合っていました。李餅が邱慶之を命がけで守ろうとする姿には、胸が熱くなりました。

しかし、二人の友情は試練にさらされます。邱慶之は子墟国討伐の兵士として出徴することになり、李餅は複雑な気持ちを抱えながら見送ります。この別れが二人の未来にどのような影響を与えるのか、今後の展開が気になります。

また、李餅の変身能力の謎や、子墟国の真実など、物語にはまだ多くの謎が残されています。これらの謎がどのように解き明かされていくのか、楽しみに待ちたいと思います。

つづく