大理寺日誌~謎を解く少卿には秘密がある~ 第32話 あらすじ/ネタバレ

李餅の体調が回復に向かう中、一行は荒れ果てた寺院に身を潜め、神都の近況を分析していた。李餅は聖上の信任を得て、妖猫事件の再捜査に乗り出す予定だったが、來仲書(らいちゅうしょ)が横槍を入れ、事件を接収するだけでなく、李餅を容疑者として指名した。李餅は來仲書(らいちゅうしょ)の背後に高官がいると推測し、金吾衛(きんごえい)よりも権力を持つ永安閣が怪しいと考えた。陳九(ちんきゅう)の手紙に記された謎の花紋も、永安閣の影を指し示していた。

議論の最中、寺院の静寂を破る足音が響いた。李餅は警戒し、院に飛び出して怪しい探子を捕らえた。探子から金吾衛(きんごえい)の腰牌が見つかり、永安閣の浸透の深さが明らかになった。しかし、孫豹(まがたま)の掌打で探子は気絶し、手がかりは途絶えた。

追っ手を避けるため、一行は変装することにした。阿裏巴巴の機転で衣装を調達し、一行は市井に紛れ込んだ。一方、邱慶之は上官璉(じょうかんれん)を利用して李餅の行方を突き止めようと企んでいた。彼は上官璉(じょうかんれん)を乗せた馬車を用意し、城外で殺害しようとしたが、上官璉(じょうかんれん)は機敏に察知して飛び降り、激しい追跡戦が繰り広げられた。危機一髪のところで李餅と孫豹(まがたま)が駆けつけ、上官璉(じょうかんれん)を救出した。

安全な隠れ家で、上官璉(じょうかんれん)は衝撃的な事実を明かした。杜子虚(としくきょ)は子墟国のスパイであり、献薬を名目に神都に流出した国宝である風生獣骨を探していた。風生獣骨は神薬の材料であるだけでなく、子墟国の運命を左右する重要な存在だった。獣骨が枯渇したことで子墟国は滅亡の危機に瀕しており、李稷(りしょく)は国戦の真実を暴露したために殺害された。上官璉の過去の嘘は、永安閣の脅迫によるものだった。李餅が「一枝花(ひとはな)」の最後の秘密を問いただそうとした瞬間、ろうそくの火が消え、野猫が飛び込んできた。李餅が戻ると、上官璉は毒殺されていた。

悲憤に駆られた李餅は、上官府に潜入して手がかりを探すことにした。阿裏巴巴は花瓶の中に上官檎(じょうかんきん)が残した手紙を発見し、謎を解く重要な手がかりとなった。時間が迫る中、李餅は三手に分かれて行動することにした。黄沙峪の旧事件の真相を探るチーム、沈没船を引き揚げた漁師を探すチーム、「一枝花(ひとはな)」が探している宝物を追跡するチームだ。

一方、邱慶之は新たな秘密を手に永安閣を訪れ、「一枝花(ひとはな)」の情報を提供することで閣に入ることを要求した。閣主は快諾した。孫豹(まがたま)と阿裏巴巴は富商に扮して港に疑価餌を仕掛け、経験豊富な漁師数人を調査に協力させた。王七(おうしち)と崔倍(ついばい)は青楼の女性に変装し、代筆を生業とする劉生から情報を引き出そうとした。

李餅と陳拾は子墟国の捕虜を追跡した。捕虜は糞尿汲みとして生活しており、悲惨な状況だった。二人は捕虜の住処までついていくと、隠れている女性と子供たちを発見した。金吾衛(きんごえい)の戸籍調査を回避するため、李餅と陳拾は糞尿汲みに扮して人々を救出した。捕虜のリーダーは「一枝花(ひとはな)」の秘密を明かした。黄沙峪の戦いで暴君だった国王を射殺した青年こそが、人々を救った英雄だった。人獣の姿をした伝説は、子墟国で崇拝されている神であり、黄沙峪の戦場で棺に納められていたのはその神の遺骸であり、「一枝花(ひとはな)」が探している宝物だった。

真実が明らかになるにつれて、李餅はさらなる嵐が近づいていることを悟った。

第32話感想

第32話は、緊迫感と衝撃の展開が続く、見応えのあるエピソードでした。李餅の体調が回復し、一行が事件の真相に迫っていく様子はハラハラドキドキさせられました。特に、上官璉の死は衝撃的で、今後の展開が気になります。

一方、邱慶之の策略も巧妙で、李餅たちを追い詰めていきます。しかし、李餅たちの機転と仲間たちの協力によって、危機を乗り越えていく姿は痛快でした。

キャラクターたちの心情描写も細かく描かれており、それぞれの苦悩や葛藤が伝わってきました。特に、上官璉の過去や、李餅の上官璉に対する思いなど、心に響くシーンが多くありました。

つづく