大理寺日誌~謎を解く少卿には秘密がある~ 第6話 あらすじ/ネタバレ

聖上は朝堂で李餅を召し、鋭い視線で「なぜ大理寺の権限を使って行動したのか」と問いただした。李餅はひざまずいて、ただ事の処理を簡便にするためであり、他に意図はないと必死に説明した。聖上は怒ることはなく、李餅の父である李稷(りしょく)が不幸な事件に遭って以来、大理寺が衰退し、多くの冤罪が晴らされずにいることを意味深長に語った。そこで、聖上は李餅を大理寺少卿に任命し、大理寺の全権を委ねて、かつての栄光を取り戻すよう命じた。李餅は勅命を受け、重責を感じながらも、天命に従うしかないことを悟った。

皇宮を出た李餅は、待ち構えていた陳拾と偶然出会った。陳拾は喜びを浮かべて、聖上の慈悲により、老顧(ろうこ)らへの刑罰が軽減され、もうすぐ自由の身となり、家族と再会できると告げた。陳拾は胸のつかえが下り、兄を探す旅を続けようとしていた。李餅は行き先を尋ねると、陳拾は苦咲いしてまだ決まっていないと言い、成り行きに任せるしかないとした。

李餅は策を思いつき、陳拾に自分が大理寺少卿に就任したことを告げ、有能な助手を必要としていると語った。一緒に奇案を解決した情誼を思い、李餅は陳拾に大理寺に残り、大理寺の仕事を手伝うと共に、兄を探すことを妨げないようにと誘った。陳拾は少し考えた後、承諾した。

大理寺では、胡四(ほし)が李餅の住居を案内したが、李餅は父の誌を忘れないために元の卿の部屋に住むことにこだわった。胡四(ほし)は、李稷(りしょく)が闇殺されてから、その部屋は毎日掃除され、主人の帰りを静かに待っていたと告げた。

その時、邱慶之が突然明鏡堂に現れ、李餅に祝賀の言葉を述べた。その敬意に満ちた態度は、上官檎(じょうかんきん)を驚かせた。しかし、李餅は邱慶之の好意に感謝せず、妖猫事件のことで再び口論となった。李餅は大理寺は天下の刑獄に対して審査と再議する権利があると主張し、呂清(りょせい)事件から真相を明らかにすると決意した。

ところが、呂清(りょせい)は獄中で服毒自殺していた。知らせを受けた李餅はすぐに現場に向かった。検死官は中毒死であると確認し、李餅は呂清(りょせい)と対峙した時のことを思い出し、相手が袖で顔を隠した際にちらりと見えた白いハンカチを思い出した。

夜が訪れ、李餅は白猫の姿に変身し、屋根の上から邱慶之の一挙一動を監視していた。來鍾書が邱慶之が李餅の行動を密かに追っていることを報告し、白猫は誤って硯を落としてしまい、邱慶之の注意を引いてしまった。一連の驚險な回避の後、白猫は無事に李府に戻った。

陳拾が李府に足を踏み入れると、屋根の上で白猫が李餅に姿を変える様子を目撃し、目を丸くした。李餅は陳拾を屋根に招き、初めて自分が白猫に変身できる秘密を明かした。実は、あの夜李府が襲撃された時、李稷(りしょく)は必死に息子を守り、李餅は絶望の中で救難花火を打ち上げたものの、父親の命を救うことはできなかった。その後、李餅は生死をさまよい、目を覚ました時には猫の姿に変身できるようになっており、その時の記憶は曖昧だった。

李餅は陳拾に秘密を守るように懇願し、自分が密かに事件を追っていることを明かした。陳拾は真相を知って驚きと感動を覚え、李餅と共に謎を解き明かし、大理寺の正義と栄誉を守ることを誓った。

第6話の感想

第6話は、李餅が正式に大理寺少卿に就任し、新たな事件に挑む姿が描かれた。聖上からの期待と重責を感じながらも、李餅は持ち前の正義感と冷静な判断力で事件の真相に迫っていく。

特に印象的なのは、李餅が陳拾を大理寺に誘うシーンだ。二人は奇案を解決したことで信頼関係を築いており、李餅の誘いに対して陳拾は快く承諾する。このシーンは、二人が今後、どのような活躍を見せてくれるのか期待が高まる。

また、李餅が白猫に変身できる秘密が明らかになるのも見どころだ。李餅の過去に隠された謎が少しづつ明らかになっていくにつれて、物語はさらに深みを増していく。

つづく