大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~ 第9話 あらすじ/ネタバレ
大理寺の日常の中で、陳拾とバカ妹の友情は芽生え、成長していきます。二人は家事を分担し、洗濯や料理を一緒にし、陳拾は小さなイナゴの飾りを手作りしてバカ妹を咲顔にします。二人の関係は自然になり、親友のように何でも話せるようになりました。
一方、李餅は手がかりを追って賑やかな市場に入り、胡屠夫の肉屋に向かいます。胡屠夫は忙しそうにしていますが、李餅が父親の李稷(りしょく)のペンダントを見せると、胡屠夫は信じられない様子です。李餅が胡屠夫の過去の職業である死刑執行人について、あまり知られていない話をすると、胡屠夫は心を動かされ、李餅を裏庭に案内して話し始めます。
李餅は胡人が経営する賭博場から入手した仮面の裏の数字が、謎を解く鍵になると考えます。胡屠夫はその数字を見て表情を変え、地面に座り込み、過去の記憶を話し始めます。その数字は「一枝花(ひとはな)」という名の囚人を表しており、胡屠夫のキャリアの中で最も忘れられない存在でした。武則天(ぶそくてん)が斬首刑を廃止した時、胡屠夫は看守に転身しますが、巡回中に一枝花(ひとはな)と出会います。一枝花(ひとはな)は奇妙な言葉を話し、処刑後も奇跡的に生き残り、胡屠夫が以前言った「歯が綺麗だ」という言葉に対して、紐で繋がれた歯を握りしめ、不気味な印象を与えます。
胡屠夫は李稷(りしょく)の助けで恐怖に満ちた刑務所から脱出し、3年後にはその刑務所が謎の消失を遂げ、未解決の謎となります。
大理寺に戻ると、部屋はきれいに整理されていますが、仮面だけがなくなっています。幽霊猫の眼を通じて、仮面がバカ妹によって雀門の近くに持ち去られたことがわかります。陳拾がバカ妹と一緒に掃除をしていた時、バカ妹が仮面に興味を持ち、持ち去ってしまったのです。李餅は仮面を取り戻すと同時に、陳拾に無理をしないように忠告します。そして、バカ妹が成人していることを知り、その言動から成人式の知識があることがわかります。誰かが教えているようで、その人物は員外郎(いんがいろう)である可能性が高いです。
調査が進むにつれて、王七(おうしち)は屋根修理の職人である員外郎(いんがいろう)との確執を発見します。彼は大理寺に侵入し、バカ妹に危害を加えようとします。危機一髪の状況で、王七(おうしち)は人質になってしまいますが、陳拾の決断により事態は収拾されます。屋根修理の職人は員外郎(いんがいろう)に辱められ、復讐心を抱き、員外郎(いんがいろう)を殺害し、さらにバカ妹に危害を加えようとしたのです。事件は解決し、バカ妹は無事に済慈堂に戻ります。陳拾は寂しさを感じます。
この事件の後、李餅はチームの立て直しを決意します。王七(おうしち)は事件の再確認を怠ったため、解雇の危機に瀕しています。王七(おうしち)は納得できませんが、決定を受け入れます。一方、陳拾は事件での活躍が認められ、李餅から期待されます。李餅は陳拾に1ヶ月以内に識字量を達成することを要求し、侍従の身分から解放して明鏡堂に正式に加わり、事件の捜査に参加させます。これは陳拾の能力を認めただけでなく、彼の未来への期待でもあります。
夜が訪れ、大理寺はいつもの静けさを取り戻しますが、誰もが波乱の一日を忘れられません。彼らは、多くの困難が待ち受けていることを知っていますが、正義と真実は永遠に追求し続けるものです。
第9話「霧の中の真相」感想
第9話は、大理寺メンバーの絆、過去に囚われた者たちの苦悩、そして真実を追い求める姿が描かれた、見応えのあるエピソードでした。
陳拾とバカ妹の友情は、物語の癒しとなる要素です。家事を分担し、お互いを気遣う姿は微咲ましく、二人の絆が深まっていく様子が丁寧に描かれていました。
一方、李餅は謎解きに奔走し、過去に囚われた者たちの苦悩に触れます。胡屠夫と一枝花(ひとはな)の因縁、そして員外郎(いんがいろう)と屋根修理職人の確執など、それぞれが抱える闇が明らかになり、物語に深みを与えていました。
事件解決後、李餅がチームの立て直しを決意するシーンは印象的でした。王七(おうしち)の解雇危機、陳拾への期待など、それぞれのキャラクターの成長と未来が示唆され、今後の展開が楽しみです。
つづく