神隠し 第1話 あらすじ/ネタバレ

幽玄な彼岸で、魂の帰る道は果てしなく続いています。枯れた木にもたれかかる幽洛王・修言(しゅうげん)の耳には、小幽君(しょうゆうくん)の口ずさむ古い歌が響いています。すると、故人が静かに姿を現します。これは、彼らが何度も繰り返してきた再会の序曲です。

運命のいたずらに無力感を感じている、転生した旅人である阿音(あいん)は、王室の生活の束縛と不幸について語ります。しかし、彼女の視線は、水鏡に映る白衣の美しい神君(しんくん)に思わず移ります。彼の眉間には、解けない憂愁が刻まれています。

小幽君(しょうゆうくん)は、神君(しんくん)と女仙君の愛憎が交錯する過去をうっかり漏らしてしまいます。愛が憎しみに変わり、最終的には死別に至ったのです。神君(しんくん)は千年もの間、失われた縁を取り戻すために探し続けてきました。阿音(あいん)はそれを信じられず、もし自分が同じ立場だったら、二度と会わないと笑って言います。彼女の言葉には、真実の愛に対する疑問が透けて見えます。

時は千年前、九州八荒、三界鼎立の時代。上古神界の輝きは薄れていましたが、真神・帝眷の犠牲によって、一時的な平和が訪れました。天帝である鳳皇(ほうおう)・鳳淵(ほうえん)は仙界を統治し、梧桐島では前代未聞の盛大なイベントが開催されようとしていました。それは、2羽目の火鳳凰の涅槃です。天地開闢以来、このような異変は初めてのことでした。鳳染(ほうぜん)は、神々に盛大な宴への参加を呼びかけます。

大澤山の掌教である東華(とうか)は、天機を洞察し、この出来事は鳳淵(ほうえん)が鳳族の未来を新生火鳳凰に託そうとしていることを意味しているのではないかと推測します。そこで、彼は弟子である古晋(小火鳳凰と縁のある青年)を梧桐島に派遣します。しかし、古晋(こしん)は醉仙楼で、万儀山の弟子である霊風(れいふう)と一壺の美酒をめぐって争いになり、ほとんど仙力を使い果たしてしまいます。師侄の青雲(せいうん)が駆けつけると、古晋(こしん)は泥酔して意識を失っていました。仕方なく、青雲(せいうん)は彼を師門に連れ戻します。

一方、大澤山には新しい弟子が入門します。閑善(かんぜん)は優秀な弟子を迎え、東華(とうか)は彼に青衣(せいい)という仙号を与えます。そして、古晋(こしん)の後塵を踏まないようにと忠告します。その言葉がまだ終わらないうちに、青雲(せいうん)が泥酔した古晋(こしん)を背負って戻ってきます。東華(とうか)は苦笑いしながらも、青衣(せいい)が古晋(こしん)と一緒に宴に出席することを黙認します。

宴には三界の名士が集まり、妖族の狐の王・鴻若(ひかり)は、鳳族との縁談を企て、甥の鴻奕(こうえき)を鳳隠(ほういん)に娶らせようとします。この提案は仙界に衝撃を与えます。鴻奕(こうえき)は侮辱を受けて席を立とうとしますが、古晋(こしん)と鉢合わせになってしまいます。2人の力は暗にぶつかり合います。

孔雀王(くじゃくおう)・華默は愛娘の華姝(かしゅう)を連れて出席します。華姝(かしゅう)の美しさは会場の注目を集めますが、女仙たちの間で密かに争いが起きていました。鳳隠(ほういん)は世俗的な競争に無関心で、自由を身份の象徴よりも切望しています。

一方、九淵煞獄では、魔尊・青霖(せいりん)が蠢動しています。彼の部下である灼影(しゃくえい)は、火凰玉を奪おうとしますが、思いがけず大きな悲劇を引き起こしてしまいます。

古晋(こしん)は庭園で、霊風(れいふう)と両親を悪く言う女仙との言い争いに遭遇します。怒りに駆られた古晋(こしん)は争いに巻き込まれてしまいますが、逆に侮辱されてしまいます。鳳隠(ほういん)はそれを目撃し、同情して助けようとしますが、誤解から華姝(かしゅう)が「美救英雄」の功績を横取りしてしまいます。古晋(こしん)は華姝(かしゅう)に感謝し、火凰玉を贈ろうと誓います。

しかし、灼影(しゃくえい)の陰謀によってすべてが狂ってしまいます。古晋(こしん)の血が偶然に結界に触れたことで、鳳隠(ほういん)の仙元が崩壊し、生死不明になってしまいます。鳳淵(ほうえん)などの仙人が駆けつけたときには、すでに手遅れでした。鳳隠(ほういん)は時空の裂け目に消えてしまったようです。鳳族は激怒し、古晋を厳罰に処すことを要求しますが、鳳淵(ほうえん)は古晋の背後に隠された謎を知っており、すぐに決断することはできません。

愛憎、犠牲、救済が交錯するこの物語は、涅槃によって三界に波紋を広げ、真の運命の転換は、おそらくこれから始まるのでしょう。

第1話の感想

第1話は、愛憎と運命の絡み合った物語の幕開けでした。幽玄な彼岸で再会を果たした阿音(あいん)と神君(しんくん)。彼らの過去には、愛が憎しみに変わり、死別に至った悲しい出来事があったことが明らかになります。一方、仙界では、2羽目の火鳳凰の涅槃という前代未聞のイベントが開催され、三界の名士が集結します。しかし、その裏では魔界の陰謀が渦巻いており、悲劇が巻き起こります。

特に印象的なのは、鳳隠と古晋の出会いです。古晋は、鳳隠の両親を侮辱する女仙との争いに巻き込まれ、逆に侮辱されてしまいます。しかし、鳳隠はそれを目撃し、同情して助けようとします。誤解から華姝(かしゅう)が「美救英雄」の功績を横取りしてしまいますが、古晋は華姝に感謝し、火凰玉を贈ろうと誓います。しかし、灼影(しゃくえい)の陰謀によってすべてが狂ってしまい、鳳隠は生死不明になってしまいます。

この出会いは、二人の運命を大きく変えることになるでしょう。古晋は、鳳隠を救うために火凰玉を探す旅に出るかもしれません。また、鳳隠の死は、三界に大きな波紋を広げることになるでしょう。

つづく