神隠し 第7話 あらすじ/ネタバレ
古晋(こしん)と阿音(あいん)は、晨敏(ちょうびん)姫君に使命を伝えるため、帰墟山へと足を踏み入れる。しかし、乾坤袋に隠れていた鴻奕(こうえき)が突然現れ、晨敏(ちょうびん)の生誕樹を破壊しようと怒りを露わにする。かつて天后白芷(はくし)に裏切られ、両親を失った復讐のためだ。
衝突が起きそうになった瞬間、古晋(こしん)は族徽を見せ、晨敏(ちょうびん)の怒りは少し収まった。阿音(あいん)の説得もあり、晨敏(ちょうびん)は過去のわだかまりを解き、火鳳仙元を授ける。繁華が失せた後、数百年間も帰墟を守ってきた元仙族の姫君にとって、族徽の帰還は心の慰めとなった。
しかし、族徽が石碑に入った瞬間、乾坤が変化し、灼影(しゃくえい)が混乱に乗じて古晋(こしん)と阿音(あいん)を閉じ込めようと企む。三人は協力して魔修と戦い、宴爽(えんそう)も乾坤袋から飛び出し、陣の眼を探して脱出方法を探る。
だが、その最中に灼影(しゃくえい)は阿音(あいん)を連れ去り、火凰玉と交換することを要求する。古晋(こしん)は灼影(しゃくえい)の正体が、かつて小火鳳の仙元を奪った影であることを見抜く。阿音(あいん)も、今回の旅が魔族の罠だったことに気づく。族徽の出現は、魔物を帰墟に誘い込むための餌だったのだ。
古晋(こしん)は一時的に妥協し、灼影(しゃくえい)の油断を誘う。そして、阿音を救い出すと、混沌の血で古帝剣を操り、魔物を撃退して危機を回避する。鴻奕(こうえき)は阿音に狐血丹を贈るが、これは表面上は傷を癒すためだが、実際には絆を深めるための裏心があった。鴻奕(こうえき)は阿音への想いを率直に伝え、古晋(こしん)に勝負を挑む。公平に競い合いたいというのだ。古晋(こしん)は淡々と答え、華姝(かしゅう)姫君を想っていることを明かす。それを聞いた阿音は、複雑な気持ちになる。
灼影(しゃくえい)は傷を負って青霖(せいりん)のもとへ戻り、火凰玉の封印が解かれたことを報告する。青霖(せいりん)は九尾狐の肉体を手に入れて転生することを望んでおり、弑神花を宿している鴻奕(こうえき)が第一の標的となる。一行はすぐに大澤山へ向かい、古晋(こしん)も鴻奕(こうえき)の治療のために同行する。
旅の途中、仙力が不足した阿音は、妖界で休息を取ることを提案する。鴻若(ひかり)は弟を探しに行くが、逆に怪我をしている鴻奕を見つける。そこで、内力の手首輪を贈り、密かに鴻奕体内の弑神花の毒を引き受ける。
青霖(せいりん)は鴻奕を襲うことに失敗し、今度は鴻若(ひかり)を標的にして、仙妖の争いを引き起こそうとする。古晋(こしん)と阿音は山に戻り、閑善(かんぜん)と閑竹(かんちく)が出迎える。二人は鴻奕の正体を知っている様子だ。
嫌疑を避けるために、閑竹(かんちく)は鴻奕に隠妖符を贈る。これは彼を守るだけでなく、仙門への好感を持たせるためでもある。
瀾沣(らんふう)天帝は魔族が火凰玉に関与していることを知り、妖界に使いを送り、共に魔族に対抗しようと提案するが、妖皇林森(りんしん)は冷たくあしらう。鴻若(ひかり)だけが青霖(せいりん)の死を疑うが、誰も本気にしない。
宴会の席で、閑善(かんぜん)は古晋(こしん)が傘を贈ったことをからかう。阿音は不機嫌になり、席を離れる。鴻奕は化身して阿音を喜ばせようとするが、双修の誘いを断られてしまう。阿音は、まだ卵から孵っていない妹の阿羽(あう)のことを心配している。古晋は兄に凝雲山の所在を探してもらい、阿羽(あう)の化身を助けてもらうことにする。閑竹(かんちく)は旧知の南天府主に頼んで、古籍を借りることを約束する。
阿音は鴻奕の治療で消耗しているため、古晋は気遣って果物を届ける。そして、心の中では陰火陽冰を探して鴻奕の苦しみを和らげ、阿音の負担を減らそうと計画している。三人はそれぞれ思いを抱えながらも、互いに支え合い、心の奥にある真摯さと温もりに近づいていく。
第7話感想
第7話は、怒涛の展開と複雑な人間関係が描かれた回だった。特に印象に残ったのは、晨敏(ちょうびん)姫君の心の変化だ。かつての仙族の姫君でありながら、数百年間も孤独に帰墟を守ってきた彼女は、族徽の帰還によってようやく心の安らぎを得たように見えた。しかし、その直後に乾坤が変化し、魔族との戦いに巻き込まれてしまう。
また、鴻奕の登場も衝撃的だった。かつて天后白芷(はくし)に裏切られ、両親を失った彼は、復讐のために火凰玉を狙っていたのだ。しかし、古晋との戦いを経て、彼は徐々に変わっていく。阿音への想いを告白し、公平に競い合いたいと宣言する姿は、復讐に囚われていた頃とは明らかに違う。
一方で、阿音の気持ちは複雑だ。古晋への想いと、鴻奕への同情、そして妹の阿羽(あう)への心配が入り混じっている。そんな彼女に、鴻奕は狐血丹を贈る。これは表面上は傷を癒すためだが、実際には絆を深めるための裏心があるようだ。
つづく