山河之影 錦衣衛(きんいえい)と謀りの王朝 第3話 あらすじ/ネタバレ

十年前

闇闇の牢獄の中で、少年李霧(り・む)は囚室の鍵を開けようと試みる。しかし、失敗に終わり、視線は同じ牢に囚われている少女舒棠(しょ・とう)の髪に飾られた簪に注がれる。李霧(り・む)は鍵開けに簪を使おうとするが、舒棠(しょ・とう)は亡き父の遺品だと拒否する。

現在

王克恭(おう・こくきょう)の屋敷で、李霧(り・む)と舒棠(しょ・とう)は再び出会う。紆余曲折を経て、舒棠(しょ・とう)は李霧(り・む)が盗んだ貴重な翡翠を一時的に没収し、門番をすることで一時的な平穏を手に入れる。その後、宝物を返還する。しかし、この一連の出来事は、李霧(り・む)を追跡してきた陸铮(りく・そう)に目撃されてしまう。陸铮(りく・そう)は血痕から舒棠(しょ・とう)が落とした忍び装束を発見し、屋敷の侍女たちの装いにも疑念を抱く。

李霧(り・む)は舒棠(しょ・とう)が眠っていると思い込み、翡翠を取り戻そうと近づこうとするが、舒棠(しょ・とう)は起きており、李霧(り・む)を襲おうとする。危機一髪、李霧(り・む)は自分の正体を明かし、盗んだ財宝と引き換えに命を助け、王克恭(おう・こくきょう)の屋敷から逃がしてくれるよう頼む。二人がもみ合っているうちに、舒棠(しょ・とう)は李霧(り・む)の首の後ろにある刀傷を見つけ、二人が牢獄で同じ囚人だったことに気づく。李霧(り・む)も、舒棠(しょ・とう)の髪に飾られた簪を見て、一緒に囚われていた頃の記憶が蘇る。

一方、陸铮(りく・そう)は屋敷内で捜査を行い、侍女たちを一人一人調べたが、何も見つからなかった。その後、陸铮(りく・そう)は鎮撫司に戻り、人手を集めて王克恭(おう・こくきょう)の屋敷に向かうことを決意するが、部下から抵抗を受ける。陸铮(りく・そう)と部下が対峙していると、陸羽林(りく・うりん)が現れ、王府の私事は鎮撫司の管轄外だと断言する。陸铮は諦めきれず、李東方(り・とうほう)と夜不収(やふしゅう)の癒著を暴露するが、陸羽林(りく・うりん)は本心は洪武(こうぶ)旧案を探ろうとしているだけだと皮肉を言う。陸铮は生きている限り真相を究明すると誓い、怒って立ち去る。

翌日、李霧は西の塀の破れ目を使って王府を抜け出し、家に帰り、意識不明の李東方(り・とうほう)を揚州に向かう船の船艙に隠す。荷物をまとめ、遠くへ逃げようとする李霧だったが、旧情を捨てきれず、傷薬を持って王府に戻る。陸铮は李霧を尾行し、米蔵まで追跡する。陸铮の追及に李霧は否認し、二人は激しく戦い始める。李霧が捕まえられそうになった瞬間、謝鏗然(しゃ・こうぜん)が突然現れ、米蔵の扉を閉めてしまう。

夜になり、李霧は必死に鍵を開けようとするが、逆に陸铮に米蔵の中に閉じ込められてしまう。陸铮は窒息寸前の王克恭(おう・こくきょう)を救出し、謝鏗然(しゃ・こうぜん)に鎮撫司に援軍を求めるように命じ、自分は屋敷に残る。

米蔵の中では、舒棠(しょ・とう)は李霧が錦衣衛(きんいえい)を連れてきたと思い込み、絶望のあまり米蔵を開けて逃走しようとする。李霧は突然押し寄せてきた米の洪水に飲み込まれ、両手で傷薬を掲げてなんとか助かろうとする。舒棠はそれを目撃し、同情して縄を切り、李霧を救出する。舒棠の話から、李霧は彼女と夜不収(やふしゅう)の千総(せんそう)である李千総(せんそう)との複雑な関係、そして彼女の首の後ろにも牢獄の烙印である刀傷があることを知る。二人の間には、言葉では言い表せないような共通の思いが芽生える。

一方、王克恭(おう・こくきょう)は陸铮に過去の出来事と故人、そして魚瞑鎖(ぎょめいさ)の謎について語る。そのとき、李霧は窓から二人の会話を盗み聞きし、自分が持っているものがまさに皆が探している魚瞑鎖(ぎょめいさ)であることに気づく。

米蔵の中では、舒棠は魚瞑鎖(ぎょめいさ)を受け取り、翡翠を李霧に返す。李霧は機転を利かせて、舒棠と協力することを提案する。李霧は舒棠が密文の在りかを探すのを手伝い、舒棠は夜不収(やふしゅう)の力を借りて錦衣衛(きんいえい)の記録庫から李霧が必要なものを盗み出す。舒棠は承諾し、二人は互いに協力し合うことを約束する。

陸铮は王克恭の指示に従い、特別製の鍵を使って位牌の底を開けるが、中には何も入っていなかった。位牌をひっくり返すと、裏に「宋鶴鳴(そう・かくめい)」という文字が刻まれているのが見つかり、事件はさらに謎を深める。

第3話の感想

第3話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。李霧と舒棠の過去が明らかになり、二人の間に複雑な関係が生まれます。また、陸铮と李東方(り・とうほう)の対立が激化し、事件の真相に迫る手がかりが得られます。

特に印象に残ったのは、李霧と舒棠の牢獄でのシーンです。二人は囚人として同じ時間を過ごしたことで、強い絆で結ばれていることがわかります。しかし、舒棠は夜不収(やふしゅう)の千総(せんそう)である李千総(せんそう)との関係もあり、李霧との関係は複雑なものとなっています。

また、陸铮と李東方(り・とうほう)の対立も目が離せません。陸铮は李東方(り・とうほう)の不正を暴こうとしますが、李東方(り・とうほう)は権力を使って陸铮を妨害しようとします。二人の対立は、事件の真相を解き明かす鍵となるでしょう。

つづく