山河之影 錦衣衛(きんいえい)と謀りの王朝 第9話 あらすじ/ネタバレ
鍾楼の秘密
張俊清(ちょう·しゅんせい)は袁忠道(えん·ちゅうとう)に、歴史の闇に葬られた秘密を明かす。『格言聯璧』は、洪武(こうぶ)年間に獄中で陳継真という百戸が、謎の組織「夜不収(やふしゅう)」と密かに連絡を取るために用いていたものだった。陳継真は名目上は看守だが、囚人と変わりなく、権力を持つ陸羽林(りく・うりん)親子への深い恨みを抱いていた。二人は話し合い、李霧(り・む)の無所属の立場と陳継真が持つ機密文書を利用して、李霧(り・む)に北平(ほくへい)への軍需品の輸送を監督させるという重要な任務を託す。
十年前の真相
十年前の獄中、陳継真は部下を率いて、少年時代の陸铮(りく・そう)、李霧(り・む)、舒棠(しょ・とう)を捕らえる。宋鶴鳴(そう・かくめい)は陸铮(りく・そう)を逃がすために陳継真に懇願し、自分だけが罪を負うと申し出る。しかし、陳継真は心を動かされることなく、宋鶴鳴(そう・かくめい)が逆党と結託し、死刑囚を密かに解放した罪を記した「無常簿」を見せ、陸铮(りく・そう)の名前も挙げる。激怒した宋鶴鳴(そう・かくめい)は自らの腕を切り落とし、陳継真の子分を牽製し、三人に逃げる時間を稼ぐ。
李霧(り・む)の怒り
翌日、李霧(り・む)は錦衣衛(きんいえい)が鶏鵝巷の住民を乱暴に連行する様子を目撃し、盗み聞きした会話から、それが陸铮(りく・そう)の命令によるものだと知る。王孱(おう さん)は、司向南(し・きょうだん)に賄賂を贈っているにもかかわらず昇進できずに苦しんでいたが、陸铮(りく・そう)が策を授ける。王孱(おう さん)が錦衣衛(きんいえい)を連れて去った後、李霧(り・む)は茶壺を使って陸铮を奇襲し、気絶させる。
陸铮の弁明
目を覚ました陸铮は、李霧(り・む)に捕らえられていることに気づく。李霧(り・む)の問いに、陸铮は自分の命令がなければ、これらの住民は前線で苦役を強いられることになると説明する。李霧(り・む)は王克恭(おう・こくきょう)の遺言を理由に、長年旧事件を追っており、鶏鵝巷に李霧(り・む)の親族が隠れているのではないかと疑い、調査に来たと主張する。怒った李霧は陸铮が無実の人々を逮捕していると非難するが、陸铮は李霧を側に置いて一緒に捜査することを提案し、二人は手を打って誓う。
王孱(おう さん)の企み
一方、王孱(おう さん)の一味は「夜不収(やふしゅう)」に扮して住民を救出しようとするが、陸铮に見破られ、逮捕されてしまう。王孱(おう さん)は慌てて自分の身分を明かすも、陸铮は「無常簿」に記された王孱の偽装と住民への圧迫を理由に仮撃する。
舒棠(しょ・とう)の危機
一方、舒棠(しょ・とう)は二日酔いで目を覚ますと、教坊司にいることに気づく。錦衣衛(きんいえい)が「夜不収(やふしゅう)」が教坊司に潜入したという情報を得てやってくる。唐昱(とう いく)の軽薄な態度に直面した舒棠(しょ・とう)は、自分が「夜不収(やふしゅう)」だと自白する。幸いにも唐昱(とう いく)が舒棠(しょ・とう)の身元を認識していたため、彼女は解放される。
李霧の決意
鎮撫司で、李霧は司向南(し・きょうだん)が王克恭(おう・こくきょう)の家の物品を敵に通じた証拠としてあっさり提出したり、家書を歪曲して情報として扱うことに不満を抱く。陸铮の登場はさらに緊張を高め、彼は司向南(し・きょうだん)も逆党と関係があると疑うが、部下からは冷たくあしらわれる。李霧は状況を察し、介入して「無常簿」の秘密情報を使って司向南(し・きょうだん)の正体を暴き、危機を回避することに成功する。しかし、陸铮の頑固さと不信感は李霧を失望させ、李霧は去ることを決意する。
新たな始まり
夜になり、李霧は自宅で唐昱(とう いく)に陸铮の身元について尋ね、陸铮が鶏鵝巷の孤児だと主張していることを知る。部屋に戻ると、李霧は舒棠(しょ・とう)と過去の話をし、舒棠(しょ・とう)は李霧の言葉から真実を察する。
翌日、陸铮は傘をさして庭に現れ、李霧と舒棠(しょ・とう)は肩を並べて出て行く。彼らを待っていたのは、陸铮が購入したこの屋敷を彼らの住居とするという契約書だった。ただし、条件は毎月二両の銀を支払うか、家事を手伝うことだった。この行動は、三人の複雑な関係の新しい章の始まりを予感させる。
第9話の感想
第9話は、山河之影 錦衣衛(きんいえい)と謀りの王朝の物語が大きく動き出す重要な回でした。歴史の闇に葬られた秘密が明らかになり、各キャラクターの思惑が交錯し、新たな展開が期待されます。
特に印象的だったのは、李霧と陸铮の複雑な関係です。二人は互いに疑心闇鬼でありながら、協力せざるを得ない状況に置かれています。李霧の正義感と陸铮の冷酷さは、対照的でありながら、どこか共感できる部分もあります。二人の関係が今後どのように変化していくのか、注目です。
また、舒棠(しょ・とう)の活躍も見逃せません。彼女は機転を利かせて危機を回避し、李霧を支える存在として重要な役割を果たしています。舒棠(しょ・とう)の過去や、李霧との関係にも今後明らかになることが期待されます。
つづく