三国誌 秘密の皇帝 第32話 あらすじ/ネタバレ
曹操(そうそう)は郭嘉(かくか)を訪ねた際、彼の手に傷跡があることに気づき、心を痛めた。彼は郭嘉(かくか)に労いの言葉をかけ、許昌に戻ったら休養させると約束する。郭嘉(かくか)は感謝しつつ、官渡(かんと)の戦いの勝利は劉平(りゅうへい)の助けがあってこそだと曹操(そうそう)に伝える。曹操(そうそう)は劉平(りゅうへい)の功績に感謝しつつも、彼の忠誠心に疑念を抱く。
郭嘉(かくか)は曹操(そうそう)の迷いを解くため、劉平(りゅうへい)の変化について語り、許褚を許したように天子にも寛容さを示すよう促す。曹操(そうそう)は許褚を許したのは彼の底が知れず、側に置いて禍根となることを恐れたからだと説明し、天子に関しては自ら掌握することで、ここ2年の情勢の変化を補う必要があると語る。
一方、曹丕(そうひ)は無事に曹植(そうしょく)のもとへ帰還する。曹丕(そうひ)は王越(おうえつ)の隙をついて逃げ出したと説明し、曹植(そうしょく)はそれを信じる。曹植(そうしょく)は母である曹夫人(そうふじん)が軍営に到著したことを曹丕(そうひ)に伝える。しかし、曹丕(そうひ)は曹夫人(そうふじん)と対面した際、激昂し、兄を殺害した黒幕が母であると責める。曹夫人(そうふじん)は自分の行動に非はないと主張するが、息子の言葉に心を痛める。そして、曹操(そうそう)が曹丕(そうひ)を好まないのは彼が寵愛を求めないからではなく、家督を継ぎ乱世を終わらせる英雄の気概を見せないからだと告げる。
同じ頃、司馬懿(しばい)は唐瑛(とうえい)を見舞った後、劉平(りゅうへい)のもとを訪れ、曹操(そうそう)との戦いを諦めて手を組んだことを批判する。劉平(りゅうへい)は天下の安寧と犠牲者の減少を願っての決断だと説明するが、司馬懿(しばい)は漢室復興の希望を放棄したに等しいと仮論する。最終的に、司馬懿(しばい)は唐瑛(とうえい)を連れて劉平(りゅうへい)のもとを去る。
夜、司馬懿(しばい)が出発する際、劉平(りゅうへい)は彼を見送る。立場は違えど、兄弟の情は残っている。二人は別れを惜しみ、これが永遠の別れになるかもしれないと互いに理解していた。曹丕(そうひ)は二人の様子を目撃し、司馬懿(しばい)の出発が劉平(りゅうへい)と深く関わっていることを知る。しかし、彼は何も言わず、許昌に戻れば立場が変わることを劉平(りゅうへい)にだけ伝える。
その後、曹丕(そうひ)は王越(おうえつ)との剣術の練習中に、王服(おうふく)の死が天子と関係があるとほのめかし、王越(おうえつ)を怒らせようとする。一方、任紅昌(じんこうしょう)は曹操(そうそう)への復讐心を捨てきれず、この殺戮と陰謀に満ちた場所を去る決意をする。彼女は郭嘉(かくか)に胸の内を明かし、二人の間に言葉では言い表せない感情が芽生える。
袁紹(えんしょう)が病死したことを受け、曹操(そうそう)はすぐに鄴城を占領する。崔琰(さいえん)らは抵抗できず、降伏を選択する。曹操(そうそう)は鄴城を占領する際、一代の英雄としての度量を見せる。彼は民心を掴むため、鄴城の住民の1年間の税を免除することを約束する。同時に、袁紹(えんしょう)の逃亡した子息が烏桓(うがん)と手を組んで中原に侵攻するのではないかと懸念を示す。
一連の出来事の中で、劉平(りゅうへい)は常に冷静な頭脳と揺るぎない信念を持ち続ける。彼は自分の使命と責任の重大さを自覚し、天下の安寧のために努力することを決意する。伏寿(ふくじゅ)は曹操(そうそう)に道義と初心を貫くよう促し、同じ道を歩む者同士の絆を深める。
第32話の感想
第32話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。曹操(そうそう)と劉平(りゅうへい)の確執、曹丕(そうひ)と曹夫人(そうふじん)の確執、そして司馬懿(しばい)と劉平(りゅうへい)の決別など、様々な人間模様が描かれました。
曹操(そうそう)は、郭嘉(かくか)の言葉によって劉平(りゅうへい)への疑念を深め、劉平(りゅうへい)は曹操(そうそう)との戦いを諦めて手を組むという苦渋の決断を下します。一方、曹丕(そうひ)は曹夫人(そうふじん)の真の姿を知り、衝撃を受けます。また、司馬懿(しばい)は劉平(りゅうへい)の決断に失望し、彼のもとを去ります。
このエピソードでは、それぞれのキャラクターが自分の信念と葛藤に苦悩する姿が描かれています。曹操(そうそう)は天下統一という野望と劉平(りゅうへい)への疑念の間で揺れ動き、劉平(りゅうへい)は漢室復興という使命と曹操(そうそう)との共存という現実の間で苦悩します。曹丕(そうひ)は母親への愛と憎しみの間で葛藤し、司馬懿(しばい)は漢室への忠誠と劉平(りゅうへい)への友情の間で苦悩します。
つづく