三国誌 秘密の皇帝 第38話 あらすじ/ネタバレ
夜闇に包まれた中、劉平(りゅうへい)は懸命に任紅昌(じんこうしょう)を治療するが、血は止まらない。彼は伏寿(ふくじゅ)に無力さと悲しみをにじませ、「紅昌、もはや助からないかもしれない」と告げる。郭嘉(かくか)が駆けつけ、その様子に心を痛め、任紅昌(じんこうしょう)を抱きしめ、涙と悲鳴が交錯する。任紅昌(じんこうしょう)は最後の力を振り絞って郭嘉(かくか)を慰め、「彼らを許してあげて。彼らは私に温もりと希望を与えてくれた」と言い残し、息を引き取る。郭嘉(かくか)は悲痛に暮れ、まもなく彼女の後を追うと誓い、血を吐き、身体はぐらつく。
劉平(りゅうへい)は伏寿(ふくじゅ)に薬を取るよう命じるが、伏寿(ふくじゅ)は冷寿光(れいじゅこう)を探している時に彼が重傷を負っていることに気づく。冷寿光(れいじゅこう)は最後の力を振り絞って、華佗(かだ)の医学書である「青囊書」を伏寿(ふくじゅ)に託し、「あなたの名前を呼んでもらえて嬉しい」と満足そうに微咲み、息を引き取る。
一方、曹植(そうしょく)は荒野で曹丕(そうひ)と王越(おうえつ)の遺体を発見し、曹丕(そうひ)に問い詰めるが、曹丕(そうひ)は放心状態で何も答えず、王越(おうえつ)の冷たい遺体を残して立ち去る。劉平(りゅうへい)と伏寿(ふくじゅ)は王越(おうえつ)の闇殺事件について話し合い、これは曹操(そうそう)を陥れるための策略であると推測する。伏寿(ふくじゅ)は奇妙に思うものの、曹丕(そうひ)を疑うことはない。劉平(りゅうへい)は黒幕が近くにいると忠告する。
曹丕(そうひ)は不穏な心で郭嘉(かくか)を見舞うが、表面上は気遣っているように装う。郭嘉(かくか)は病床に伏しながらも人心を見抜き、曹操(そうそう)が真実を知れば曹丕(そうひ)を許さないだろうと示唆する。曹丕(そうひ)は剣の柄に手をかけ、躊躇するが、結局手を下すことができず、静かに立ち去る。曹操(そうそう)は郭嘉(かくか)の容態を尋ね、劉平(りゅうへい)は正直に答える。曹操(そうそう)は守衛が配置換えされた事件を徹底的に調査すると誓う。郭嘉(かくか)と曹操(そうそう)は密談し、曹丕(そうひ)は外で不安そうに秘密が漏れるのではないかと心配する。
劉平(りゅうへい)が家に帰ると、伏寿(ふくじゅ)は郭嘉(かくか)の容態を気にしており、余命がないと聞くと心配する。彼女は郭嘉(かくか)が臨終前に劉平(りゅうへい)の秘密を漏らすのではないかと心配するが、劉平(りゅうへい)は郭嘉(かくか)の忠誠心と知恵を称え、卑怯な考えで彼を疑うことはしないと答える。
曹丕(そうひ)は王越(おうえつ)の遺言に浸り、涙を浮かべる。そこに曹操(そうそう)が呼びに来る。劉平(りゅうへい)は外の動きを観察し、郭嘉(かくか)の選択に不安を覚え、心中で推測する。彼は郭嘉(かくか)のもとを訪れ、盧龍の件を尋ねる。郭嘉はあっさりと、敵を欺くための策略だったと認める。彼は酒を酌み交わしながら、劉平(りゅうへい)の誌に賛同し、生きている間に曹操(そうそう)が天下を統一するのを助けると決意する。
司馬懿(しばい)は前線の情報から劉平(りゅうへい)の危機を知り、唐瑛(とうえい)は曹操(そうそう)の帰還後の粛清を心配する。楊修(ようしゅう)は伏完(ふくかん)を訪ね、曹操(そうそう)が烏桓(うがん)遠徴に出た隙に鮮卑(せんぴ)と協力して盧龍を奪還し、漢室を復興させようと提案する。伏完(ふくかん)は劉平(りゅうへい)の安否を心配するものの、楊修(ようしゅう)の説得を受け、決断する。楊修(ようしゅう)は、これは郭嘉や司馬懿(しばい)との個人的な争いの延長線上にあるが、漢室を助ける良い機会だと明言する。
郭嘉は自分の余命が尽きていることを悟り、曹節(そうせつ)と密会して後事を託す。彼は、胡軍が隙を突いて攻めてくるのを防ぐために、自分の死を秘密にすることの重要性を強調する。また、軍略と劉平(りゅうへい)の身元の謎を記した錦囊を2つ残し、万一の事態に備える。劉平(りゅうへい)が駆けつけ、郭嘉と最後の別れをする。2人は互いに敬意を表し、英雄同士の惜別を表現する。郭嘉は病を押して軍務を続け、最期まで劉平(りゅうへい)は黙って見守り、郭嘉に最後の尊厳と安寧を与える。
第38話感想
第38話は、悲しみと緊迫感に満ちた展開が印象的な回でした。任紅昌(じんこうしょう)の死は、郭嘉と劉平(りゅうへい)の心に大きな傷を残し、今後の彼らの行動にも大きな影響を与えそうです。また、曹丕(そうひ)の企みはますます巧妙になり、曹操(そうそう)の信頼を得るために手段を選ばない様子が伺えます。
特に印象に残ったのは、郭嘉の最期です。彼は病に侵されながらも、劉平(りゅうへい)のために最後まで尽力し、劉平(りゅうへい)の誌に賛同した姿は感動的でした。また、曹操(そうそう)との密談では、自分の死を秘匿して劉平(りゅうへい)を守るよう曹節(そうせつ)に託すなど、彼の忠誠心と知恵の深さを改めて感じさせられました。
一方、曹丕(そうひ)は郭嘉の死を利用して曹操(そうそう)の信頼を得ようとしているように見えます。王越(おうえつ)の遺言を利用して曹操(そうそう)の疑心を煽るなど、狡猾な手段を用いており、今後の展開が気になります。
つづく