三国誌 秘密の皇帝 第46話 あらすじ/ネタバレ
忠義の狭間
夜の帳が下りる中、楊彪(ようひょう)の屋敷は灯火に包まれていた。彼は伏完(ふくかん)、盧毓(ろいく)ら重臣たちを招き、劉平(りゅうへい)の今後について話し合おうとしていた。しかし、息子の楊修(ようしゅう)は時局の危うさを理由に、他の重臣たちを先に帰してしまう。
楊修(ようしゅう)は劉平(りゅうへい)が従わないことで楊家が苦境に陥っていると直言し、曹操(そうそう)に降伏して楊家の安全を確保するよう父親に強く勧める。楊彪(ようひょう)は息子の不忠と不孝に激怒し、楊修(ようしゅう)を追い出す。楊修(ようしゅう)は去り際にも、衰退する漢室に従うのは将来性がないと説得を試みる。
一方、伏寿(ふくじゅ)は薄闇い部屋で、献帝(けんてい)が亡くなる前に託された衣帯詔を荀彧(じゅんいく)に手渡す。涙ながらに献帝(けんてい)の死の真相を明かす伏寿(ふくじゅ)。荀彧(じゅんいく)は衝撃を受けながらも、衣帯詔の重要性を理解する。しかし、伏寿(ふくじゅ)と劉平(りゅうへい)の叔嫂関係が障害となるのではないかと懸念する。
伏寿(ふくじゅ)は劉平(りゅうへい)の安全を確保するため、自分の命を犠牲にすることを決意し、荀彧(じゅんいく)に劉平(りゅうへい)を助けてくれるよう懇願する。荀彧(じゅんいく)は涙ながらに承諾する。二人が話し合っている最中、劉平(りゅうへい)が部屋に入り、二人の会話を聞いてしまう。
曹丕(そうひ)は曹操(そうそう)に、天子から荀彧(じゅんいく)が宮殿に招かれたことを報告し、荀彧(じゅんいく)が裏切るのではないかとほのめかす。曹操(そうそう)は荀彧(じゅんいく)との長年の友情を信頼しているものの、郭嘉(かくか)の件で警戒心を抱き、荀彧(じゅんいく)に直接会うことに決める。その頃、唐瑛(とうえい)が曹操(そうそう)に面会を求め、曹丕(そうひ)はそれを承諾し、唐瑛(とうえい)に司馬懿(しばい)に早急に自白させるよう密かに指示する。
荀彧(じゅんいく)に会った劉平(りゅうへい)は、世間の誤解があっても、伏寿(ふくじゅ)を見捨てずに一緒に苦難を乗り越えていくという強い決意を表明する。彼の言葉には、伏寿(ふくじゅ)への深い愛情と責任感が込められており、場にいた人々は皆感動する。しかし、現実の厳しさから、劉平(りゅうへい)は曹操(そうそう)に禅位するという苦渋の決断を提案する。伏寿(ふくじゅ)は、これではこれまでの努力が無駄になると強く仮対する。劉平(りゅうへい)は曹操(そうそう)の能力があれば民衆を救うことができると説得を試みるが、内心は葛藤に満ちている。
荀彧(じゅんいく)は司馬懿(しばい)の救出に尽力することを約束し、劉平(りゅうへい)に軽率な行動をしないよう忠告するが、劉平(りゅうへい)は一刻も早く行動を起こしたいと焦っている。荀彧(じゅんいく)が寝殿から出ていくと、曹操(そうそう)が待っていた。二人は言葉を交わし、曹操(そうそう)は荀彧(じゅんいく)の立場が変わったことに気づき、長年の友情が壊れたことに心を痛める。
曹丕(そうひ)は唐瑛(とうえい)を連れて司馬懿(しばい)を訪ねる。司馬懿(しばい)は全身に傷を負っているにもかかわらず、気骨を失っていない。司馬懿(しばい)は唐瑛(とうえい)に家事を託し、新しい住居を用意させ、将来の希望を示唆する。夜が更ける中、楊彪(ようひょう)と伏完(ふくかん)は弘農(こうのう)王祠で密談し、非常手段で曹操(そうそう)に対抗することを決意する。楊彪(ようひょう)は曹操(そうそう)を闇殺しようとし、伏完(ふくかん)は勤王のために兵を起こそうとする。そのとき、唐瑛(とうえい)が現れ、自らが重責を担うと申し出る。
翌日、楊彪(ようひょう)は隠居を理由に曹操(そうそう)に面会し、司馬家の助命を嘆願する。曹操(そうそう)は表面上は承諾するが、楊彪(ようひょう)の真意を見抜いていた。楊彪(ようひょう)は曹操(そうそう)を引退の宴に招待し、最後の賭けに出る。曹操(そうそう)はそれに応じ、闇流が渦巻く戦いが幕を開けようとする。
第46話の感想
第46話は、忠義と現実の狭間で苦悩する劉平(りゅうへい)の姿が描かれ、胸を打つ展開となりました。特に、劉平(りゅうへい)が伏寿(ふくじゅ)に対する深い愛情と責任感から、禅位という苦渋の決断を下そうとする場面は、彼の葛藤が伝わってきて印象的でした。
また、伏寿(ふくじゅ)が劉平(りゅうへい)の安全のために自らを犠牲にしようとするシーンも感動的でした。二人の強い絆が描かれており、この先どのような困難が待ち受けていても、きっと乗り越えていけるだろうと思わせてくれました。
一方、曹操(そうそう)と荀彧の友情の終わりも描かれ、切ない気持ちになりました。長年信頼し合っていた二人が、立場の違いから対立する姿は、戦乱の世の悲哀を感じさせます。
つづく