三国誌 秘密の皇帝 第47話 あらすじ/ネタバレ
鴻門宴に潜む闇流
風雲急を告げる朝廷で、老臣楊彪(ようひょう)は高齢を理由に辞官を願い出る。献帝(けんてい)は裏に何かあると察し、楊彪(ようひょう)と密談する。楊彪(ようひょう)は歳月の流れを口にするのみだが、曹操(そうそう)が明日彼の屋敷で晩餐会を開くと明かす。献帝(けんてい)は、一見普通の送別会に見えるこの宴に、嵐が隠されていることを悟る。
夜が訪れ、献帝(けんてい)は皇后伏寿(ふくじゅ)と密会し、懿旨を名目に明日唐瑛(とうえい)を宮廷に呼び寄せるよう命じる。彼は楊彪(ようひょう)の宴が実は曹操(そうそう)闇殺の計画だと感じていた。伏寿(ふくじゅ)は心配するが、唐瑛(とうえい)が危険にさらされるのを防ぐと約束する。二人は話をしているうちに、献帝(けんてい)は譲位の考えを明かす。伏寿(ふくじゅ)は、どんな決断をしても無条件に支持すると優しく答える。
一方、楊修(ようしゅう)は父の計画を知り、曹操(そうそう)に知らせようと急ぐ。楊彪(ようひょう)の安全を確保するためだ。曹操(そうそう)は笑みを浮かべ、この「鴻門宴」に万全の準備をしていると自信を見せる。満寵(まんちょう)は唐瑛(とうえい)の武術を侮ってはいけないと忠告するが、曹操(そうそう)はむしろその戦いを期待しているようだ。彼は「旧友」がまた一人減ると予言する。
楊府には賓客が溢れ、表面上は和やかな様子だが、実は闇流が渦巻いている。孔融(こうゆう)らは楊彪(ようひょう)の辞任を惜しみ、漢朝の衰退を早めると考える。曹操(そうそう)は大勢の親兵を連れて威風堂々と楊府に足を踏み入れ、今日以降、太尉(たいい)の地位はなくなることを宣言する。楊彪は内心不快に思うが、我慢して計画を練る。
宴席では、楊彪が献帝(けんてい)の成長を喜ぶ言葉を述べる。曹丕(そうひ)は西域の葡萄酒を理由に、念のため酒を交換する。一曲ずつ水流觴を回し、皆が順番に詩を作り酒を飲む。一見穏やかな雰囲気だが、実際には殺気が隠されている。楊彪特製の酒が曹操(そうそう)の前に届くと、一同が息を呑む。曹丕(そうひ)と曹仁(そうじん)は必死に止めようとする。しかし、曹操(そうそう)は非凡な度量を見せ、荀彧(じゅんいく)に琴を弾くように命じ、自身は豪快に「短歌行」を歌い上げる。府内には、激昂した詩と琴の音が響き渡る。
その時、献帝(けんてい)が立ち上がり、曹操(そうそう)の代わりに酒を飲みたいと申し出る。曹操(そうそう)はそれを承諾し、一気飲みして難を逃れる。その後、曹操(そうそう)は献帝と楊彪らを密室に連れ込み、驚愕の行動の背景に「偽天子」がいるのかと問いただす。献帝は落ち著いて衣帯詔を証拠に、自分と天子と同族であることを明かし、曹操(そうそう)との取引を持ちかける。その大胆な条件に、曹操も思わず心を動かされる。
両者が対峙(たいじ)する中、府外から刺客が侵入したとの知らせが届く。曹丕(そうひ)は抵抗するが、気絶させられてしまう。曹操は激怒し、曹仁(そうじん)に刺客の行方を追うよう命じる。刺客の逃走ルートは皇宮へと向かっており、曹仁(そうじん)はこれを機に宮廷に侵入し、唐瑛(とうえい)を捕らえて闇殺の罪を証明しようとする。権力と忠誠を巡る戦いが、皇宮内外で静かに始まろうとしていた。
第47話の感想
第47話は、緊張感と駆け引きに満ちた展開で、最後まで目が離せない内容でした。特に、鴻門宴での曹操と楊彪のやり取りは、お互いの思惑が交錯し、緊迫感が漂っていました。
曹操の、一見余裕のある態度の中に潜む鋭い洞察力と、楊彪の、老練な政治家としての策略がぶつかり合う様子は、見応えがありました。また、献帝の、曹操への取引を持ちかける大胆な行動には、驚かされました。
一方、唐瑛(とうえい)の闇殺計画も同時進行しており、皇宮内外で繰り広げられる権力争いが緊迫感を高めていました。
つづく