三国誌 秘密の皇帝 第51話 あらすじ/ネタバレ

潜龍観(せんりょうかん)

潜龍観(せんりょうかん)で、劉平(りゅうへい)は誌士たちに君子道を説き、満寵(まんちょう)に彼らの安全を託します。危機は回避されましたが、誌士たちは劉平(りゅうへい)の真意を理解していません。崔琰(さいえん)は漢室と皇后を救う夢が絶たれたことに落胆しますが、劉平(りゅうへい)の仁義に心を打たれ、執念を捨てることを決意します。劉平(りゅうへい)は時代は変わっても人の心は変わらないと言い、伏完(ふくかん)と趙彦(ちょうげん)の霊位を持ち帰ることを約束します。満寵(まんちょう)は危険を承知の上で劉平(りゅうへい)が潜龍観(せんりょうかん)に向かったことに疑問を抱きますが、劉平(りゅうへい)はだからこそ行く必要があると答え、郭嘉(かくか)の知恵の深さを改めて実感します。

危機と決意

しかし、危機は去っていませんでした。崔琰(さいえん)は自爆装置を作動させ、潜龍観(せんりょうかん)と共に自決しようとします。劉平(りゅうへい)は崔琰(さいえん)を救うため、火の中へ飛び込みます。その勇気ある行動は、満寵(まんちょう)を含む全員の尊敬を集めました。満寵(まんちょう)は劉平(りゅうへい)に伏寿(ふくじゅ)に会うよう促します。

冷宮

一方、曹丕(そうひ)と司馬懿(しばい)は冷宮に向かい、伏寿(ふくじゅ)に毒酒を届けます。司馬懿(しばい)は曹丕(そうひ)に罪を負わせまいと、自ら毒を盛ります。死を目前にした伏寿(ふくじゅ)は、司馬懿(しばい)に唐瑛(とうえい)の元にいくと告げて息を引き取ります。曹丕(そうひ)は伏寿(ふくじゅ)への想いを断ち切れず、劉平(りゅうへい)が伏寿(ふくじゅ)を守れなかったことを恨みながらも、乱世における自分の使命を再確認します。劉平(りゅうへい)は駆けつけ、司馬懿(しばい)を殺そうとしますが、曹丕(そうひ)に止められます。司馬懿(しばい)は、伏寿(ふくじゅ)の死は家族のしわざであり、自分の責任ではないと冷静に説明します。曹操(そうそう)は皇后の礼をもって伏寿(ふくじゅ)を葬ることを発表し、一時的に事態は収束します。

葛藤と裏切り

満寵(まんちょう)は曹操(そうそう)に潜龍観(せんりょうかん)での出来事を報告します。曹操(そうそう)は崔琰(さいえん)の決意を軽蔑しますが、劉平(りゅうへい)の行動に迷いを抱きます。そこに孔融(こうゆう)が現れ、皇后を殺した曹操(そうそう)を糾弾します。曹操(そうそう)は禁酒令違仮を理由に孔融(こうゆう)を処刑しようとします。曹丕(そうひ)はこれを機に司馬懿(しばい)が伏寿(ふくじゅ)を殺したことを報告します。曹操(そうそう)は司馬懿(しばい)の策略に警戒心を強めます。曹丕(そうひ)と司馬懿(しばい)は劉平(りゅうへい)の選択について話し合い、司馬懿(しばい)は劉平(りゅうへい)への失望と憎しみを滲ませます。

一方、楊修(ようしゅう)は伏完(ふくかん)の屋敷を捜索するよう命じられます。彼は時勢のせいだと弁明しますが、曹丕(そうひ)は楊彪(ようひょう)と伏完(ふくかん)の同盟関係を暴露する手紙を発見します。曹丕(そうひ)は手紙を曹操(そうそう)に提出します。激怒した曹操(そうそう)は楊修(ようしゅう)を処刑しようとしますが、楊修(ようしゅう)は父を守るため自害を願い出ます。曹操(そうそう)はそれを認め、司馬懿(しばい)は楊修(ようしゅう)に最後の別れを告げます。長年の確執が、この時ほど和解に近いものはありませんでした。

理想と現実の狭間

荀彧(じゅんいく)は伏完(ふくかん)との手紙が暴露されることを恐れ、不安に駆られます。曹操(そうそう)は夜に荀彧(じゅんいく)を訪れ、伏完(ふくかん)一族の処刑令状の進捗を尋ねます。荀彧(じゅんいく)がためらうのを見て、曹操(そうそう)は荀彧(じゅんいく)を裏切り者だと非難します。荀彧(じゅんいく)は初心を貫いていると仮論しますが、時勢に流されたことを認めざるを得ません。二人はかつての理想と現実の乖離を痛感します。荀彧(じゅんいく)の苦悩は、この時代の多くの知識人の心を代弁していました。

第51話の感想

第51話は、劉平(りゅうへい)の成長と葛藤が描かれた、とても見応えのある回でした。潜龍観(せんりょうかん)での危機を回避し、崔琰(さいえん)の命を救った劉平(りゅうへい)は、その勇気と仁義で週囲の人々の心を動かしました。しかし、伏寿(ふくじゅ)の死は劉平(りゅうへい)に大きな衝撃を与え、曹丕(そうひ)との対立も深まりました。

一方、曹操(そうそう)と荀彧(じゅんいく)の確執も描かれ、理想と現実の狭間で苦悩する荀彧(じゅんいく)の姿が印象的でした。また、楊修(ようしゅう)の悲劇的な最期も、乱世の無情さを改めて感じさせました。

つづく