三国誌 秘密の皇帝 第52話 あらすじ/ネタバレ
許昌の闇雲の下、感情の嵐が主人公たちの心を静かに包み込んでいく。曹操(そうそう)は、長年の盟友である荀彧(じゅんいく)の突然の死を受け入れられず、困惑と怒りに満ちていた。彼は荀彧(じゅんいく)に問う、なぜ30年以上の深い友情が、はかない漢室復興の夢に勝てなかったのかと。荀彧(じゅんいく)は苦笑いし、板挟みの中で苦悩する自分の無力さを吐露し、「道は違えば、一緒にいることはできない」と言い残し、毅然と去っていく。曹操(そうそう)は遠ざかる荀彧(じゅんいく)の背中を見送り、握りしめた剣が折れそうになるほど、永遠に失った参謀への思いを募らせていた。
荀彧(じゅんいく)の死は、晴天の霹靂のように曹操(そうそう)を震撼させ、怒りと悲しみがさらに強まる。曹丕(そうひ)からの報告は追い打ちをかけ、曹操(そうそう)は一時的に激昂し、気絶してしまう。一方、劉平(りゅうへい)は伏寿(ふくじゅ)の霊前で黙々と見守り、司馬懿(しばい)に棺を運ばれる様子を見つめながら、胸に秘めた別れを未来への約束に変え、伏寿(ふくじゅ)に必ず再会すると告げる。司馬懿(しばい)の登場は、荀彧(じゅんいく)の死の背後にある陰謀を明らかにする。それはすべて、曹操(そうそう)の勢力を弱体化させるために彼が綿密に計画した策略だったのだ。劉平(りゅうへい)は怒りを抑えきれず、司馬懿(しばい)に拳を振り下ろすが、二人の根本的な理念の違いを悟り、袂を分かつことにする。
孔融(こうゆう)の死は、知識人たちの強い仮発を招き、彼らは街頭に繰り出し、曹操(そうそう)の暴政に抗議する。劉平(りゅうへい)は曹操(そうそう)らと共に変装して群衆に紛れ、その様子を目撃する。劉平(りゅうへい)の行動は、曹操(そうそう)に過度な圧迫は禁物だと気づかせ、流れに任せて、知識人たちに好き勝手させることにする。荀彧(じゅんいく)の葬儀で、劉平(りゅうへい)と曹操(そうそう)はそれぞれに愧疚と哀悼の気持ちを抱き、荀家の遺族の態度に曹操(そうそう)は孤立無援の状況を痛感する。最終的に、曹操(そうそう)は劉平(りゅうへい)の懇願を受け入れ、荀家の人々を許都(きょと)から離れることを渋々承諾する。
曹操(そうそう)の頭痛は悪化の一途を辿り、医官たちも手を尽くすことができない。彼は過去の決断が自分を孤立無援の状態に陥れたことに気づく。事態を打開するため、曹操(そうそう)は曹節(そうせつ)を劉平(りゅうへい)に嫁がせることを提案し、両者の緊張関係を緩和しようと図る。曹節(そうせつ)は自らの意誌で、この政略結婚の犠牲者になることを承諾し、父と劉平(りゅうへい)の争いを鎮めることを願う。結婚式で、曹操(そうそう)は娘を見つめ、複雑な心境に陥るが、ようやく安心し、満身創痍の体で許都(きょと)を去る。
一方、司馬懿(しばい)は別の場所で別の秘密を静かに守っていた。伏寿(ふくじゅ)は実は死んでおらず、彼が密かに匿っていたのだ。彼は伏寿(ふくじゅ)に劉平(りゅうへい)の苦心と犠牲を明かし、二人は愛はないものの、深い理解と尊敬の念を抱いていた。司馬懿(しばい)は曹操(そうそう)と共に鄴城に向かうことを決意し、出発前に曹節(そうせつ)が新しい皇后になったことを伏寿(ふくじゅ)に告げる。伏寿(ふくじゅ)は淡々と聞き、この乱世の無情さと犠牲に感慨を深める。
時は流れ、6年が経った。伏寿(ふくじゅ)は完全に庶民の生活に溶け込み、毎日買い物をして料理を作り、シンプルで穏やかな日々を送っていた。彼女は、この安寧はすべて劉平(りゅうへい)と多くの人々の計り知れない犠牲によって得られたものだと理解していた。そして、劉平(りゅうへい)と曹操(そうそう)の恩讐は、時間の経過とともに人々の記憶から薄れ、歴史の長い流れの中で一滴の水滴のように消えていった。
第52話の感想
第52話は、荀彧(じゅんいく)の死という衝撃的な展開から始まり、曹操(そうそう)と劉平(りゅうへい)の葛藤、そして伏寿(ふくじゅ)の運命など、様々なドラマが描かれた回でした。
曹操(そうそう)と荀彧(じゅんいく)の友情の終わりは、非常に悲しいものでした。荀彧(じゅんいく)は曹操(そうそう)の最大の理解者であり、彼の覇業を支えてきた人物でした。しかし、漢室復興という理想の違いから、二人は袂を分かつことになってしまいました。荀彧(じゅんいく)の死は、曹操(そうそう)にとって大きな痛手であり、彼の孤独さを際立たせるものでした。
劉平(りゅうへい)と曹操(そうそう)の対立も、見どころの一つでした。劉平(りゅうへい)は漢室復興を掲げ、曹操(そうそう)に戦いを挑みます。しかし、曹操(そうそう)は劉平(りゅうへい)の理想を理解しつつも、自分の野望を諦めることはできませんでした。二人の戦いは、理想と現実の狭間で葛藤する人間の姿を描いており、非常に興味深いものでした。
伏寿(ふくじゅ)の運命も、気になるところです。彼女は司馬懿(しばい)によって救出され、静かに暮らしていますが、曹操(そうそう)との関係は断絶されたままです。今後、彼女がどのような運命を辿るのか、気になります。
つづく