繁城の殺人 ~大明に蠢く闇~ 第4話 あらすじ/ネタバレ

万暦十七年、蠹県。

繁華な街の中にある、最も裕福で静かな邸宅、陸宅。そこには女主人も子供もおらず、使用人だけが陸遠暴(ルー・ユエンバオ)に仕えていた。陸遠暴(ルー・ユエンバオ)は地元の名士であり、ある日、陸直(ルー・ジー)という名の浮浪児を養子として迎え入れた。陸直(ルー・ジー)は数年来、老執事である陸忠(ルー・ジョン)に付き従い、成長するにつれて賢くなり、陸遠暴(ルー・ユエンバオ)に気に入られて書童となった。

陸宅の買い出しを担当する陳旺(チェン・ワン)は、博打に溺れており、夜になると梯子を使って壁を乗り越えて外出し、全財産を失ってしまうことが多かった。ある時、母親の薬代を博打に使ってしまった陳旺(チェン・ワン)は、薬代が工面できずに困っていた。それを知った陸直(ルー・ジー)は、自分の金で薬を買ってあげた。この出来事で、陳旺(チェン・ワン)は陸直(ルー・ジー)をますます慕うようになった。

頭が良く、陸遠暴(ルー・ユエンバオ)に無類斎の王夫子(ワン・フーヅ)のもとで学ばせてもらっていた陸直(ルー・ジー)は、生徒の中でも特に優秀で、王夫子(ワン・フーヅ)からも一目置かれていた。しかし、ある日、陸直(ルー・ジー)は王夫子(ワン・フーヅ)の秘密を知ってしまう。

ある夜、硯を無類斎に忘れた陸直(ルー・ジー)は取りに戻った。部屋の前まで来ると、中から苦しそうな呻き声が聞こえてきた。彼はそっと窓から中を覗くと、王夫子(ワン・フーヅ)が裸の背中を、書童に戒尺で叩かれているところだった。しばらくして書童が出て行くと、王夫子(ワン・フーヅ)は部屋から出て庭の隅にある石像に向かって拝み、「どうかもう私に夢を見せないでください」と祈った。

王夫子(ワン・フーヅ)が部屋に戻った後、陸直(ルー・ジー)は石像の前に駆け寄り、土を掘り返すと、中には猿の骨が入った木箱が埋まっていた。陸直(ルー・ジー)はただ面白いと思って、この出来事を心に留めておいた。

陸遠暴(ルー・ユエンバオ)は書道が趣味で、趙(ヂャオ)挙人と他の2人の名士とよく書を競い合っていた。場所はいつも翠華楼で、楷書の腕前は趙(ヂャオ)挙人が一枚上手だったが、毎回の大字の競書では、わざと陸遠暴(ルー・ユエンバオ)に勝たせているようだった。

陸遠暴(ルー・ユエンバオ)は翠華楼によく通っており、林四娘(リン・スーニャン)という遊女を囲っていた。林四娘(リン・スーニャン)は陸遠暴(ルー・ユエンバオ)に選ばれた後、他の客は近寄ることができなくなった。林四娘(リン・スーニャン)が陸宅に来る時は、いつも小宝子(シャオ・バオズ)という従者が送っていた。小宝子(シャオ・バオズ)と陸直(ルー・ジー)は同い年で、林四娘(リン・スーニャン)が陸宅にいる間に、よく一緒に遊びに出かけていた。

老執事の陸忠(ルー・ジョン)は、口がきけなかった。陸遠暴(ルー・ユエンバオ)との会話は、一般的な手話とは少し違っていた。彼は用心深く、策略家で、陸遠暴(ルー・ユエンバオ)の腹心として様々な仕事をこなしていた。

陸直(ルー・ジー)は、陸忠(ルー・ジョン)が口がきけなくなった理由を陸遠暴(ルー・ユエンバオ)から聞いたことがあった。継母に塩を喉に詰められて声を失ったのだという。陸直(ルー・ジー)が陸忠(ルー・ジョン)にそのことを尋ねると、彼は笑って答えずにいた。

陸遠暴(ルー・ユエンバオ)に囲われている林四娘(リン・スーニャン)は、密かに捕頭の冷無疾(レン・ウージー)と関係を持っていた。ある時、林四娘(リン・スーニャン)が陸宅に送られてきた際、小宝子(シャオ・バオズ)が冷無疾(レン・ウージー)に手紙を送ろうとしているところを陸直(ルー・ジー)に見つかってしまった。その夜、林四娘(リン・スーニャン)が陸遠暴(ルー・ユエンバオ)の部屋から出てきて庭で冷無疾(レン・ウージー)と会っているところを、またしても陸直(ルー・ジー)が目撃してしまった。彼は身を隠して様子を伺っていると、冷無疾(レン・ウージー)が林四娘(リン・スーニャン)に「ひどい目に遭わされたのか」と尋ねているのが聞こえた。陸直(ルー・ジー)は不注意にも行灯を倒してしまい、冷無疾(レン・ウージー)に見つかってしまった。

自分と林四娘(リン・スーニャン)の密会が知られたことを恐れた冷無疾(レン・ウージー)は、陸直(ルー・ジー)を殺そうとした。しかし、そこに夜警の曲天明(キョク・ティエンミン)が現れた。陸直(ルー・ジー)は弁舌巧みに、冷無疾(レン・ウージー)が自分を殺すことのリスクとメリットを分析し、冷無疾(レン・ウージー)と林四娘(リン・スーニャン)の秘密を絶対に漏らさないことを約束することで、命を救われた。さらに、冷無疾(レン・ウージー)の信頼を得るために、実は自分も林四娘(リン・スーニャン)に憧れていたことを告白した。

この出来事以来、冷無疾(レン・ウージー)は陸直(ルー・ジー)を警戒しなくなった。小宝子(シャオ・バオズ)が林四娘(リン・スーニャン)を陸宅に送る時は、冷無疾(レン・ウージー)が毎回轎子に隠れて一緒に行き、陸直(ルー・ジー)と小宝子(シャオ・バオズ)は秘密を共有しながら馬車を走らせていた。

第4話感想

第4話は、陸直(ルー・ジー)の成長と、彼の周囲の人間関係が明らかになる重要なエピソードでした。特に、王夫子(ワン・フーヅ)と林四娘(リン・スーニャン)の秘密を知ってしまった陸直(ルー・ジー)は、今後どのような行動を取るのか気になるところです。

また、陸遠暴(ルー・ユエンバオ)と陸忠(ルー・ジョン)の関係も謎に包まれています。陸忠(ルー・ジョン)はなぜ口がきけなくなったのか、そして陸遠暴(ルー・ユエンバオ)にどのような忠誠を誓っているのか、今後の展開が楽しみです。

冷無疾(レン・ウージー)と林四娘(リン・スーニャン)の不倫関係も、物語に大きな影響を与えそうです。陸直(ルー・ジー)が彼らの秘密を知ってしまったことで、どのような展開が待っているのか、目が離せません。

つづく