尚食~美味なる恋は紫禁城で~ 第17話 あらすじ/ネタバレ

静かな尚食局で、姚子衿(ようしきん)は思いにふけっていました。太子妃(ひしのかみ)の朱瞻基(しゅせんき)への想いに気づき、本来自分がいるべき場所が今は別の人の舞台になっていることを悟ります。心の中では退きたい気持ちもありましたが、母の遺言が重くのしかかり、簡単には割り切れませんでした。

彼女は丁寧に選んだ蝋梅を手に取り、それを洗い、お粥を炊きました。複雑な想いを抱く朱瞻基(しゅせんき)に捧げるためです。

姚子衿(ようしきん)の正直な言葉に、朱瞻基(しゅせんき)は予安に大きな過ちはないと率直に答え、廃妃にすることは軽率だと述べます。姚子衿(ようしきん)は跪いて、尚食局に残り、料理を伴侶にしたいという自分の願いを切々と訴えます。その言葉に、朱瞻基(しゅせんき)は胸を痛めます。

彼は姚子衿(ようしきん)の真意を問いただし、過去のことは覚えていなくても、自分が無情な人間ではないことを自覚していました。過去の誤解は世の常であり、個人の責任ではないと告げます。

しかし姚子衿(ようしきん)は、宮廷の権力闘争の犠牲になりたくないという強い意志を持ち、朱瞻基(しゅせんき)のさらなる要求を拒否します。彼女の拒絶に、朱瞻基(しゅせんき)は激怒し、茶碗が割れる音とともに、二人の関係は終わりを迎えたかのように思われました。

姚子衿(ようしきん)は書斎から出て、陽光が前を照らします。足取りは重いながらも、心の中ではすでに決意していました。

一方、皇后は彼女の知恵と慈愛で、朱瞻基(しゅせんき)に太子妃(ひしのかみ)に対して寛容と理解を示すよう諭します。同時に、宮廷の風雲急を告げる様子を暗に観察していました。

尚食局の料理コンテストが予定通り開催されます。テーマは古膳で、各料理人の技術と創造力が試されます。胡尚食は蘇月華(そげつか)を推薦し、紫萍は姚子衿(ようしきん)の応援を受けて勇敢に応戦します。二人の戦いが静かに幕を開けます。

太子妃(ひしのかみ)の優しい陪伴により、朱瞻基(しゅせんき)は書斎で姚子衿(ようしきん)の面影を感じます。しかし現実との落差に気付き、複雑な気持ちになります。彼は宮廷の束縛から逃れたいと願いますが、誰もいない中で一人宮殿を出て、束の間の静寂を求めます。

深夜、姚子衿(ようしきん)のろうそくの下で、一幅の「萬川図」がゆっくりと形作られていきます。これは紫萍のコンテストのために準備したものです。遊一帆の登場が静寂を破ります。彼は利益で姚子衿(ようしきん)を誘惑しようとしますが、彼女は協力だけでなく、宮廷の争いから遠ざかるよう説得します。

しかし、運命は皮肉なもので、姚子衿(ようしきん)が丹精込めて描いた「萬川図」は月華に盗まれ、料理コンテストに利用されてしまいます。創造性と味覚を競う戦いが静かに繰り広げられます。

第17話感想

第17話は、姚子衿(ようしきん)と朱瞻基(しゅせんき)の複雑な関係がさらに深まる回でした。姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)への想いを自覚しつつも、母の遺言や宮廷の権力闘争に巻き込まれることを恐れ、自分の気持ちを抑えようとします。一方、朱瞻基(しゅせんき)も姚子衿(ようしきん)への想いを抱きつつも、太子妃(ひしのかみ)との関係や自身の立場に苦悩しています。

二人のすれ違いが続く中、尚食局では料理コンテストが開催されます。姚子衿(ようしきん)は紫萍を応援し、蘇月華(そげつか)と料理対決をすることになります。コンテストを通して、姚子衿(ようしきん)の料理の才能と強い意志が描かれます。

また、姚子衿(ようしきん)と遊一帆の関係も進展しました。遊一帆は姚子衿(ようしきん)に利益をちらつかせて誘惑しようとしますが、姚子衿(ようしきん)はきっぱりと拒否します。姚子衿(ようしきん)の芯の強さが感じられるシーンでした。

つづく