尚食~美味なる恋は紫禁城で~ 第21話 あらすじ/ネタバレ

月光に照らされ、紫萍は彫刻に集中していた。そこに姚子衿(ようしきん)が戻り、皇帝に汚されてしまった絵巻物を手にしていた。姚子衿(ようしきん)は丁寧に汚れを落とし、絵巻物を元の姿に戻した。姚子衿(ようしきん)は自ら絵巻物を返しに行くと、朱瞻基(しゅせんき)は絵巻物が元の姿に戻っているのを見て、尚食局から贈られた亀苓膏も気に入り、気分良く蜂蜜を口にした。

皇后は東宮に子がいないことを心配し、密かに4人の宮女を太子妃(ひしのかみ)の側に置こうとした。朱瞻基(しゅせんき)はそれを知ると、皇后のもとへ宮女たちを連れ戻した。皇后は方針を変え、朱瞻基(しゅせんき)が愛する人を宮に入れることにした。夜遅く、尚食局は皇后からの夜食の差し入れの命令を受け、皇后は姚子衿(ようしきん)を太子嬪に封じようとした。姚子衿(ようしきん)はそれを断り、太子を慕っているが、自由と愛が両立できないのであれば、自由を選ぶと答えた。皇后は姚子衿(ようしきん)の意志の強さに驚き、彼女の非凡さを感じた。

太子妃(ひしのかみ)は胡尚食からの密書を受け取り、深夜に会いに行った。胡尚食は「子宝符」を渡し、何かを暗示するような言葉を残して去っていった。上元節の宴で、皇帝は百官に宴を賜った。胡尚食は孟尚食(もうしょうしょく)に勝負を挑み、3回戦で勝敗を決めることにした。勝者は残り、敗者は去るという条件だった。

紫萍は食事を運んでいる際に梅少淵に出会い、心が揺れた。そのため、食事を作っている時に気が散ってしまった。姚子衿(ようしきん)は紫萍の気持ちに気づき、東宮までついて行った。そこで、梅少淵が才能があり、太子に高く評価されていることを知った。紫萍は恥ずかしがり、姚子衿(ようしきん)に食盒を代わりに届けてほしいと頼んだ。姚子衿(ようしきん)は承諾したが、それが太子の嫉妬を招いてしまった。太子は姚子衿(ようしきん)が梅少淵に気があると思い込み、不機嫌になり、尚食局に今後鹹味豆花しか作らないように命じた。

紫萍は姚子衿(ようしきん)に真実を打ち明けた。実は、梅少淵に恨みを抱いていたのだ。それは、若い頃に梅少淵の財布を盗んで捕まり、彼に官に突き出され、罰を受けたからだった。姚子衿(ようしきん)は紫萍を慰め、梅少淵は紫萍を正しい道に導き、学問と技術を身につけるための手助けをしたのだと指摘した。

姚子衿(ようしきん)は酒蔵を調べに行った際、小者に襲われ、酒棚が倒壊した。紫萍は姚子衿(ようしきん)をかばったが、姚子衿(ようしきん)は重傷を負い、両手は包帯で巻かれてしまった。月華はそれを聞いて游一帆(ゆういつはん)に問い詰め、事件に彼が関わっているのではないかと疑った。游一帆(ゆういつはん)は表面上は冷静を装っていたが、内心は激しく動揺していた。

小者は宮正司に連行され、事故だったと主張した。朱瞻基(しゅせんき)は姚子衿(ようしきん)が怪我をしたことで気分が落ち込んでいた。太子妃(ひしのかみ)はそれに気づいていたが、理由はわからなかった。宮中では暗流が渦巻いていたが、姚子衿(ようしきん)の意志の強さと知恵は、権力と感情が交錯する中でより一層輝いていた。

第21話の感想

第21話は、姚子衿(ようしきん)の強さと意志の強さが際立った回だった。彼女は自分の気持ちに正直に、自由と愛のどちらかを選ぶことを迫られた時、迷わず自由を選んだ。これは、当時の女性としては非常に勇気のいる決断だっただろう。

また、紫萍の成長も印象的だった。彼女は姚子衿(ようしきん)の助けもあり、梅少淵に対する誤解を解き、正しい道を歩み始めた。

一方で、宮中では暗流が渦巻いていた。皇后は太子に子を産ませるために様々な手を尽くし、姚子衿(ようしきん)もその渦に巻き込まれていく。

つづく