尚食 第23話 あらすじ/ネタバレ

朱瞻基(しゅせんき)は宴席に戻ると、部下の問いにただ微笑むだけだった。姚子衿(ようしきん)の負傷を哀れみながらも、彼女の頑固さに無力感を感じていた。彼はこの件が漏れるのを嫌い、部下たちに厳重に秘密を守るよう命じた。

皇帝は孟尚食(もうしょうしょく)を罰せず、試合は白熱したまま続いた。皇帝の目を楽しませるような佳肴が次々と登場する。そんな中、姚子衿(ようしきん)は自ら進んで皇帝に各料理の由来や調理法を説明し、開国皇帝・朱元璋が好んだ「翡翠白玉湯」の逸話まで披露した。彼女の博識と才能は皇帝の注意を引き、孟尚食(もうしょうしょく)が献上した料理の数々は残されることとなった。

両者は互角の勝負を繰り広げ、皇帝は尚食局にその場で料理を作り、勝負を決めるよう命じた。姚子衿(ようしきん)は負傷を顧みず、果敢に挑んだ。胡尚食は代表料理として乳豬を、孟尚食(もうしょうしょく)は趣向を凝らして八宮格火鍋で応戦することに決めた。朱瞻基(しゅせんき)は火鍋の斬新なアイデアを大いに称賛し、食材の新鮮さと温補不燥の特徴を強調した。

美食の香りに酔いしれる中、突如として意外な事態が起きた。胡尚食の乳豬に麒麟の模様が浮かび上がり、皆が祥瑞と喜んだが、皇帝だけは訳を知っていた。しかし、突如発生した火災が静寂を破り、刺客が紛れ込んで宴席は混乱に陥った。朱瞻基(しゅせんき)は皇帝を必死に守り、重傷を負ったが、皇帝は恐怖に怯えて逃げ惑った。最終的に刺客は制圧されたものの、皇帝は朱瞻基(しゅせんき)の救護の仕方に不満を抱き、憤然と立ち去ってしまった。

朱瞻基(しゅせんき)は痛みを堪えながら盛太医を呼び寄せ、姚子衿(ようしきん)も黙々と補血養身の食事を用意した。桃酥補血糕や清淡な小菜は、朱瞻基(しゅせんき)の心を温めた。

一方、胡尚食の策略は失敗し、刺客事件に巻き込まれて試合に敗北した。姚子衿(ようしきん)は恨みを抱かず、胡尚食を見舞いに行った。二人は話し合った末、胡尚食は自分の苦衷と無念を打ち明け、姚子衿(ようしきん)は約束通り尚食局を去るよう説得した。

その後、太子妃(ひしのかみ)は胡尚食が殺害されたことを発見する。月華は孟尚食(もうしょうしょく)に調味料に細工をしたことがバレてしまい、錯乱状態で胡尚食を殺害したことを吐露した。それは、師匠である王典膳の仇を討つためだった。孟尚食(もうしょうしょく)は心痛の極みであったが、母性愛ゆえに月華に騙されていた。二人の関係は複雑なものとなった。

負傷した姚子衿(ようしきん)は粗雑な仕事しかできず、紫萍は彼女がもっと高い身分を目指すように不満を漏らす。しかし、姚子衿(ようしきん)は自分の信念を貫き、尚食局に残って黙々と仕事を続けた。胡尚食の死後、宮中では彼女の自殺説が囁かれるようになり、姚子衿(ようしきん)の心にも疑念が芽生える。しかし、それは宮廷闘争の氷山の一角に過ぎなかった。

第23話の感想

第23話は、緊迫感と感動が入り混じった見応えのある回でした。

前半では、姚子衿(ようしきん)の才華が光る場面が印象的でした。皇帝の前で堂々と料理の解説を行い、孟尚食(もうしょうしょく)の料理を守り抜いた姿は、彼女の成長を感じさせるものでした。また、朱瞻基(しゅせんき)が姚子衿(ようしきん)を気遣う様子も微笑ましく、二人の絆が深まっていることが伝わってきました。

後半では、突如として刺客が現れ、緊迫した展開に。朱瞻基(しゅせんき)が皇帝を庇って負傷するシーンは、彼の勇敢さと姚子衿(ようしきん)への愛情を感じさせるものでした。一方、胡尚食の計略が失敗に終わり、命を落とすという衝撃的な展開も。彼女の苦悩と無念が伝わってくる、切ないシーンでした。

そして、月華が胡尚食殺害の犯人であることが発覚し、孟尚食(もうしょうしょく)の複雑な心情が描かれました。母と弟子、どちらの気持ちも理解できるだけに、彼女の苦悩は計り知れません。

姚子衿(ようしきん)は手負いながらも尚食局に残ることを決意し、胡尚食の死の真相を明らかにしようと動き始めます。宮廷斗争の渦に巻き込まれながらも、料理を通じて真実を追求する彼女の姿は、今後の展開を期待させるものでした。

つづく