尚食 第35話 あらすじ/ネタバレ
游一帆(ゆういつはん)は皇帝との食事の席で緊張し、席を立とうとするが、姚子衿(ようしきん)に少し待つように促される。間もなく、紫萍が丹精込めて作った民間の料理が次々と運ばれてきた。宮廷の豪華な料理とは異なり、シンプルで素朴ながら、独特な風味がある。皇后はそれを賞味した後、紫萍に専属の料理人として自分の食事を世話してくれるように頼み、姚子衿(ようしきん)は快諾する。
食事中、衛(えい)王が不注意でスープを朱瞻基(しゅせんき)の服にこぼしてしまい、朱瞻基(しゅせんき)は着替えに行く。皇后も皆と一緒に彼を見送るため、游一帆(ゆういつはん)と姚子衿(ようしきん)は二人きりになる。游一帆(ゆういつはん)は、紫萍が語った料理の裏にある物語はすべて姚子衿(ようしきん)が作ったものであり、姚子衿(ようしきん)は知恵を使って朱瞻基(しゅせんき)に被災民の苦しみを見せようとしたことを悟る。この行為は、貪欲な宦官の恨みを買うことは間違いない。しかし、姚子衿(ようしきん)はそんな脅威にも屈せず、宦官の横行に立ち向かい、何かを成し遂げようと決意する。彼女は游一帆(ゆういつはん)に、今はただ目の前のことを精一杯やり、結果を気にしないと言った。
一方、袁琦(えんき)は太后に、朱瞻基(しゅせんき)が姚子衿(ようしきん)の影響を受けて民情を視察していること、そして貴妃の権勢が日増しに増していることを讒言する。しかし、太后は皇帝と貴妃の行動を見て、姚子衿(ようしきん)の行動は称賛に値すると感じ、皇帝が貴妃に尊い贈り物をすることを公に支持する。
紫萍は胡皇太后の専属の料理人になった後、純真無邪な性格と民間の面白い話で皇后に気に入られ、後宮は穏やかで秩序ある雰囲気になる。妃嬪の中には、紫萍と姚子衿(ようしきん)が以前親しくしていたことを皇后に忠告する者もいたが、皇后は紫萍が朱瞻基(しゅせんき)によって選ばれた人物であり、食事の安全は問題ないと確信していたため、動揺することはなかった。
朱瞻基(しゅせんき)は民情を視察するため、微服私訪を決意し、游一帆(ゆういつはん)を連れて行く。二人は田んぼに入り、農民と一緒に働き、重税の重さと役人の腐敗の実態を目の当たりにする。ある農婦の家を訪ねると、貧しい暮らしぶりで、子供たちは皆宮廷に仕えていることを知り、朱瞻基(しゅせんき)は心を痛める。彼は皇帝という高貴な身分でありながら、民衆の苦しみを深く理解することができないことを痛感する。
深夜、朱瞻基(しゅせんき)は泥だらけになって宮殿に戻ると、姚子衿(ようしきん)は書斎に温かい食事を用意し、そばで世話をしてくれていた。そして、自分の手で彼の足を洗って、深い愛情を示す。朱瞻基(しゅせんき)が深夜に奏章を読んでいると、姚子衿(ようしきん)は黙って彼の隣で服を縫い、寄り添う。
胡皇后は紫萍が永寧宮に頻繁に出入りしていることを不審に思い、彼女を異動させようとする。姚子衿(ようしきん)はタイミングよく皇后に会いに行き、人生は波乱万丈であり、穏やかに過ごす必要があると説得する。そして、皇帝も多くの困難に直面しているが、それでも不屈の精神を持っていることを付け加える。皇后はそれを聞いて心が晴れ晴れとし、紫萍を引き続き雇うことに決めた。
朱瞻基(しゅせんき)は工部尚書を呼び出し、子供たちが京に来て芸を学ぶことについて厳しく問い詰める。工部尚書は、これは内官監が行っていることだと答える。袁琦(えんき)はそれを聞いて驚き、何も知らなかったと跪いて弁解する。この一連の出来事は、宮廷内外で繰り広げられている複雑な闘争だけでなく、姚子衿(ようしきん)の知恵と勇気、そして正義と真実を追求する彼女の不屈の精神をも明らかにしている。
第35話の感想
第35話は、姚子衿(ようしきん)の知恵と勇気、そして朱瞻基(しゅせんき)への深い愛情が描かれた回だった。姚子衿(ようしきん)は、紫萍を通して朱瞻基(しゅせんき)に民衆の苦しみを伝え、宦官の横行に立ち向かおうとする。その姿は、とても勇敢で頼もしい。
また、朱瞻基(しゅせんき)も民情を視察し、民衆の苦しみを目の当たりにすることで、皇帝としての責任を改めて感じている様子が描かれていた。姚子衿(ようしきん)と朱瞻基(しゅせんき)の二人で、民衆のために何かを成し遂げようとする姿は、とても感動的だった。
一方、袁琦(えんき)は内官監の陰謀に巻き込まれ、窮地に立たされている。彼の今後がどうなるのか、気になるところだ。
つづく