尚食 第九話 あらすじ/ネタバレ

姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)への配膳を終え、書籍の整理を手伝うことになった。静かに朱瞻基(しゅせんき)のそばに寄り添い、武術や書道を学ぶ彼の姿を見守る。姚子衿(ようしきん)は、朝廷が宋大人に災害救済の資金を再調査するよう命じたことを知る。宋大人は、背後に根深い勢力が存在することを悟り、顔を曇らせる。朱瞻基(しゅせんき)は彼の苦悩を理解し、皇帝が汚職を憎んでいることを知っており、宋大人にすぐに調査を開始するよう厳命する。

姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)に海外の国々の風習について尋ね、それが尚食局の学習内容の一つであることを明かす。朱瞻基(しゅせんき)は、航海日誌を自分で調べて疑問を解決するよう笑って言った。

その後、太孫妃は朱瞻基(しゅせんき)を寝宮に招き、昼寝をしようと伝言を送ってきた。朱瞻基(しゅせんき)は不快感を示し、姚子衿(ようしきん)を門外に連れ出し、太孫妃の行動を許すべきかどうかを尋ねる。姚子衿(ようしきん)は、人は聖人ではなく、過ちを犯すこともあると穏やかに答える。疑問を抱くなら、黙って耐えるよりも答えを探す方が賢明だと。

翌朝、朱瞻基(しゅせんき)は洪慶宮を訪れて答えを探そうとするが、宮殿に太孫妃の母方の親族から来た女性が新しい妃として迎え入れられていることに気づく。彼女は家族の地位を固め、早く皇位継承者を生むことを目的としている。予安は戻ってきて、その状況を理解し、侍女が職務を怠ったとして怒りをあらわにする。そして、胡家の者は許可なく宮殿に入ることを禁じた。この行動は、胡司膳を密かに喜ばせる。予安はもはやかつての弱々しい姿ではない。

洪慶宮での経験は朱瞻基(しゅせんき)の心のわだかまりを解くどころか、屈辱を与えた。彼は怒りから書物を床に散乱させ、姚子衿(ようしきん)を呼んで整理させた。散らかった書物を見て、姚子衿(ようしきん)は自分が奴隷として扱われているのか、友人として扱われているのかと問う。朱瞻基(しゅせんき)は驚き、姚子衿(ようしきん)は自分の気持ちを率直に告白し、問題に正面から向き合うよう促す。そして、尚食局の一員として、書物の整理は自分の仕事ではないと告げ、毅然と立ち去った。

朱瞻基(しゅせんき)はしばらく呆然としていたが、後悔の念が押し寄せてきた。しかし、後の祭りであった。尚食局では、使節団の食事の準備が着々と進められていた。孟紫ウン(もうしうん)は厳しく指導し、すべての料理が明の国の素晴らしさを表現できるように努めていた。料理の準備が整うと、錦衣衛(きんいえい)の遊一帆が自ら監督し、朱瞻基(しゅせんき)も試食に臨んだ。試食の結果、姚子衿(ようしきん)が作った点心が選ばれた。その妙味は、被災地の喬米を使用することで、民衆の関心を集め、間接的に被災者を支援するという点にあった。遊一帆は最初は意図を理解できなかったが、後に納得し、姚子衿(ようしきん)を高く評価した。

朱瞻基(しゅせんき)は姚子衿(ようしきん)を褒美として貴重な猫眼石を与えようとしたが、姚子衿(ようしきん)は丁重に断り、航海日誌を勉強させてほしいとだけ願った。その夜、姚子衿(ようしきん)は再び配膳に来た。朱瞻基(しゅせんき)は、食盒の中身が光禄寺(こうろくじ)の料理だと勘違いして少し不機嫌になり、うっかり米湯をこぼしてしまう。しかし、メニューに隠された秘密に気づいた。姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)の体調に合わせてすべての料理を調整しており、その心遣いに朱瞻基(しゅせんき)は深い罪悪感を抱いた。急いで陳蕪(ちんぶ)を姚子衿(ようしきん)のもとに遣わしたが、孟紫ウン(もうしうん)は尚食局の規則を理由に陳蕪(ちんぶ)の願いを断り、姚子衿(ようしきん)の尚食局での地位と尊厳を守ることを誓った。

第9話感想

第9話は、姚子衿(ようしきん)と朱瞻基(しゅせんき)の心の交流が描かれた回でした。姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)のそばで静かに過ごし、彼の苦悩を理解しようと努めます。また、朱瞻基(しゅせんき)は姚子衿(ようしきん)の意見を尊重し、彼女を友人として扱う姿勢を見せます。しかし、二人の関係は予期せぬ出来事によって大きな変化を迎えます。

洪慶宮での出来事は、朱瞻基(しゅせんき)の心を深く傷つけました。彼は姚子衿(ようしきん)に奴隷として扱われているのではないかと疑い、怒りから書物を散乱させます。姚子衿(ようしきん)はそんな朱瞻基(しゅせんき)に自分の気持ちを告白し、毅然と立ち去ります。

この一件は、二人の関係に大きな亀裂を生じさせました。朱瞻基(しゅせんき)は姚子衿(ようしきん)の気持ちを理解できず、後悔の念に駆られます。一方、姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)の態度に失望し、傷ついた心を抱えています。

しかし、二人の関係は完全に断絶したわけではありません。姚子衿(ようしきん)は朱瞻基(しゅせんき)の体調を気遣い、料理に工夫を凝らします。朱瞻基(しゅせんき)も姚子衿(ようしきん)の心遣いに気づき、彼女を高く評価します。

つづく