六扇門 第21話 あらすじ/ネタバレ
喜福成戏班の班主殺害事件
喜福成戏班故去班主の息子は、申梓木(しんしぼく)に殺人犯の夫が官衙に引き渡されたことを告げた。申梓木(しんしぼく)は官衙の検視室に赴き遺体を検分すると、喜福成班主が受けた致命傷はやはり後ろから刺された鋼鉄の針によるものだった。犯人の殺人方法は、京内で発生した数件の殺人事件と手口が一致していた。
劉進(りゅうしん)の潜伏
劉進(りゅうしん)が薊遼総督の大営に潜伏していることを知った申梓木(しんしぼく)は、わざと軍営に侵入して哨兵に捕らえられることで、軍営内部に潜入することを試みる。彼は薊遼総督の張強(ちょうきょう)と当年武挙の同窓であり、二人は親しい関係にあったため、恐れずにこのような行動に出た。案の定、張強(ちょうきょう)は闖入してきたのが旧友の申梓木(しんしぼく)であると知ると、あまり難癖をつけずに兵士たちに申梓木(しんしぼく)との関係を説明し、旧交を温めようと提案した。申梓木(しん しぼく)は任務が急を要するため、すぐに本題に入り、張強(ちょうきょう)に大営に潜伏している劉進(りゅうしん)の引き渡しを要求した。しかし、劉進(りゅうしん)も張強(ちょうきょう)の友人であるため、張強(ちょうきょう)は板挟みとなって困ってしまった。幾度かの波折を経て、張強の面子を立てて、申梓木(しん しぼく)と劉進(りゅうしん)は一時的に恩怨を忘れ、酒を酌み交わしながら事件の真相を明らかにし、誤解を解きほぐした。
曹懿恩(そういえん)の蘇生と復讐
曹懿恩(そういえん)は意識を取り戻した後、自分が青楼の女になっていることを知り、死を望んだ。彼女は抗議の意思を示すために、死のうとしたり、絶食したりした。数日後、機会を見つけて皿を割って破片を拾い上げ、自分の首に当てて自害しようとした。すると、鮮血が流れ出し、万花楼の女将は慌てて彼女を医館に運んで治療させた。
やっとのことで外出許可を得て事件の捜査に出かけた申力行(しんりこう)は、医館を出た直後に万花楼の人々が曹懿恩(そういえん)を担いで治療に来たところに出くわした。意識を失っていた曹懿恩(そういえん)は「申力行(しんりこう)」という名前を聞き、大きな恨みを抱いていた彼女は、再び生きる希望を見出した。
申力行(しんりこう)の生存と孫乾(そんけん)への復讐
申力行(しんりこう)が死んでいないどころか、元気で牢獄で万柳を尋問していることを知った劉吉(りゅうきつ)は激怒した。彼は孫乾(そんけん)が自分に嘘をついたと思い、徐大人を錦衣衛鎮撫司に派遣して孫乾(そんけん)に事情を問い質した。孫乾(そんけん)はこれを聞いて驚き、慌てふためき、申力行(しんりこう)の遺体を見たことがないと口を滑らせた。面目を潰された孫乾(そんけん)は怒りを隠せず、東廠に赴いて自ら確認した。九死に一生を得た申力行は、孫乾を嘲笑し、孫乾は何も言えずに袖を拂って立ち去った。
曹懿恩(そういえん)の復讐
九死に一生を得た曹懿恩は、申力行に「一家を殺害した」復讐をするため、老鴇の提案を受け入れて青楼の頭牌になることを決意した。しかし、彼女は芸を売るだけで、体を売ることはしない。曹懿恩は名門の出であり、琴棋書画に優れ、美しい容姿と気品を兼ね備えているため、たちまち万花楼の花魁となり、京の都を騒がせた。曹懿恩の恥知らずな叔父はこれを聞いて、万花楼にやって来て金品を要求し、一儲けしようと考えたが、万花楼の人々に追い払われてしまった。
第21話の感想
第21話は、複雑な人間関係と緊迫した展開が続く見応えのある回でした。特に、申梓木(しん しぼく)と張強の友情、曹懿恩の復讐心、そして劉吉(りゅうきつ)と孫乾の確執が物語をより面白くしています。
申梓木(しん しぼく)と張強は、武挙の同窓であり、親しい友人同士です。しかし、劉進(リュウ・ジン)の引き渡しを巡って板挟みとなり、友情と任務の狭間で苦悩する姿が印象的でした。最終的には、誤解を解きほぐし、友情を再確認するシーンは感動的でした。
曹懿恩は、家族を殺された復讐のために生きることを決意します。青楼の頭牌となり、申力行への復讐を果たそうとする姿は、切なくも力強いものでした。
劉吉(りゅうきつ)と孫乾は、お互いに猜疑心と敵意を抱いています。劉吉(りゅうきつ)は孫乾が自分に嘘をついたと思い、孫乾は申力行の生存を知って焦燥に駆られます。二人の確執は、今後の物語の展開に大きな影響を与えそうです。
つづく