ストーリー
18世紀上半葉、清の乾隆帝(けんりゅうてい)の時代。
若々しい乾隆帝(けんりゅうてい)は即位し、側福晋(ふくじん)の如懿も嫻妃(かんひ)として後宮に入る。幼馴染であり、固い絆で結ばれていた2人だが、宮廷の権力闘争に巻き込まれていく。
皇太后·甄嬛(シンケイ)は如懿の母方のウラナラ氏一族を憎んでおり、如懿を目の敵にする。後宮では陰謀が渦巻き、老臣たちも権力を握ろうと暗躍する。
そんな中、乾隆帝(けんりゅうてい)と如懿は互いに支え合い、困難を乗り越えていく。如懿は皇后に昇格し、一見すると幸せな日々が訪れる。しかし、皇帝の心は次第に如懿から離れていく。
流瀲紫の小説を原作とした、愛と裏切り、そして運命に翻弄される女性の姿を描いた壮大な歴史ドラマ。
全87話ネタバレ
キャスト、登場人物
青桜/如 懿(にょい)
周迅(ジョウ・シュン)
乾隆帝(けんりゅうてい)
霍建華(ウォレス・フォ)
海常在(はいじょうざい)
張鈞甯 (チャン・チュンニン)
慧貴妃/高晞月
童瑤 (トン·ヤオ)
このドラマは、先帝の葬儀という壮大なシーンから始まり、権力闘争と愛憎が渦巻く後宮の世界に視聴者を一気に引き込みます。
ドラマの醍醐味は、複雑な策略と微妙な人間関係の変化にあります。『如懿伝』はこの点を極限まで追求しており、第7-8話で描かれる炭火をめぐる小さな事件は、様々な勢力の暗躍を浮き彫りにします。金玉妍(きんぎょくけん)の挑発、貴妃の陥れ、海蘭(かいらん)の屈辱、如懿の救済、そして皇帝の最終的な裁定。これらの要素が巧みに絡み合い、宮廷ドラマの真髄である「駆け引き」の魅力を余すことなく表現しています。
特に、如懿と海蘭(かいらん)の深い友情と逆境における互いの支え合いは、視聴者の心を揺さぶります。如懿の言葉は、海蘭(かいらん)への慰めであるだけでなく、複雑な環境下でも粘り強さと知性を保つことの重要性を観客に訴えかけるものです。
その後、如懿が母親の太妃名号を追封するよう求めたことで失寵し、李玉が皇帝を説得し、如懿が寵愛を取り戻して大皇子を育てるまでの過程、そして貴妃の陰謀と如懿の自救など、一連の展開は綿密に構成され、伏線が巧みに張られています。
登場人物は、善悪二元論に陥ることなく、立体的に描かれています。皇后である富察氏(ふちゃし)は、妃嬪(ヒヒン)や庶子に対して寛容さと愛情を示す慈悲深い一面と、妃嬪(ヒヒン)間の牽制を利用して地位を固めようとする狡猾な一面を持っています。高晞月(こう きげつ)は、軽薄で嫉妬深い一面を持ちながらも、時には驚くほどの才知と美しさを発揮する複雑な人物です。彼女の死は、運命の悲哀を痛感させます。
海蘭(かいらん)は、このドラマのハイライトの一つです。彼女は、最初は弱々しく、争いを好まない女性でしたが、徐々に如懿の最も堅実な支えとなります。如懿への忠誠心と自己犠牲の精神、そして重要な場面での勇気と知性は、強く印象に残ります。彼女と如懿の深い友情は、ドラマの中で最も感動的な要素の一つとなっています。