如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第13話 あらすじ/ネタバレ

紫禁城の奥深く、貴妃は侍女阿箬(あじゃく)を厳しく罰し、掌嘴を命じます。如懿は阿箬(あじゃく)を哀れみ、自分の宮殿に連れ戻そうとしますが、貴妃は強く拒否し、阿箬(あじゃく)をその場で6時間跪かせ、反省させるよう命じます。同時に如懿も反省のために般若心経を100回写経するように罰せられます。

阿箬(あじゃく)の必死の懇願にも関わらず、如懿は過ちは自分で責任を取るべきだと主張し、傘だけを残して立ち去ります。しかし、看守の太監は貴妃の命令で傘を受け取らず、如懿は落胆して去ります。

雨が激しさを増し、阿箬(あじゃく)は体力を消耗し、雨の中で泣き崩れます。如懿はそれを目撃し、苦しむ阿箬(あじゃく)を見過ごすことができず、急いで侍医を呼び、湯と布団を用意して帰りを待ちます。阿箬(あじゃく)が戻ってきたときには、全身びしょ濡れで、ぐったりとしていました。宮女たちはすぐに阿箬(あじゃく)を寝台に運びます。如懿は自分の手で生姜湯を差し出し、阿箬(あじゃく)の心と体を温めます。

一方、長春宮では、皇后が夜も更けたので蓮心を王欽のもとに帰そうとしますが、阿箬(あじゃく)は残りたいと懇願します。しかし、皇后は阿箬(あじゃく)の気持ちを理解しようとせず、阿箬(あじゃく)は落胆します。侍医の診断では、阿箬(あじゃく)に大きな怪我はありませんでしたが、安静が必要とされました。阿箬(あじゃく)は、自分の行動はすべて如懿を守るためであり、貴妃が如懿を虐待していることに我慢できなかったと訴えます。如懿は阿箬(あじゃく)の忠誠心に感謝しつつも、宮中で節度をわきまえなかったことを叱責します。

貴妃は、如懿が写経した般若心経の字が汚いことを理由に、もう一度100回写経するように命じます。如懿はこれが嫌がらせであることを理解し、筆を走らせて般若心経ではなく、劉禹錫の「浪淘沙」という詩を書き始めます。惢心が疑問を呈すると、如懿は般若心経の写経は形式的なものであり、この詩の方が真心が見えるのだと答えます。

翌朝、如懿はようやく罰則を完了します。惢心が写経を持って宮殿を出ると、偶然皇帝と出会います。如懿が書いた詩は、皇帝がかねてから憧れていた江の潮に関するものでした。ちょうど8月18日の観潮の日であり、皇帝は如懿の細やかな心遣いに感銘を受け、詩の下に般若心経が書かれているのを見て、如懿が民のために祈っていることを理解します。そこで、皇帝は王欽にこの経典を神棚に供え、1ヶ月間下げないよう命じます。これは、貴妃に対して如懿の行いを認めていることを示し、貴妃の勢いを抑えることを目的としています。

如懿は惢心と阿箬(あじゃく)の将来について話し合い、阿箬(あじゃく)の年齢と性格が宮廷生活に向いていないことを考慮して、良縁を探そうとします。阿箬(あじゃく)はこれを聞いて、宮殿を離れることを頑なに拒否し、如懿のそばにいたいと誓います。如懿は、阿箬(あじゃく)が25歳になったら改めて考えようと説得し、阿箬(あじゃく)は涙ながらに感謝しますが、去り際に複雑な表情を浮かべます。

朝廷では、皇帝は貴妃の父である高斌を軍機処に昇進させようとしますが、外戚の政治への介入を恐れる老臣たちの反対に遭います。皇帝は貴妃にその理由を説明し、貴妃は子供がいなくて勢力が弱いことを理由に、大皇子の養育を願い出ます。皇帝は、高斌が功績を立てたら昇進させると約束します。貴妃は帰路、故郷の旱魃を心配する小禄子に出会い、援助を約束します。しかし、この様子は嘉貴人(かきじん)の側近である貞淑に密かに見られており、小禄子は嘉貴人(かきじん)が仕掛けた駒であることが明らかになります。

玫貴人は妊娠中で、寵愛を笠に着て皇后にも無礼な態度をとります。皇后は不満を抱きます。貴妃は、玫貴人が長男を出産するのを阻止するため、茉心(ばっしん)と共謀し、玫貴人が魚介類を好むことを利用して、延禧宮に魚介類の生臭さを漂わせます。如懿と純嬪、海常在(はいじょうざい)が玫貴人を訪ねると、体調がおかしいことに気づきます。純嬪は経験から男の子ではないかと推測し、如懿も同意します。帰り道、蓮心が水に落ちているのを発見し、如懿は急いで助け出します。蓮心は誤って落ちたと主張し、自殺しようとしたことを否定します。

これらの出来事は、紫禁城内に複雑な権力と感情の網を織り成し、各宮の妃嬪(ヒヒン)と侍従は、生き残るためにその中で浮き沈みし、必死に抵抗しています。

第13話の感想

第13話は、如懿と阿箬(あじゃく)の関係が大きく変化する重要な回でした。阿箬(あじゃく)は如懿の優しさに触れ、忠誠心を強めますが、同時に自分の将来に不安を抱き始めます。如懿は阿箬(あじゃく)の気持ちを理解し、彼女のために良縁を探そうとしますが、阿箬(あじゃく)は如懿のそばを離れることを拒否します。二人の絆は深まりますが、阿箬(あじゃく)の将来は依然として不透明です。

一方、貴妃は如懿を陥れるために様々な策略を巡らせます。阿箬(あじゃく)の罰則を重くしたり、玫貴人に魚介類を食べさせて体調を崩させたりと、手段を選びません。しかし、皇帝の寵愛を失いつつある貴妃の焦燥感が伝わってくる回でもありました。

つづく